わかおの日記1

 今日から日記をつけることにした。日記というのは本来秘すべきものであるように思われるが、誰かに見られているという意識がなければ続かない気がしたので、noteに書くことにした。

 そもそもなぜ日記をつけることを思いついたかというと、先日古本市で入手した「小説の書き方」という本に、「日記を書くべし」というようなことが書いてあったからである。そしてなぜ「小説の書き方」なる本を購入したかというと、物を書くのが上手になりたいからである。さらになぜ物を書くのが上手になりたいのかというと、文筆で飯を食いたいからである。

 ぼくのことを知っている人間ならばご存じだと思うが、ぼくはまるで社会生活に向かない人間である。社交性や協調性、遵法意識といった、社会に出るために必要なものは凡そ持ちあわせていない。中高6年間では、その言動の猥雑さのために、女子から蛇蝎のごとく嫌われた。その結果、卒業式では「女性を大切にしま賞」という前代未聞の栄誉ある賞にあずかった(ぼくが女性を大切にしていないのではなく、女性がぼくを大切にしていないのではないか!)。

 そのような性分の人間が、この大学四年間のモラトリアムを経たのちに、「社会人」になろうなどというのは、どだい無理な話である。ぼくもそんなことは望んでいないし、「社会」の側もお断りであろう。かくしてぼくは文筆の道に進むことを決意したのだ。「文豪」という言葉の、厭世的な響きに惹かれたのである。この境地に至るまでは、実に様々な紆余曲折があった。大真面目にプロ野球選手を目指したこともあったし、音楽の道に憧れをいだき、ギターをつま弾いたこともあった。そしてつい半年前までは、東京大学の門をくぐるべく、気が狂ったかのように勉学にいそしんでいた。それらすべてに挫折したぼくには、もはや文筆の道しか残されていないのだ。

 というわけで明日からはちゃんと日記をつけようとおもう。

 追伸 たぶん大谷翔平は童貞



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