コミュニケーションから考える看取り対応。

こんにちは。ようちゃんです。高齢者施設で介護士をしています。本日は、クレーム対応から看取り介護を考えてみたいと思います。

コミュニケーションの研修で『ピークアウトの法則』というものを学びました。ピークアウトの法則とは、「終わりよければすべてよし」なんて言葉もありますが、自分自身の過去の経験のピーク(絶頂)の時にどうだったのか(嬉しかったのか、悲しかったのか)最後はどう終わったのかで判定が決まるという法則です。
 クレーム対応で言うと、最後にお客様に「ここまで対応してくれたのか」と思ってもらい満足してもらうのか、あいまいな対応をして相手に不快な思いをさせてしまうのかでは全然違ってきます。満していただく対応ができれば、また利用したいとリピートにつながる可能性が高いです。
 看取りの対応でも同じこと言えます。看取り対応について、以前先輩から基本的は対応をした上で「日常の介護の延長上だから特別なことはしなくて大丈夫だよ」と教わってことがあります。でもそれだけで本当によいのでしょうか?
 先日、一人の入居者様を看取りました。5年以上利用されている方でした。当初はご家族の面会が多くあり、外食することもあったと聞いていましたが、感染対応でずっと面会ができていない状態が続いていました。私も看取り対応になって面会が許可されて初めてご家族に会いました。今回の看取り対応で私は「ピークアウトの法則」を意識して対応しました。
 ご家族が面会にきた際、皆さんはどんな対応をするでしょうか?以前の私は、入居者様の居室に案内した後は通常の業務をして、呼ばれた時に質問に答えて対応していました。今回、私が変えたのは、コミュニケーションです。ご家族の様子を確認しつつ、コミュニケーションを多くとるようにしました。「看取り対応は初めてなので不安であること」「まわりに色々話を聞いて家族内でも色々と意見があり迷っている」など、話をたくさん聞きました。あたらしいパジャマを用意してもらったり、皮膚の乾燥が気になるということで新しい軟膏を使用したり、食事を食べるのは難しい状態でしたが「昔から食べるのが好きだったから」ということではちみつを唇に塗ったり、好きな音楽をかけたりして対応しました。点滴を1日1回して対応していますたが、「胃ろうをすればよくなると知り合いに聞いたから話をしたい」と希望があり、亡くなった日の次の日に担当の医師と話をする予定でした。最後の最後までたくさん話しをさせてもらいました。結果、ご家族からは感謝の言葉をいただきました。
 確かに看取り介護は「日常の介護の延長上だから特別なことはしなくて大丈夫」なのかもしれせん。でも皮膚の乾燥が気になるところに新しい軟膏を塗ったり、はちみつを唇に塗ったり、好きな音楽をかけたりする対応は看取り対応になる以前はしていなかった対応です。私は今回の経験から「特別なことはしなくても大丈夫」という言葉でごまかし、考えることをしないのは間違っているということを学びました。また、軟膏を塗ったり、はちみつを唇に塗ったり、音楽をかけることは看取り対応ではなくてもできる対応です。ご家族とのコミュニケーションが大事であることを感じるとともに『日常の介護のレベルをアップさせることの重要性』を学びました。
 現在も私の施設では面会について、予約制の時間制限の面会で対応しています。だからこそ、入居者様とたくさんコミュニケーション取り、どんな人なのか、過去の生活習慣はどうだったのか、今はどんな生活を望んでいるのかなど知ることで、日々の介護のレベルをアップいきたいと考えています。

 ここまで読んでもらいありがとうございました。わたくしごとですが、久しぶりにリアルの研修に参加してした。そこで感じたのは『ものを書く時にテーブルに顔を近づけて猫背になってる』ことでした。この文章を書く際も姿勢を正すこと意識して書いています。まだまだ私の近くの地域でもクラスターが発生したという話を聞きます。感染対応に気をつけながらも人と会うことはよい刺激になり大切であることを感じました。この文章は一人のでも多くの人の幸せにつながればうれしく思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?