見出し画像

A=415のチューニング『金魚すくいにはうってつけの日』

 7/21にはリコーダー奏者、中村栄宏さんのコンサート『リコーダー邂逅〜古(いにしえ)から現代へ〜』でした。場所は高崎のアトリエミストラル、旧銀行の建物を利用した会場で、とても良く楽器が響く、素敵な場所です。
 古から現代へ、と副題にもありますが、中世の作者不詳の曲や、その後のバッハから、ルイ・アンドリーセンや細川俊夫など、現代の曲まで取り上げた意欲的なコンサートでした。

 ワキマルは、作曲とピアノという形で参加、自分が伴奏した曲は、チャルダッシュ、バルトークのルーマニア民族舞曲、瑠璃色の地球、そしてリコーダーとピアノのために作曲した『かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける』でした。ピアノ・ソロは自作『okinawa piece』を即興を交えて演奏させていただきました。コンサートのことで言えば、結果的に、このリコーダーの演奏会を喜んでくださった方々が多かったようですので、少しホッとしています。またスタッフの方々のお心配りや、中村さんのファンの方々の暖かさに助けられました。本当に感謝でございます。コンサート後の会場での打ち上げでの会話も楽しかったです。

 会場の1905年製プレイエルのピアノも、とても暖かい音色で、現代のピアノのモダンで硬質なイメージとは違うものを感じました。産業革命で生まれたピアノという楽器ですが、今の時代のものと比べると優しい音色に感じられるのは面白いなと思いました。とても自分に近しい印象を持てたピアノでした。僕自身はグランドピアノを所有していないのですが、コンサートの機会に様々なピアノと出会うのは楽しみでもあります。

 もう一つ、新作『金魚すくいにはうってつけの日』というリコーダーとピアノのための曲をコンサートでは初めて発表させていただきました。
 これはいわゆる昔のボイスフルートで、A=415の楽器のための曲です。
現代のチューニングではA、つまり鍵盤でいう真ん中のラの音は440です。
昔よりも半音高いものになります。
 ですので、つまり昔の曲を演奏する場合、現代のピアノで譜面通りに弾くと実は、当時再現されていた音よりも高くなるのです。ですから大分雰囲気が違うかと思います。
 『金魚』で使用されたボイスフルートはD管(レ)の楽器なのですが、現代のチューニングで考えると半音下の音、つまりDb(レのフラット)の音が鳴るので、ピアノの楽譜自体はフラットが5つということになります。Des dur、Dbメジャーの曲ということになります。
 音のチューニングが上がっていった背景というのは諸説あるようですが、僕が考えたのは高揚感、と言いますか、それを求める傾向があって結果テンションが上がった結果かな、なんて思っていました。ただ実際は、先程書いたA=415よりも低いチューニングもあれば、440よりも更に半音高いものも古楽では元々あったようなので、一概に言えなそうです。
 ただ、良く知る曲を半音下ぐらいのもので聴くと、曲によっては穏やかな感じに聴こえて心地よいなと感じたりします。
現代のクラシックのピアノのチューニングは主に442、ポップスのレコーディングでは441が多いです(最近は440も増えているようですが)。
 ちなみに528hz(ド)を出すためにはA=は444にチューニングする必要があります。この444は生の現代のピアノの合うかというと、実際にやったことないのでなんとも言えないのですが、YouTubeなどで見て聴く限り、なかなか難しそうかな、なんて現段階では思っています。現代のピアノは440よりちょっと低いか、高くて442、あるいは443ぐらいが合うのではないか、と思います。自分は今のところ、プラグイン音源か、デジタルピアノで試しています。

 リコーダー持ってますが吹けません(笑)プラスチック管とかと違って、これらの楽器を吹くのには技術と体作りが必要です。
 そのうち、『金魚すくいにはうってつけの日』をアップできればと思います。ちなみに8/3の佐渡のコンサートでも演奏いたします。

★SHOW CASE~ワキマル・ジュンイチさんをお迎えして

●日時 2019/8/3(土)14:15開場 14:30開演

●会場 アミューズメント佐渡(佐渡中央文化会館)はまなすホール(新潟県佐渡市中原234-1)

https://www.city.sado.niigata.jp/z_ot/amusement_sado/

●チケット

全席自由 前売(一般)¥2000 当日¥2500 前売(高校生以下)¥500 当日¥1000

●チケット予約・お問い合わせ 

Tel: 090-2731-5366(小浜)  utano-ok-co-59.8@docomo.ne.jp(小浜)

 本日は、昨年の中村さんとのコンサートより、『かささぎの〜』から、最終曲、『天の橋』と、先日のコンサート内で弾かせていただいたピアノ・ソロ『okinawa piece』のリンクを貼らせていただきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?