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お茶会に行こう!京都の三つお茶会の記憶

日本に帰ると近くでお茶会があれば私は出かけます。

前回帰国したときには三つの大寄せ(一席25人程度)の似たようなお茶会に行くことができました。そのときの記憶、印象をお話ししたいと思います。場所はいずれも京都の違う日、違うお寺で行われたものです。

第一席 お坊さんが半東のお茶会

このお茶会はとてもインパクトがありました。半東のほとんどが男性のお坊さんで袈裟を着て、お茶を出しくれました。私はこんなお茶会初めてだったのでかなりびっくりしました。お坊さん、かっこいいですよ。茶席もいつもと雰囲気がグッと変わります。

さらに亭主の方のご挨拶がとても好感の持てるものでした。亭主の先生はとても謙虚ない物腰で、「田舎者でお恥ずかしいですが、地元の美味しいお菓子をお持ちしました。」とおいしいきび団子を出してくれました。

お道具も掛け軸も半東さんもさり気ないのにそれでいて客を喜ばす趣向が利いた工夫があり、ちょっと下がってくれるご亭主の物腰は、お客を安心させ、自然に場がなごみます。お客さん同士も朗らかな雰囲気になりました。

第二席 お道具自慢のお茶会

お茶会で使われているお道具やお菓子は見たも華やかでとても素敵でした。お点前の若くて綺麗な女性もさらに華を添えています。

そしてご亭主の挨拶。お道具のりっぱさ、高価さ、手に入れにくさ、作者の素晴らしさなど、お道具自慢の一言に尽きました。お腹いっぱいです。

お客様で来ている人もお茶の先生も多いので「凄いわね~。」「とても買えないわねぇ。」「素晴らしいわねぇ。」と言う声があちらこちらで、説明のたびに聞こえてきます。

確かに通常であればガラス越しだったり、直に目にすることもないようなりっぱなお道具を実際に手に取って拝見できるのは、とても嬉しいことです。ただ高価なお道具を持つ、使うことがお茶会の価値を決めるわけではないと思います。

もちろん、よくわからないなりに結構なお道具類を堪能させていただきました。もっとお道具に詳しいとその価値の重みも感じるのでしょう。こんな機会もお茶会ならの楽しみです。

第三席 失敗はお弟子さんの不手際

お席も満員御礼。飛び入りのお客様が予想以上に多かったのか、椅子を希望なさる方が多かったのか、お席はちょっとキツキツ気味。

お客様の中には90歳以上の茶道の大先生もお弟子さんとお見えのようで、まわりの先生方もご亭主も大変気を使われていました。

さてお茶会が始まり、お菓子を回しだすと私とお隣の方のお菓子が足りません。それを半東さんにお伝えしますと早速ご亭主が挨拶がてら皆さんにお菓子の不手際を謝罪しました。

その前にご亭主の先生がお弟子さんを「どうしてそんなことになってるの!」と厳しい口調で言っているのは聞こえているし、ご挨拶で「うちの弟子の不手際で大変失礼いたしました。皆様、大丈夫でございますか?」と打って変わったように明るく気さくなトーンで言われてもちょっとひっかります。

お弟子さんに細かく厳しい茶道の先生は典型かもしれません。でも、ここはお稽古場ではなくて、お茶席なので、「私が悪いんじゃない」「あなたのせいよ」というアピールよりもやり過ごしてもらえたら、こちらまで変な緊張をしなかったかもしれません。

おかげでお菓子もお茶の記憶もなく、先生の口調だけが印象に残ってしまいました。

外向けのお茶会は先生方にとっては大事なお席。どんなりっぱな先生と言えども緊張していらっしゃる様子がよくわかりますよね。大変なんですよね、大勢の人を抜かりなくおもてなしするってことは。

お茶菓子

おもてなしが嬉しいお茶会が好き

私はやっぱりおもてなしの気持ちがじわじわ感じる嬉しいお茶会が好きです。人間ってもちろん、形の素晴らしさ、美しさに感動するけど、目に見えない相手の気持ちに心が動きます。

お道具を見て触れて、お茶の点てる音を聴き、抹茶の香りを楽しんで、お茶とお菓子を愛でながら美味しくいただく。それ自体、とても素敵な体験です。そこに意識がいく雰囲気もとても好きです。

さらにどんなお茶会をして、どうゲストを喜ばせたいのかという亭主の温かで、時には茶目っ気すらある目線がゲストにも伝わってくるお茶会が、私はとっても面白いし、嬉しいし、好きです。

お茶会って、お茶を点てて出すだけ、ゲストは飲むだけのように思うけど、どんなお茶会でも実はホストは考えに考えを重ねて、いろいろ準備してくれている贅沢なもの。

だからお茶会にはワクワクしちゃう。お茶会に行きたくなる。今度はどんなお茶会だろう?って。

きっとこの記事を読んでいただいている方ともお席でお会いすることもあるかもしれせんね。

まだ、お茶会に行ったことのない方も是非機会があればお茶会に行ってみてくださいね。








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