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歩けば歩くほど体を壊す「毒歩き」

前回は、睡眠の質、食事の質の話から、呼吸の質を意識することについてお伝えしました。

呼吸は当たり前にしている。しかし、その質はどうなの?という問い掛けのつもりで書いた記事です。

前回の呼吸の質に対して、今回は歩行の質について書いていきます。

呼吸は死なないために ”生物として” 最も重要なはたらきです。
それに対して、2本脚で歩くことは ”人間として” 最も大事な運動です。

人間の歩き方は直立二足歩行と言って、体をまっすぐに立てて2本脚で歩くという、他の動物にはない特殊な方法です。
脳みそが発達したのも、直立二足歩行が根底にあります。

実際、赤ちゃんは歩き始めると急に言葉が増えてきますし、お年寄りは歩行能力が落ちてくると認知症が出てきたりします。

人間は直立二足歩行に適した体をしている

体も直立二足歩行がやりやすいように進化して今の形になっています。

  • S字カーブを描いた背骨の形

  • 土踏まず

  • 筋肉の付き方

四足歩行のときは、地面に対して水平になっていたものが、直立二足歩行になって垂直になったのだから、脳を含めて体の構造が変わらないと対処できないのも納得がいきます。

体の不調は姿勢(背骨のカーブ)の崩れからはじまり、次に下半身に、そして上半身へと、順番をたどっていきます。

このことも背骨のカーブが崩れると地面を蹴って歩くことができなくなり、その結果、足の形の崩れ(土踏まずの崩れ)がおこる。蹴って歩けないから正しい筋肉の使い方ができないので、下半身の筋力低下や体の設計に合っていない方法で筋肉や関節を使うようになる。という順番が一致しています。

歩きの質を意識していますか?

歩き方を意識するというと

  • 背筋をピンと伸ばして

  • 歩幅を大きく

  • 腕は後ろに振る

  • 一日の歩数

などに注意が向きます。しかし、本来の直立二足歩行に適した体が崩れてしまっていると、正しい歩き方はおこなうことができません。
歩けば歩くほど体が壊れていく「毒歩き」になってしまいます。

多くの人は「人間本来の設計通りの歩いている」と「本来の機能が働いていないけれど、なんとか歩けている」を区別できていません。

クルマであるならば、4本のタイヤのうち1本がパンクしたまま走っているようなものです。
走って走れないことはありませんが、スポードは出ないしハンドルは効きづらいし、長いあいだには車体も歪んできます。
この状態は人間ならば運動神経が悪く体を思うように扱えない、骨盤や骨格の歪みです。

腰痛や肩こりのある人のほとんどは、姿勢が悪い、外反母趾や扁平足など歩くための機能が落ちています。
片足立ちで安定して立つことができなく体幹も不安定なので、お尻をフリフリしたり、上半身を左右に揺らしながら歩きます。
地面を蹴れないので全身の血行も悪い。

毒歩きを続けていたら、腰痛や肩こりの治療を受けたとしても根本的な改善は難しく、症状のぶり返しがおこりやすくなってしまいます。



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