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業界最安値の小説教室を開催していた作家が、教室休止に追い込まれるまで。

私が業界最安値の小説教室を作ったわけ。

 私は作家&小説教室代表です。カルチャーセンターで小説教室をはじめたのは十三年前。
 カルチャーセンターって、講師に入ってくるお金は生徒さんが支払ったお金の三割なんです。七割をセンター側が取ります。
 月に二回、一回二時間の授業をして、私に入るお金は2千円ぐらい。時給にすると数百円です。
 ですが、生徒さんが楽しく小説を書いていらっしゃると講師も楽しい。上達されるとうれしい。はじめて小説を完成させられたの、と言われると私も一緒に達成感を覚える。デビューされる方も増えてきて、やりがいを感じていました。
 イトーヨカードが閉店になったのを機に、自分でレンタル会議室を借りて教室を開催するようになりました。
 受講料を安くして、業界最安値で教室を運営していました。作家さんのお悩み相談も無料で回答していました。私はデビュー前後、メンターとも言える先輩作家さんがいました。私が与えて貰ったものを後進の作家さんにお返ししようと思ったのです。
 私はジュブナイルポルノの女王と言われた作家です。当時は年収一千万円越えでしたから、教室で儲けなくても平気だったのです。

コロナ禍がやってきた。

 コロナ禍でレンタル会議室が閉鎖され、教室運営ができなくなりました。通信添削にシフトしましたが、そこそこ順調でした。コロナ禍が納まり、レンタル会議室での教室も再開しました。お悩み相談は0円→千円→2千円にしたし、添削も値上げをしたけど、それでもかなり安い料金設定です。ここまではとても順調だったのです。
 ユーチューブで配信をはじめたところ、一気にトラブルだらけになりました。 

次々に起こるトラブル。警察と弁護士に相談。ついに休止に追い込まれた。

・作家さんのお悩み相談を一件千円で請け負ったところ、ユーチューブで無料で回答してるくせに、私っていい鴨ですねと書かれた。
・小説の講評に怒り出す人がいた。
・私をモデルにしたポルノ小説の添削を依頼した人がいた。
・通信教育を申し込んだ方に教材を送ったら、辞退するのでお金は払わないと言われた。
・精神の障害という方は、問い合わせ(相談?)のメールを一日に30通送ってきて、断ったらさらに10通メールを送ってきた。

 私をモデルにしたポルノ小説と大量メールは恐怖でした。警察と弁護士に相談しました。
 トラブルがひとつ起こるたび、「みんなで一緒に楽しく小説を書いて、みんな上達してくれたらいいな」という私の思いは削られていきました。
 疲れてしまって、レンタル会議室の小説教室以外の全ての業務を停止しています(その教室も、他の先生に講師をお願いすることが多いです)。

 作家業も不調で、レーベルが無くなったり担当者が退職したりして小説が出版されなくなりました。専門学校講師の仕事が順調なので干上がることはないですが、状況は良くないですね。

変な人を引き寄せるのは、私に悪いところがあるから?


 なんでこんなにトラブルが起こるの? 私が悪いの?
 ユーチューブのせい? 無料で回答したから?
 ポルノを書いていたから? ポルノ作家が講師なんて気持ち悪いんだよ、反省しろって内容のメールを受け取ったこともあるなぁ……。
 業界最安値が悪かったの? 安かったり無料だったりすると安易な気持ちで依頼される方が多いのかも。
 性善説でやってきた私が悪いんだろうな。

講師仲間やサークルの先輩に相談してみた。

 小説のオンラインサロンを運営している人はこう言いました。
「小説教室に限らず、人間が集まると、困ったことをする人、怒り出す人、無茶な要求をする人は必ずいると言いました。僕はそういう人には退会してもらっている。
 ココナラやスキマは、ピンハネされるけど、講師の個人情報を隠してくれるし、変な人を断ることもできるし、ブロックすることもできる。ココナラやスキマでするといいよ。ピンハネは安全料だよ」

 確かにその通りです。カルチャーセンターも、講師の私の個人情報を隠してくれたし、困ったことをする生徒さんはいませんでした。
 フランス書院も、女流作家である私を守ってくれました。

 ネットを使って不特定多数の人に向けて商売をする以上、変な人がいることを見据えて、自衛をするしかありません。

体制を見直します。

・郵送添削はやめます。自宅住所を明らかにするのは怖いので、メールだけにします。
・小説教室は5月から前払い振り込みに変更します。今までは当日払いで、キャンセル料なしでやっていたけど、当日キャンセルの方が多くて教室運営が難しいからです。当日キャンセルの場合はキャンセル料100%頂きます。インフルエンザ等でお休みをされるときは、次回繰り越しになります。
・通信教育や通信添削の支払いは全て前払いにします。後払いはこりました。
・標準額程度に値上げします。
・作家さんの困りごと相談は全てやめるか、一件5万円をご請求させて頂くかのどちらかにします。私の27年間の作家としての知識です。5万円でも安いぐらいです。
・ご依頼のメールでいたずらやからかいだと判断した場合は返信しません。
・精神のご病気の方は、まず病院に行って、元気になってからお申し込みください。「障害者差別だ」という方がいらっしゃいますが、認知が歪んでいる方にはアドバイスを届けることができないし、私は精神の障害の方に応対するスキルがありません。ご理解頂けますようお願いします。
・講師に対するパワハラやストーカー、ハラスメントについては、警察と弁護士に相談します。

普通の教室になるだけです。

 キャンセル料の徴収は、場所を確保するサービスでは普通です。サービスを受けるさいの先払いも普通です。私の頭がお花畑だっただけ。
 普通の教室になるだけです。

罵倒メール

 ここから先は有料100円です。私に来た罵倒メールをいくつか紹介します。

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