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わかおの日記308

母校の野球部の試合を観に、上井草のスポーツセンターへ行った。我が母校はウルトラスーパー弱小校なので、夏の大会の一回戦が実質的に彼らの引退試合だ。

久しぶりに試合に顔を出すと、応援に来ている保護者の数が多く、選手の友達も沢山観に来ていて、それだけでも自分は嬉しかった。

中ニの夏に、ユズリハラ先輩以外が全員辞めて、自分とユズリハラ先輩で延々とキャッチボールをしていたことや、合同チームの試合に内田先生と自分だけ行って、他の学校の顧問に冷ややかな目で見られた挙句、試合に出させてもらえなかったことを思い出した。

帰りに内田先生にガリガリくんを奢ってもらい、自分は中学生だからそれにすごく恐縮していたが、今思えばもうちょっといいものを食べさせてもらってもよかったんじゃないか。

肝心の試合は、スポーツのルールに則ったリンチというような感じで6回コールド負け。最後に夏の大会で9回まで試合ができたのはいつなのだろうか。攻撃が一瞬で終わり、こちらのチームの守備は延々と続く。「ちょっと、おれが投げようか」と思った。

選手の親は、ぼくが大学四年生だと言うと、脊髄反射で「就職は?」と聞いてくる。自分は堂々としたもので、「就職は、しない感じで行こうとおもってます‼️」と答えられるようになった。

試合を一緒に見ていた酒井は、もう3年生の癖に相変わらず医学部に受かったことへの自信が顔にみなぎっていて、それが癪だったので、自分のことを棚にあげつつ「お前には人間力がないぞ」と帰りの電車でずっと説教をした。「でもさ〜」と反論を試みる酒井の鼻からはずっと5本くらい鼻毛が出ていて、それは言わなかった。


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