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CHAPTER1 「作品」の境界をなくしたい(猪子寿之×宇野常寛『人類を前に進めたい』より)

PLANETSの新刊 猪子寿之×宇野常寛『人類を前に進めたい チームラボと境界のない世界』が好評予約受付中です。
発売に先駆け、本日より毎日、各章へ猪子さんがよせたステートメントを無料公開します!

本書は、チームラボ代表・猪子寿之氏と、評論家・宇野常寛の対談をまとめたものです。対談は、チームラボが国内外で行ってきた展示を、二人でともに観ながら(ときには大幅な脱線も含みながら)、そのアートの目指すところを言語化していくものになりました。
また、書籍では章ごとに、猪子さん自らによる展示会やアート作品のコンセプト解説が掲載されています。CHAPTER1のテーマは「作品」の境界をなくすこと、です。

▼書籍の内容紹介
2015年からの4年間、猪子氏は、宇野を聞き手に、展覧会や作品のコンセプト、その制作背景を語り続けてきました。ニューヨーク、シリコンバレー、パリ、シンガポール、上海、九州、お台場……。共に多くの地を訪れた二人の対話を通じて、アートコレクティブ・チームラボの軌跡を追う1冊。猪子氏による語りおろし「チームラボのアートはこうして生まれた」も収録。全編フルカラー、写真も満載です!

CHAPTER1 「作品」の境界をなくしたい

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▲『花と人、コントロールできないけれども、共に生きる』『境界のない群蝶』『増殖する生命II』©teamLab 

 チームラボのつくるアート作品では、大きな軸として、さまざまなアプローチから「境界がなくなる世界」の可能性を追求しています。そのアプローチのひとつが「作品同士の境界」を曖昧にすることです。ひとつの作品の要素が、作品から飛び出して、別の作品の中に入り込み、移動していきます。作品のフレームという概念を解き放ち、境界を曖昧にしていくわけです。そして空間全体が作品になっていくのです。
 もうひとつのアプローチが「人と人の境界」を曖昧にすることです。「人々の関係性を変化させ、他者との関係性をポジティブに変えていく」というコンセプトの作品をつくっています。たとえば、ひとつの作品で、じっとしている人の周辺にたくさんの花が咲き、走り回る人の周辺では花は散る。他者の振る舞いによって作品が変容し続けるんです。他者の存在によって世界が美しく変化したら、その存在をよりポジティブにとらえられるかもしれない。僕らはデジタルテクノロジーによるアートにそういう力があると思っています。(猪子寿之)

明日は、CHAPTER2「デジタルの力で『自然』と呼応したい」によせられたステートメントを公開します。


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宇野常寛の〈PLANETS〉です。近くのことから遠くのことまで言葉にします。