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採用面接を1万回以上すると、その人の唯一無二の才能が見えるようになった

採用担当をしていた時、毎日のように朝から夜まで面接をしていた。
グループ面接や個別面接。
一度、今までの面接回数を数えてみた時もあった。
でも、あまりにも多くて途中でやめた。
なのでざっと通算すると1万回は超えているのではないかと思う。

面接は、一定の時間内に求める人材であるかどうかを見るというのは、
とても難易度が高いと思っている。
だから全神経を応募者に集中させ、一つの仕草や身なりにも、
その人の人となりが出ているので、情報収集をしていた。無意識に。
それは意識的ではなく、自然に情報が「入ってくる」感じだった。

例えば、とても清潔感のある爽やかな青年を面接した時のこと。
髪は短髪できっちりまとめられ、スーツの折り目も綺麗。姿勢も真っ直ぐ。
とても好印象だった。

でも、その応募者のYシャツの袖口が破れているのが目に飛び込んできた。
もしかして本人も気づいていないかもしれない。
そいうところまで、私は情報が入ってきてしまう。
こんな感じ。
それが合否の直接的な原因にはならないけれど、
そこに人間ぽさが現れ、何かを伝えてくる時がある。

やがて採用担当から離れ、面接をする機会がなくなった。
最後に面接をしてから、3年後。

友人のキャリア相談に乗った。
今までの人生を振り返ってもらい、どんな子供時代や学生時代、
社会人を送ってきたのかを聞かせてもらった。

そうすると、そのライフストーリーの中に、共通点があることが見えた。
それは、一貫して何かが滞ることがとても嫌だということ。
その滞りを解決したくなるらしい。
会議中でも、話が進まない原因がどこにあるかを瞬時に見極めて、
ファシリテートするという。
川の流れのように水を流したい感覚らしく、
滞留して濁ってくるのがわかるという。

これは、この友人の才能だと思った。
それを伝えると、とても納得していた。
「だから掃除の中でも排水溝の掃除が一番好きなんだ!」と笑っていた。

転職先でも、入社した直後にどこに何が滞っているか(問題があるか)瞬時に見極め、なんと社長交代への助言までしていた。
そして会社はその通りになった。
才能を活かすと、奇跡のようなことが普通に起こる。

私はこれを機に、
人の唯一無二の才能が見えると気づいた。
採用面接を1万回以上した蓄積があるからなのか?
私のすでに持っていた才能で面接をしていたのか?
いずれにせよ、これは私が天から授かった生まれ持ったギフトだった。
そこからどんどん「私のギフトを教えて欲しい」と
依頼が入ってくるようになった。

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