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編集者って何をする人なの?

編集者は編んで集める者です。

 新人賞を取った作家がいちばんはじめに戸惑うのは、いま、目の前にいる編集者が何者なのか? という点です。編集者ってラフな格好をしてるし、あんまり会社員らしくないからよけいです。 

 編集者は編んで集める者と書きます。本を一冊出すためには、作家と一緒に企画を考え、打ち合わせをして、小説を書いてもらって、小説を良くするためにダメ出しをして、イラストを発注し、キャラデザのチェックをして、装丁画家さんに装丁をしてもらい、著者校正をして、校正者に依頼しなくてはならない。こうしたいろんな部品を集めて一冊の本に編み上げていく。それが編集者の仕事です。

作家にとって編集者は、うるさくてありがたい存在。

 小説を出版できるようにもってきてくれるので、ありがたい存在ですが、 
企画や小説のダメだしをしてくるので、うるさい存在でもあります。
 編集もいじわるで言っているわけではなく、本を売れるようにアドバイスをしてくるのです。
 ときには議論を戦わせることもあります。

編「嫁ものなんて売れないですよ」
私「それは違います。××は俺の嫁って言葉があるじゃないですか?」
編「結婚なんてみんなするし、若い読者さんに結婚なんてリアルではない」私「××さんの考え方は古いです。今は未婚率上がってるし、読者さんの年齢も上がっているじゃないですか?」

編集者には四種類います。

1.社員編集者


 正社員の編集者です。大手出版社の社員は、文系エリートが多いです。なぜか早稲田が多いんですが、東大京大、有名大学の文学部を卒業したキレ者が多いです。
 ですが、大手出版社はコネ入社組も多いです。どんな業界でもコネ入社は多かれ少なかれいるのですが、マスコミは特にコネ入社が多いと言われています。有名作家の息子や孫娘が社員として働いている場合もあります。コネ入社組だから悪いというわけでもないんですけどね。
 中小の出版社だと編集長がそのまま社長だったりもするし、中堅企業は中途採用も多いですね。

2.契約社員


 2年契約で、成績が良ければ継続、会社にものすごく利益を与えたら社員登用。でも、成績が悪ければ2年で契約満了。みたいな条件で働いています。
 編集者の下にデスクがいるんですが(デスクは課長補佐みたいな役職です)、デスクでも契約社員の場合がありますよ。社員なんて編集長しかいない会社もあります。

3.フリー編集者


 ベテランの編集者が、会社を辞めたあとフリー編集者として働く場合があります。会社に所属せず、編集作業だけを請け負うんですね。フリー編集者と仕事をする場合、A社で不採用だった企画を、B社に持って行ってくれてB社で本が出たりもします。

4.編プロ(編集プロダクション)


 編集作業だけを請け負う会社です。編集料は出版社から取るので、作家からお金は取りません。

その他.エージェント(代理人)


 プロ野球選手がエージェントに出版社との交渉を任せるように、作家もエージェントを使う場合があります。エージェントは編プロと違い、作家からお金を取ります。
 エージェントって資格が必要ないんです。出版業界にいなかった人でも、名刺に書けばエージェントなんです。
 素晴らしいエージェントは作家の味方になってくれますが、ピンハネだけをして何もしない人もいます。
 最近、ウエブ小説で高ポイントを取ってる作家に、「僕と契約して魔法少女になってよ」と誘ってくるエージェントの話を聞きますが、高ポイントを取ってる作家は出版社のほうから書籍化の打診が来ます。エージェント契約は相手を良く見て、よく考えてからのほうがいいですよ。
 エージェントは3割ぐらい中抜きしますので、50万の印税が35万になります。それだけの価値があると思うときだけ契約しましょう。

 私がデビューした25年前は、出版社か編プロ(編集プロダクション)の社員しかいませんでした。
 世の中はすごい勢いで変わっています。

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