机A

自閉症の根底には不安がある

私には忘れられない絵がある。
知的遅れを伴う自閉症(カナータイプ)の方が見てる世界を、
描いた絵が教科書に載っていた。
あの時の衝撃は今でも忘れられない。

彼らは決して視力が悪いわけではなく、
注意を向ける特定の状況(視覚範囲)や、
視覚データを認知処理する際に特徴がある。
そのため、場所や景色の中から、
限られた物がクローズアップされて見えている。
もちろん、慣れてくると徐々に認知されてくる。

教科書に載っていた絵は、部屋の様子が描かれていた。
実際の部屋には床があり、天井があり、窓や椅子もあった。
しかし、彼らが見ているのは上記の絵のように、
壁はあるが、床がなく、真ん中に浮かぶ机だった!!!

知的遅れの有無に関わらず、自閉症の方は、
初めての場所が苦手でパニックを起すことが多い。
母親に連れられて、幼稚園の友達の家に初めて行ったら、
玄関でパニックを起して家に入れなかったり、
家から公園の道順が決まっていたり、公園に誰かいると入れなかったり・・
彼らは同じルーチン、手順を好み、変化を嫌う。
いつもと同じというということが安心感を生んでいる。
決してワガママではないのだ。

年齢を重ね、経験が増えるごとに、予測ができたり慣れてくるが、
根底には不安があることを忘れてはならない。
園や学校のイベントでは、下調べに現場に行ったり、見本をみせるなど、
少しでも不安を下げる工夫が大切だと感じる。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?