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わかおの断腸亭日乗~私のお腹も空いてきた、喰って踊るは阿波おどり~

自分は4日ほど徳島にいた訳だが、その間に沢山の飯を喰らい、大量の酒を飲んだ。毎日頭痛と共に目が覚めるほどめちゃくちゃな暮らしをしていたため、その事を忘れないように記しておこうと思う。

徳島に到着してすぐ食べたうどん

香川を筆頭に四国のうどんは美味いと聞いていたが、たしかに美味しかった。しかも値段も安く、このうどんは大盛りかつ天ぷらを2種類つけたのに1000円くらいだった。写真だと伝わりづらいが、このうどんは麺量だけなら二郎くらいあって、本当に食い切れるのか心配になったものの、喉越しのよさと小麦粉本来の優しい甘みのおかげで橋を止めることなく完食できた。美味しいものは沢山食べられるのだと実感した。

写真を撮り忘れたものの、香川でも有名店のうどんを食べた。他の皆は美味い美味いと言っていたが自分だけあまりピンと来なくてすごく空気が読めていないやつになってしまったのが申し訳なかった。もしかしたら自分はうどんを歯ごたえだけで評価している節があるかもしれない。グミも固ければ固いほどいいというような考え方なので、それ以上の食感についてはもはや感受できないのだろう。何百杯もラーメンを食べてきているのに。こんなにバカ舌なのはどうかしていると思う。

2日目の朝に食べたラーメン

初日は初めての徳島阿波おどりの熱狂に当てられてしまい、夕飯も食べずに酔っ払って寝入ってしまった。若干の倦怠感と共に起きるともう昼前で、起床してすぐに近くのラーメン店に行った。とても美味しいラーメンを出す店とは思えない店構えで、昼時なのに客はぼくたちしかいなかった。案の定ラーメンも、おそらく市販の袋麺を綺麗に盛り付けただけの代物(670円)で、そのチープさに自分は逆に感動してしまい、きっちりとスープまで完飲した。唐揚げは普通に美味しかったが、特別感動するほどでもなかった。しかし本当のローカルフードを食べられて、これはこれでよかったような気もする。

鯛塩ラーメン

2日目は三味線を投げ捨て踊ったため楽しかった。3日目の朝、起床して雨が降る前に急いで昼食を済ます必要があったので、泊まっていたウィークリーマンションのすぐそばにあったラーメン屋に行った。徳島大学前にあるその店は、鯛塩ラーメンの名店だそうで、ぼくたちが入ってから続々と客が並び始めていた。 

徳島はラーメンが安い。普通のラーメンなら未だに700円台で食べることができる。しかしその分ライスは割高で、ここでもライスが200円したので、さすがにもったいないと思い頼むのをやめた。まあライスが無料の家系ラーメンがおかしいだけかもしれない。肝心のラーメンは、鯛の旨みが凝縮された魚好きにはたまらない1杯で、行列ができるのも頷ける味だった。昨日食べた袋麺はなんだったのだろうと思った。

念願の徳島ラーメン

3日目の夜にしてようやく念願の徳島ラーメンを食べることが出来た。醤油ベースの濃いスープにニンニクを合わせるスタイルなので、非乳化の二郎系のような感じがして非常に美味だった。また、卵を溶いて入れるとマイルドになり最後まで食べやすかった。このスープにライスを投入したい……。その欲求には抗えず200円を財布から取り出してしまった。

淡路島のスパイスカレー

普段さんざんカレー大好きアピールをしているくせに、バイト先のまかないを食べすぎているせいでしばらく他の店のカレーをたべていなかった。しかしタマネギアイランド・淡路島に行ったからにはカレーを食べずに帰ることなどできるはずもなく、微妙な反応の友人ふたりを説き伏せてカレー屋に行った。

チキンカレーと黒炭ブラックビーフカレーの合いがけは腹が立つほどうまく、添え物のピクルスや野菜類も見事にカレーとマッチしていた。神戸牛の甘い脂がカレーと融和し、まろやかさを生み出しているので、若干辛めのカレーだがまったくつらくならずに完食した。しかし黒炭とスパイスの相乗効果により、腸内が異常に活性化してしまい、そのあとぼくは軽くうんちを漏らしかけた。便秘の人には逆にいいかもしれない。

うますぎておかしい刺身

そして今回の旅で1番衝撃だったのが、びんび家という店で食べた、何の変哲もないハマチの刺身で、これは人生の中で食べた生魚で一番美味しかった。去年も徳島に行ったという友人たちがしきりに行きたいと言っていて、自分はなんでこいつらはそんなにびんびんびんびん言うのだろうと思っていたが、一口食べてその理由がわかった。店の横の生簀で活かされているハマチを店内で柵にしているので、鮮度のレベルが違うのだ。ついさっきまで生きていたであろう魚の弾力と濃い旨みが口の中ではじける。いつまでも口の中に残り続けるハマチの旨みを、魚の出汁が効いた味噌汁で胃に流し込む幸せといったら! とても感動的な経験だった。

ちなみにうどん屋といいこのびんび家といい、四国の接客はかなりフレンドリーで、めちゃめちゃタメ口のおじさん/おばさんがかなり注文を急かしてくるため、素早い決断が要求される。優柔不断男にはなかなかシビアな環境であった。だから関西の人は頭の回転が早い?(自分の体感だが)のかもしれない。

本当に沢山飲んで沢山食べたし、今振り返ればどの瞬間も楽しかった気がする。おかげで口座の残高は3万円になってしまったが、これから鬼のように労働してなんとかしようと思う。高円寺も楽しみだ。

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