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〈見て.触れて.聴ける〉作品によって”サステナブルな資源循環の世界観”に触れるアート展を開催中

COIL Upcycle Art Contest 2022終了と最終審査展開催

2022年6月1日より公募が始まった、「サステナブルな世界観を文化のスタンダードにする」をミッションに掲げる現代アート公募展〈COIL Upcycle Art Contest 〉の2022年度最終審査会が2022年12月10日に主催企業である株式会社中特ホールディングスの本社にて開催され、1次審査で入選を果たした7組計8名のクリエイター同席の元、プレゼンと審査が行われました。

入選者7作品の中から特に評価された3作品に賞を授与し、現在は出品された7作品全部を1年間に渡って最終審査展として公開しています。入選作品は見るだけでなく、触れたり聴いたりすることができ、作品とのより深い対話をお楽しみいただけるようになっています。


展示フライヤー

本公募展が目指す目的地について

昨年同様、環境省や地域の大学などから後援をいただき、全国各地の130名のクリエイターから廃棄物を使用したアート作品の応募がありました。

私たちは上に書いたミッションにもある通り、本公募展を通して“アートを起点とした新たな文化圏の形成”をしたいと考えています。なのでよく聞かれる、「廃棄物の活用」や「捨てられた物の再利用」とはまた違った価値を基礎としています。

廃棄物の再活用や再利用に焦点が当たった場合、それを行うこと自体が目的化してしまいがちです。最終目的地を明確化することで着実に前進して行けるというのがこの公募の価値だと考えています。

アートは人類の歴史において文化や文明の起源に多大なる影響を与えてきました。今は人新世という時代が終わり、また新たな未知の時代に進み入ろうとしている転換期だと言えます。今までの常識が終わり新たな常識が生まれる時、この廃棄物でできたアートたちが私たち人類にどんなメッセージを与えてくれるのか、とてもワクワクしています。

グランプリ受賞作品:ことだまのうつわ-[毳器]-/押鐘まどか(おしかね・まどか、東京都)


押鐘まどかさん作品の様子

テキスタイルデザイナーとして活動する作家が、生地の高速大量生産の過程で排出される繊維(*1)の存在に疑問を持ったことで制作に至ったという作品。口を持つ不思議な生命体のような作品の群は、直接触れることでその素材を感じ取ることが出来る。(展示期間中はサンプルのみ触れることが出来る)
*1:別名『生地耳(きじみみ)』


《本作品は、ユニークなテクスチャーをトリガーして、触感のリテラシーと環境倫理の問いを投げかけ、人新世のあちらがわからの声を感じる役割を忍ばせたソフトスカルプチャーである。「触感」は共感を伝えるのが難しい領域だが、しかし、手で作ることや手で感じとることは、誰しもが主観で感じて直接体に深く響く行為だ。つまり触感のリテラシーと生への喜びとは深く結びついていると信じている。ことだまのうつわ-[毳器]-が、多くの人の環境への意識を共有するきっかけになれればと願っている。(ステートメントより抜粋)》


準グランプリ受賞作品:おこもり/森有未(もり・あゆみ、埼玉県)

素材の透明性や光の透過をテーマとして制作活動をしている作家が、自身が利用する定期宅配サービスで毎回大量に発生する透明なビニール袋に光が差し込む様子からインスピレーションを受けた作品。自然光溢れる環境に1人籠ってぼーっとできるようなインスタレーション作品となっている。

《どうぞ優しく触れてみてください。入り口は狭いので体を低くしながら、1人ずつ順番に中へお入りください。
外から見るだけでなく、作品の中に入って触れることで「そこにある」ことを実感する。
その小さな体験は、作品を介して自分自身を見つめる動きのように思います。(ステートメントより抜粋)》

森有未さん作品の様子


審査員特別賞受賞作品:在り方/鈴木麻希子(すずき・まきこ、東京都)

服飾系大学院に在籍中の作家が、いずれ捨てられるもの(今回は食べ物の皮)を用いて自身の制作活動の肝となる「縫う」という行為によって表現した作品。時間の経過や儚さ、一度縫うと元通りにはならない『繕い』はまるで元に戻せない地球環境や命の破壊を連想させる。また写真により実寸大以上に引き延ばすことで、普段は見過ごしてしまいそうな細部まで大衆と共有しようと考えた。

《作品にある、時間の経過、儚さ、元通りにはならない繕いは、地球の環境や命とリンクしていきます。消費・廃棄されてしまうモノへの、再認識へ繋がるスイッチになれたら、と願っています。(ステートメントより抜粋)》

鈴木麻希子さん作品の様子


その他入選4作品も同時に展示中

・『廃棄本は、ごみ?作品?資源?MOMINICATION 揉みにケーション=MOMU 揉む × COMMUNICATION』/しょうじまさる
・『Circulation』/柏﨑桜(かしわざき・さくら)
・『音物達(おともだち)』/直井大紀(なおい・だいき)
・『Material Anatomy』/シモ×dom(しもどむ)


しょうじまさるさんプレゼンの様子
柏崎桜さんプレゼンの様子

直井大紀さんプレゼンの様子
シモ×domさんプレゼンの様子
審査会後の様作家さんの様子

展示依頼募集中

現在作品の展示依頼を受付中です。
お問い合わせは、coil@chutoku-g.co.jp (担当:橋本)まで


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