地元の方言をオカシク発音されるとキモチワルイのは、大阪人だけじゃない
「大阪の人って、大阪弁にプライド持ってるよね」ってたまに言われます。
生まれも育ちも大阪の僕は声を大にして言いたい。「プライドなんかない。ただの違和感だ。」と。
そしてこの違和感は、方言のある他の地域の人にも共通することだと思います。
「大阪人以外が大阪弁を喋りやがって」なんて思わない
テレビや映画で大阪人役の演者がおかしな大阪弁を話すと、Twitterが大抵荒れます。
でも同じ大阪人として「そうそう、あれはないよね」と思うことはあっても、「大阪人以外が大阪弁しゃべっちゃんちゃうぞ」なんて思うことはありません。
演者がどこの出身でどこで育ったかなんて気にしてません。「あ、こいつ大阪人の役のくせに神戸出身やんか」とかありません。
ただ単に、その演者の話し方や響きに違和感やぎこちなさを感じるだけなんです。気色悪いと。
これはどの地域にも共通することだと思います。
例えば津軽弁
『ましろのおと』というアニメでは登場人物の多くが津軽弁を話します。
僕はもちろん津軽弁ネイティブではないのですが、「これ、ほんとに津軽弁なの?」という謎の違和感がありました。
で、Twitterを見てみたら案の定でした。
しかし、書き込みを見てわかるように「津軽人以外が津軽弁を話すな」ということはだれも言っていません。津軽人のプライドに関することは言ってないんです。(全ツイートを見たわけではないので、そういう方もいらっしゃるかもですが)
「大阪出身じゃないのに、凄いなこの人」もある
自分の地元以外の方言を話すって非常に難しいです。
仮に僕が広島弁で話せと言われたら「無理」って言います。ちょっと練習するくらいでは無理ですし、そこで長期間生活してようやく「ちょっとできるようになったかな」になるくらいだと思います。単語だけでなく、広島の人たちのノリを身に付けないといけないからです。文化にどっぷり浸かる必要があります。
その難しさがあるなか「この人、大阪出身じゃないのに凄いな」という人もいます。濱田岳さんです。
『破門』『螻蛄』というドラマで大阪人の役を演じているのですが、会話のテンポや話し方が大阪人そのものです。後で東京出身と知ってとても驚きました。大阪人のノリをあそこまで出せるとは。
イントネーションがおかしいところはあるにはあるんですが、それを凌駕する大阪人のノリが凄いです。西田敏行さんより凄かったです。
言語は文化
昔英語圏に住んでた頃に痛感したのが、言語は言葉だけ学んでも片手落ちだということです。
重要なのは英単語や文法、ボキャブラリー、発音だけじゃありません。その言語のよくある会話の特徴やテンポ、ノリも重要なんです。
つまり言語にはその土地の文化が反映されていると思います。大阪人が「オチは?」と言ったり「ツッコんでよ」と言うのはまさにこれかと。「会話には大なり小なりオチとツッコミがあり、それを利用してコミュニケーションを取る」という大阪独特の文化。うん、典型的な例だわ。(それを強要するのはダメだけど。)
そしてこれは大阪に限らず、どの地域にも共通することだと思います。
「大阪人は大阪弁にプライドあるよね」に対する答えは「ない。ただ聞いてて気色悪い。」です。知らんけど。
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