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シャチの飼育における事故と人工授精について (主に鴨川シーワールドを例に)


お久しぶりです。

今回のnoteは短めに、シャチの飼育における「事故」と「人工授精」について、少し綴ることにします。


2010年、アメリカでシャチの飼育に関する死亡事故がありました。死亡事故はこのほかにもありますが、一番印象に残っているのはこの事故です。関与したのは「ティリクム」というオスのシャチでした。(私も実際に会いに行きたかったのですが、2017年に亡くなりました)

日本では現在、鴨川シーワールドと名古屋港水族館でシャチが飼育されています。では、この二館において過去に事故はあったのでしょうか。

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図1、トレーナーがシャチと一緒にプールに入るパフォーマンスは、現在鴨川シーワールドのみとされる


一昔前の鴨川シーワールドでは、プールの中にいるトレーナーが水面をたたくと、その頭上をシャチが水平ジャンプで超えるという種目までありました。

ところがみなさん、シャチが海洋生態系のトップに立つ、海の王者であることをしっかり認識していますか。かわいらしい一面のあるシャチですので、「こんなにかわいい生き物が海のギャングと呼ばれていたなんて」と言う方と、「海のギャングがこんなにかわいかったなんて」と言う方、どちらもいるでしょう。

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図2、名古屋港水族館のリン


結論として、日本国内でシャチの飼育での「事故」は、あります。

私が調べている中で、日本のシャチ飼育での事故と呼べるであろうものは2件確認していますが、今回はそのうちの鴨川シーワールドでの1件を例に説明します。


2001年の事故。トレーナーとシャチの接触での負傷事故です。

※追記、以前2002年と記していましたが誤りです。大変失礼しました。また、こちらが独自に改めて検討した結果、事故の例は2件となりました。(2022/02/12)
※事故3件、小規模なアクシデント12件以上(2024/02/06)

トレーナーが、プールで訓練中のオスのシャチ「ビンゴ」にプール底のガラス壁まで身体を引きずられ、そのまま数分間にわたって押し付けられました。 別のトレーナーが、隣のプールの水門を開けてビンゴを誘導し救出しましたが、このトレーナーは腰を圧迫されて出血する大けがを負いました。

 当時、シャチとトレーナーが一体になって水中を泳ぐショーは中止となりましたが、水面上でのショーは実施し、シャチの状態が良くなれば、水中にトレーナーが入るショーを再開するということでした。

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図3、ビンゴは体長6mを超える大きなオスのシャチ。ラビー、ララなどの父親です。


事故に遭われたトレーナーの方は、その後もシャチトレーナーとして数え切れないほどのパフォーマンスに出ていました。トレーニングでの後輩トレーナーへの指導もとても厳しく、慢心が事故を招くことをいちばんわかっていらっしゃるのだと感じました。



続いて、人工授精についても短めに綴ります。

日本でもシャチの人工授精を模索する動きがあるのは事実です。私は人工授精について否定的な考えを持っていますのでなんともいえないんですがね(笑)。








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