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CHAPTER11 「パブリック」と「パーソナル」を更新したい(猪子寿之×宇野常寛『人類を前に進めたい』より)

PLANETSの新刊 猪子寿之×宇野常寛『人類を前に進めたい チームラボと境界のない世界』が、先行予約を受付中です。
発売に先駆け、毎日、各章へ猪子さんがよせたステートメントを無料公開しています!
今日は、CHAPTER11「パブリック」と「パーソナル」を更新したい です。

▼書籍の内容紹介
2015年からの4年間、チームラボ代表の猪子寿之氏は、評論家・宇野常寛を聞き手に、展覧会や作品のコンセプト、その制作背景を語り続けてきました。ニューヨーク、シリコンバレー、パリ、シンガポール、上海、九州、お台場……。共に多くの地を訪れた二人の対話を通じて、アートコレクティブ・チームラボの軌跡を追う1冊。猪子氏による語りおろし「チームラボのアートはこうして生まれた」も収録です。(フルカラー)

CHAPTER11 「パブリック」と「パーソナル」を更新したい

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▲『自立しつつも、呼応する生命』 で遊ぶ家族連れ©teamLab

 都市において、たとえば、噴水、信号、広場のようなパブリックなものと、自家用車、自宅、スマートフォンのようなパーソナルなものは、完全に分断されるかたちで存在していると思います。その中で、デジタルアートによって、パブリックな空間に対してもパーソナルにアプローチできるのではないか、というのはずっと考えていたことでした。アートの力によって、パーソナルな存在すらもパブリックとして価値が上がるものに変換できる―そこから生まれたのが「パーソナライズド シティ」というコンセプトです。(猪子寿之)

CHAPTER11では、シンガポールにおける常設展「Digital Light Canvas」や、深圳における都市計画などを主題として、いかにデジタルテクノロジーによるアートを通じて「パーソナルなものをパブリックにできるか」という問題を考えました。

「Digital Light Canvas」における『Strokes of Life - Birthday / Anniversary / Marriage Proposal』では、メッセージを送ることで、誕生日を祝ったり、プロポーズができる、一見「パーソナル」な作品。これについて自分なら(『ダークナイト』のジョーカーのように)"Why So Serious?"と打ち込むという宇野。対して猪子さんは、この作品は、もし誰かがプロポーズをしたとしても、周囲の人たちはそれに気がつかないような仕組みになっていると言います。続きはぜひ本書で!

明日は、CHAPTER12「『飲食』そのものをアートにしたい」によせられたステートメントを公開します。


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