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u-note(宇野常寛の個人的なノートブック)

宇野常寛がこっそりはじめたひとりマガジン。社会時評と文化批評、あと個人的に日々のことを綴ったエッセイを書いていきます。いま書いている本の草稿や没原稿、なども載せていく予定。SNS…
僕はもはやFacebookやTwitterは意見を表明する場所としては相応しくないと考えています。…
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2024年6月の記事一覧

「東京という地方」の役割は「(まるで)日本ではない場所になる」ことではないかとい…

さて、昨日に引き続き「地方」について考えてみたい。僕は昨日述べたように都会のスローフード…

宇野常寛
3週間前
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「弱い自立」のほうが「ゆるい共同体」より、実はハードルが低いし、そして「生贄」も…

昨日は渋谷のヒカリエで「地方創生」をテーマにしたトークセッションに出演した。 僕の主張は…

宇野常寛
3週間前
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「告発するとますますイジメられるから黙ってイジメに耐えよう」という「善意の忠告」…

ここ数日、更新が滞ってしまって申し訳ない。先週の後半から体調を大きく崩してしまっていて、…

宇野常寛
3週間前
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空気によってハラスメントが黙認されるのではなく、ハラスメントが黙認されることで空…

今日はちょっと考えさせられる出来事の話からしたい。さすがに生々しいので、特定できないよう…

宇野常寛
1か月前
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「東京都のマッチングアプリ」問題から考える「子供はもはや親が育てるべきではない」…

 今日はpodcastでも話題にしたことなのだが、東京都運営のマッチングアプリについて考えたい…

宇野常寛
1か月前
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「他の仕事をしながら物書きも仕事にする」兼業物書きが増えることが、世界を少しは(…

今日は久しぶりに、出版人として考えていることを書きたい。僕がこれからの出版界で変えたほう…

宇野常寛
1か月前
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「庵野秀明的なもの」の可能性と限界から「オタク的な感性」のポジティブな応用を考える話

さて、今日は昨日の話の続きだ。 今日は「オタク」という文化にどのようなポジティブな可能性があるのか、ということを考えたい。当たり前のことだけれど、こういうことを考えるときに「クールジャパン」を誇り「偉大な日本」をでっち上げて自分がそれに同一化してショボい人生をごまかすとか、逆に「オタク」を敵視し、その駄目なところをあげつらって「サブカル」な自分を(自分たちのことは棚に上げて相対的に)免罪するといった低レベルな問題意識ほど邪魔なものはない。そのレベルの人たちは、なんというか

誰かを「安易に政治化しやがって」と冷笑するその前に、サブカル/オタクがやっておく…

先週の6月9日(日)に、銀座の単向街書店でトークイベントに出席した。ここは中国の書店の東京…

宇野常寛
1か月前
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『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』と「自意識」の問題

 今日は久しぶりに、アニメについて書こうと思う。先日、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサー…

宇野常寛
1か月前
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これからの公共性の基盤として「つくる」主体と「捨てる」主体を考える

 今日は昨日の議論の続き、というか関連して「公共空間」について考えてみたい。  僕は少し…

宇野常寛
1か月前
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地方は「都会のスローフード好き」のためのテーマパークをつくるよりも「平成」的なラ…

ここ数年、僕は都市開発や地方創生に関係する仕事が多い。2019年から参加したMSDと、その中間…

宇野常寛
1か月前
41

「消費」ではない回路を用いて「交通空間」をどう実装するか、を真剣に考えてみた話

さて、今日は少し変わって「都市」のことを考えてみたい。僕は去年から「庭プロジェクト」とい…

宇野常寛
1か月前
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落合陽一の提唱する「テクノ民藝」から、「評価」でも「承認」でもない人間を支える回…

 今日も前回の続きだ。  ここで要するに僕は以下のような話をした。  (ハンナ・アーレン…

宇野常寛
1か月前
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物事を「つくる」快楽は確実に存在する。しかしそれを「感じる」のは「相対的に」難しくなってきているのではないかという話

 今日は昨日の続きで、制作(work)の快楽をどう評価するか、という問題について考えたい。  一般論として物事を制作する(work)それ自体に、快楽は宿る。これは、よくよく考えてみると少し変わった快楽で、共同体や他の人間から承認を得る快楽とも、ゲームを「攻略」する快楽とも異なっている。もちろん、制作することで他の誰かから承認されることもあるだろうし、うまくつくれたことにゲームの攻略の達成感を得ることもあるだろう。  しかし0から1を生むこと、自分が作らなければ世界に発生し