比べてみた行書社労士試験

比べてみた!行政書士試験と社労士試験 合格しやすいのはどっち?

法律系の資格で難易度が近いと言われる行政書士試験社会保険労務士試験。どちらか選んで挑戦したいあなたにとって参考になるかもしれない話。

■ 2つの試験についてのイメージはこれ!

一般的には行政書士試験よりも社会保険労務士試験のほうが難易度が高いとされます。ですがそんなに大きな差があるわけではありません。ざっくりどちらも文系の資格なので両方勉強する人もいますし、両方合格する人もいます。

では、あくまで合格に的を絞ってどちらに挑戦したら良いかについて考えてみましょう。

まず、勉強内容との相性をみましょう。どちらも法律系ですが社労士試験はそのあたりはあまり気にしなくてOKです。なぜなら試験突破のためのメインは制度理解と暗記だからです。

まずは以下のようなざっくりとしたイメージで捉えておきましょう。

いかにも「いざ法律を勉強するぞ」というのであれば行政書士試験。
おおまかには法律という枠組みではあるけれどもそのメインとなる勉強は制度理解と暗記なのが社会保険労務士試験。


それぞれの試験のテキスト例はこちら↓

よくあるのは行政書士試験に挑戦中だけど民法の勉強が苦手というもの。人には向き不向きがあるもの。努力である程度は攻略できても一定ライン以上はどうしても難しいこともあります。ある程度勉強してみてどうしても自分には合わないとわかったら社労士試験に鞍替えするのもアリです。

社労士試験の勉強を例えるならば歴史科目のようなもの。時系列に地域と流れを整理しながら暗記していくイメージです。暗記系がどうしても苦手という人はいますが、言ってしまえばとりあえずは覚えさえすればいいのです。これは漢字の勉強にも近いかもしれません。

覚えさえすればなんとかなる可能性を大きくしていける、と思えるだけでも気持ち的に余裕が持てるならば社労士試験のほうが良いでしょう。

■ 受験者層の違いを理解しよう!

試験の合格率をみる場合、そもそもの「受験するための資格」の有無はチェックすべきポイントです。

行政書士試験は年齢性別関係なく誰でも受験できます。「誰でも」ということは気軽に受験する人もいるということです。つまり本気で合格しようとは思っていない層もそれなりにいるってこと。(これは宅建士試験も同様ですね)

そういったなかで合格するのはどんな人か? おそらく大半は他の資格試験が本命の受験生です。例えば司法試験や司法書士試験ですね。まずは法律系の資格試験の登竜門である行政書士試験で肩慣らしというわけです。あくまで通過点なのでここで躓くわけにはいかないぞ、と思って挑みます。本気で合格するつもりなのです。だから合格者の多くはこういった人たちであると推測できます。

そういうワケで行政書士試験を突破する人というのは合格するべくして合格するというのがわかりすい言い方でしょう。誰でも受験できるけれども合格できる人はある程度決まっているというわけです。

このことは受験生の多くが承知ですから、それでも受験しようという場合、本気(で合格するつもり)の人と、とりあえず(受かったらいいなぁ)の人との間にはかなりはっきりと線引きがあると考えることもできます。

こういった受験者の内訳をふまえた上での合格率ということを頭に入れておきましょう。

一方で社労士試験には受験するための資格が必要です。誰でも受験できるわけではないのです。そのため、そもそものハードルを超えてきている人たちですから「受かったらいいなぁ」のとりあえず記念受験みたいな受験者は少なめであると推測できます。

実際、これはあくまで私の経験上の感覚ですが、社労士試験会場のほうが緊張感とマジ感が凄いですね。もちろん行政士試験も本気度があちこちから感じられますが教室(会場)全体からという感じではなかったかなと思います。

社労士試験では受験者の多くは本気で合格したいと思っていたり合格するつもりだったりします。そういう受験者層が多いなかでの合格率です。

これが行政書士試験よりも社労士試験のほうが難易度が高いとされる理由のひとつでもあります。

因みに、社労士試験受験資格のひとつに行政書士試験合格者というのもあるので学歴条件を満たせない場合にまずは行政書士試験に合格を目指す人もいますが、このコースはあまりおすすめしません。理由はそもそも行政書士試験に合格するのが困難だからです。社労士受験が本命ならば、大学の通信制を利用して受験に必要な単位を得るほうが確実度が高いですね。

さて、社労士試験の受験者や合格者で他の資格試験が本命(例えば税理士試験や中小企業診断士試験)というのはもちろんありますが、行政書士試験試験よりは少ないように思います。

こうして考えるとどちらの試験も合格率は1割あるかないかですが、数字だけでは判断できない要素はずいぶんあることがわかりますね。

■ バカにできない素養

合格するための点数の取り易さでは、そもそもの素養も重要なキーワードになります。

社労士試験は、ものすごくざっくり言えば出題範囲の事柄をひたすらたくさん整理して的確に覚えて解答できるようにすれば合格も夢ではありません。

一方で行政書士試験はいくら法令科目だけを極めてもそれだけでは合格は望めません。なぜなら一般知識(政治・経済・社会・情報通信・個人情報保護・文章理解)があるからです。

法令科目で合格ラインを突破しても、一般知識でどうしても点が取れないという悩みはありがちですね。逆に一般知識はほぼ何も勉強せずともそこそこ点が取れるのもありがちです。

素養。こればっかりは一朝一夕でなんとかなるものではありません。司法試験や司法書士試験が本命という受験生はおそらく一般知識もそれなりにありますからネックにはなりにくいですが、誰でも受験できるからととりあえず「合格できたらいいなぁ」ぐらいの気持ちの受験生にとっては大きな壁になるでしょう。

素養があれば法令科目に集中できますし、いざというときに一般知識のおかげで総合点で突破できることも有り得ます.

ところが素養がないと足を引っ張るどころかこれが原因でいつまでも合格できないことも。そういう意味でも「誰でも」受験できるとはいえ、やはり合格できる人はある程度決まっていると考えるのが妥当でしょう。

もしも「自分は素養がないし今からどうにかできそうにない」というのでしたら社労士試験のほうがいいかもしれません。

そうは言ってもどちらの試験も挑戦は長丁場になりますからそもそも勉強の習慣がないとかなり厳しいので、回り道に思えても素養をなんとかするのが結果的に近道だと思います。

以上、行政士試験と社労士試験どちらが合格しやすいか? を考えてみましたが、いかがだったでしょうか。

どちらも難関試験ですがその受験生の多くはふつうの人です。自分なんかが挑戦するのは恐れ多いと思っているとしても、合格者の多くも初めは同じように思っていたことでしょう。天才でなくてもいい。むしろ普通の人だからこそ努力を続ければ道が開けるのです。

今回のnoteは以上です。お読みくださりありがとうございました。

あながた合格しますように。

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