勉強方法の「表」と「裏」あなたはどっちのタイプ?
表道があれば裏道もある。どちらも合格という目的地を目指すのですが、どちらか一方だけしか知らないとしたら? 両方知ってても、片方しかやったことがないとしたら? 勉強にズルができる近道はありませんが「表」と「裏」はあります。
■ 勉強の「表」基本セット
新スポーツの基本ルールを知ったらとりあえずやってみる。すると「なるほどこういうことか」「でも○○の場合はどうなるの?」といろいろ感じたり考えたりするでしょう。
勉強でも知識を頭に入れたらすぐに問題を解いてみると同じようなことが起こります。
①知る→②実践する→③疑問が湧く→④調べる→①知る
①から始まり①に戻る。この繰り返しが勉強の「表」の基本形。
(①はテキスト、②は練習問題、④は参考書やテキスト)
この際に初めの「知る」に長い時間をかける人がいます。まずはじっくり頭に入れてしっかり理解しなければならないと思い込んでいるそんな人です。
それは理想としてはわるくありません。でもその考えは資格受験においては素人っぽさが目立ちます。
スポーツは特にそうですが、いくらルールを詳細に理解しようとも、それだけでは上手くなりません。細かいところは後からいくらでも修正できますから、基本的な知識を頭に入れたらすぐ実行しましょう。
スポーツでも勉強でもなかなか上達しない人は理想に囚われています。頭でっかちとも言えます。良く言えば真面目なのですが、その真面目さを発揮するのはそこじゃない、というケースはありがちです。
どこで発揮すれば良いのか。先ほどの勉強の繰り返しの場面がまさにそこです。繰り返すべきセットを形成するまではまごついているわけにはいきません。ここはテンポよくいきましょう。スピード勝負ですね。
初めの「知る」でモタモタしてる場合ではありません。不完全でもかまいません。穴だらけでもかまいません。初めの「知る」の段階はそもそもそういうものです。初めから完璧にやろうと思うのは勝手ですが、あなたが天才でもない限りそんなことはまず無理です。
初っ端から無理を貫こうとすれば早々に挫折します。そうならないために、とりあえず繰り返すべきひとつのセットをやりとげるのです。
・知識をインプットしてすぐにアウトプットできる教材例↓
1課見開き完結。左頁に箇条書きの暗記解説+右頁に○×過去問。
■ 勉強の「裏」基本セット
「表」があるなら「裏」がある。そう考えるのは当然ですね。実際、あります。このふたつは相反するものではありません。いわば表裏一体。たいていは「表」からスタートしますが「裏」からもアリです。
どちらが向いているかは受験生のタイプによります。ちなみに私は「裏」タイプです。なぜなら先にテキストを読んでもわからないことが多すぎて知識量に溺れてしまいそうに感じるからです。
ではさっそく「裏」の流れをみてみましょう。
①実践する→②知る→③疑問が湧く→④調べる→⑤知る→①実践する
①から始まり①に戻る。この繰り返しが勉強の「裏」基本形。
(①は過去問、②は過去問の解説、④はテキストや参考書)
見てもらってわかるとおり、こちらはいきなり実践します。知識ゼロからでもかまいません。いきなり過去問から始めます。
そんな無謀なことをして正解できるわけないと思うでしょう。そのとおりです。だって正解しようなんて思ってないですから。
もしもあなたが「初学者にとって過去問はまだ敷居が高いものだ」と思ってるとしたら、そういう考えは捨てましょう。
過去問は最も敷居が低く、最も身近で、最も親しくなれるものだからです。
書店でもどこでもその試験の過去問集はすぐ手に入ります。手を伸ばせばすぐ手に入り、日々繰り返し解けば毎日一緒にいる親友以上の関係にだってなれます。
そして本試験で実際に出題されたのが過去問ですから、その試験にお近づきになるにはこれが最適というわけです。
ならば初めからいきなり過去問に触れても良いですよね。
そもそも過去問は解答と解説も含めて読物です。テキストを読むのと同じく、実際の出題に触れながら知識を得ていく読物なのです。
①と②を経て③(疑問が湧く)にまで来たらテキストを読んでみる。すると「なるほどあの過去問の意味はそういうことだったのか!」と合点がいくというわけです。
それから、思うよりかなり大事なのは③番の「疑問が湧く」です。「なぜだろう?」と思ったら人間は考えるわけです。すると解決のための情報が欲しくなります。そうなってからテキストを読むのがいい流れです。
欲しいという思いがあって探す。これによって目的があってテキストを読むことになるわけです。能動的なので知識の吸収も早いのです。
一方で欲求も目的もなく、または曖昧なままでテキストを通読しなきゃならないとなると、本当はやりたくもないけどしかたなくやるという雰囲気になりやすいもの。こうなると同じ1時間勉強したとしても、その内容と濃さには雲泥の差が生じます。
・過去問集の一例↓
■ テキストがまっさらなワケ
「裏」メインで勉強をすると④番の調べる段階で、資格予備校が受講生に配布するまとめ集や市販の重要事項まとめ本などを用いることがあります。細かい箇所はテキストでも確認するのですが、メインはまとめ本になります。
こういうケースでは、初めのイメージとは違って、そんなにテキストを開かないということも有り得ます。テキストはいつも手の届く所に置いてありますが、辞書みたいな感じでサッと引いて使うといった感じですね。
テキストには試験に出そうな内容はなるべくたくさん書いてあります。そのどれもが大事なものばかり。あれもこれも重要であり、なるべく取りこぼしのないように記載されています。だからテキストをじっくり読むのは大事なのですが、それだけではどのような形で実際に出題されるのかはわかりませんから「テキストと過去問のどちらがメインか?」という考え方をするならば、やはり過去問なのです。
試験では問題を解いて得点しなければなりません。それによって合格を目指すのですから、テキストは点を取るために利用するものという位置づけです。どのテキストを使えば合格できるとかそんなことばかり気にしてるのは、道具に拘ってばかりでまだ一棟も建築していない自称大工みたいなもの。使い易く便利な道具を揃えるのは大事ですが、道具はあくまで道具です。
道具のひとつであるテキストだけを隅々まですべて読めば合格させてもらえるならばそうすれば良いのですが、そうではありませんよね。繰り返しになりますが、試験で点を取るための道具のひとつがテキストなのです。
そしてテキストの記載内容はどれも大事なものばかりですから、どこを重点的に攻略すべきかというと、やはり過去の出題実績があるところとなります。よく狙われる箇所ですね。そこをまとめた参考書はたくさん売っていますからお気に入りをみつけてガンガン利用すると良いのです。
こうした勉強を繰り返していると、テキストは初めに思うほどボロボロにはなりません。場合によっては書店に売られてるのとあまり変わらないような状態のままでも合格できたりします。
試験にもよりますが私が使ったテキストを他人が見たら本当にびっくりするほどの綺麗さです。まっさらに近い感じです。テキストを初めからすべて通読するのが面倒という性分もあるのでしょうけれど、これでも合格は可能ということです。
逆に、ずべての頁の紙面全体にわたって何色もの蛍光マーカーで線引きされたテキストを見かけることがあります。こうなるともうどこが大事な箇所かわかりません。なのにせっせとするのは「蛍光マーカーで線を引く作業をして勉強した気分に浸ってる人」かもしれません。
試験が無い勉強(らしきもの)でしたら蛍光マーカー作業を楽しむのもかまいませんが、合格を目指すならばこうした作業ばかりするのはよろしくありません。そもそも最近のテキストはカラフルですから、わざわざ蛍光マーカーを使うこともあまりないでしょう。線を引いてる暇があるならば、自分が間違えやすい箇所や忘れがちな事柄を普通のペンで書き込むなどしたほうが良いでしょう。
自分に合ったやり方をみつけて実践するのが勉強継続のコツ。
「表」も「裏」も、どちらか選べというのではありません。ふたつは繋がっています。表裏一体です。どちらに重点を置くかは受験生のタイプによります。片方で行き詰ったり、どうにもやりにくいと感じたりしたら、もう片方を試してみると良いでしょう。
今回のnoteは以上です。お読みくださりありがとうございました。
あなたが合格しますように。
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