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u-note(宇野常寛の個人的なノートブック)

宇野常寛がこっそりはじめたひとりマガジン。社会時評と文化批評、あと個人的に日々のことを綴ったエッセイを書いていきます。いま書いている本の草稿や没原稿、なども載せていく予定。SNS…
僕はもはやFacebookやTwitterは意見を表明する場所としては相応しくないと考えています。…
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#共同体

「個人的なノートブック」を再開します。

突然ですが、個人のノートブック(定期購読マガジン)を再開します。3年ほど前に、実は少しだ…

宇野常寛
2年前
235

「コモンズの悲劇」とは似て非なる?「社会的共通資本の悲劇」について

昨日は国連大学で行われた「宇沢弘文没後10年 社会的共通資本 いままでの30年 これからの30年…

宇野常寛
4日前
45

「社交」よりも「批評」が大切だという話と、そのために必要な「場」について

 少し間が空いてしまって申し訳ない。実はしばらく出張で家を空けていて、帰京してからもその…

宇野常寛
2か月前
47

社会的、経済的に恵まれない「弱者」のためにこそ「ひとり」で生きていくための公共的…

先週「庭プロジェクト」で久しぶりに南後由和さんの発表を聞く機会があった。 テーマは「ひと…

宇野常寛
3か月前
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「弱い自立」のほうが「ゆるい共同体」より、実はハードルが低いし、そして「生贄」も…

昨日は渋谷のヒカリエで「地方創生」をテーマにしたトークセッションに出演した。 僕の主張は…

宇野常寛
3か月前
56

空気によってハラスメントが黙認されるのではなく、ハラスメントが黙認されることで空…

今日はちょっと考えさせられる出来事の話からしたい。さすがに生々しいので、特定できないよう…

宇野常寛
3か月前
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これからの公共性の基盤として「つくる」主体と「捨てる」主体を考える

 今日は昨日の議論の続き、というか関連して「公共空間」について考えてみたい。  僕は少し前に、高円寺の老舗銭湯「小杉湯」が原宿に進出したことについて以下の記事で書いた。  ここで僕が言いたかったのは、要するに公共空間というのは人間が共同体の一員ではなく(裸の)一個人になり、それでも受け入れられると信じられる場所であるべきだということなのだ。少し前(80年代、90年代)なら、それは事物の「消費」がその役割を果たしていたように思う。  どこの誰でも「お金さえあれば」その場所に

「消費」ではない回路を用いて「交通空間」をどう実装するか、を真剣に考えてみた話

さて、今日は少し変わって「都市」のことを考えてみたい。僕は去年から「庭プロジェクト」とい…

宇野常寛
3か月前
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これからの社会は「承認」のゆりかごを充実させるか、「評価」のハードルを下げるかの…

さて、今日はちょっと変わった話から始めたい。少し前に國分功一郎さんの『中動態の世界』につ…

宇野常寛
4か月前
33

コモンズと共同体をデカップリングする可能性を考える

 少しバタバタしていて、間が空いてしまったが、今日はコモンズと共同体について考えたい。宇…

宇野常寛
4か月前
39

「多様性」をマジックワードにせず、しっかり機能させるために一番大切なものとはなに…

 今日は「多様性」という言葉について考えてみたい。この言葉は今日においてほとんど「正義」…

宇野常寛
4か月前
63

「性愛」を経由しない対幻想(のポテンシャル)と「共同体ではなくチーム」を僕が選ぶ…

今日は昨日の三宅香帆さんとのトークショーで出た話題を延長して考えてみたい。それは「対幻想…

宇野常寛
4か月前
42

「贈与経済」は「怪獣使いと少年」を救えない(むしろ追い詰める)という話

 久しぶりにある本を読み通して、うーん、さすがにこれは……と頭を抱えこんでしまった。その…

宇野常寛
5か月前
81

「なぜタイムラインは誰かを常に糾弾し、連合赤軍は仲間をリンチし続けたのか」という話

 さて、ここ一週間は國分功一郎『暇と退屈の倫理学』を再読するシリーズ(その延長で『中動態の世界』『責任の生成』も取り扱った)を書いてきたのだけれど、なぜ突然そんなことをはじめたのかというと、月曜日に久しぶりに彼とゆっくり話す機会があったからだ。それはPLANETSCLUBで、國分さんが講師を引き受けてくれた柄谷行人についての入門的なオンライン講座で、質疑応答では率直に國分さんの柄谷解釈について質問することができた。 そこで、國分さんと僕との間で議論になったのは、「共同体」に