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わかおの日記215

そこそこ沢山寝て鋭気を養い、しかも今日は雨で客足もまばらだろうと踏んでバイトに向かったのだが、蓋を開けてみれば雨の降り具合は大したことがなく、ただジメジメしているだけの忙しい日だった。

サラダに並んでぼくが敵視しているのがホットチャイで、これが出るとぼくはただでさえ狭いキッチンのスペースを割いてガスコンロを取り出し、チャイが沸くのを監視していないといけなくなる。今日はこのチャイがよく出た。チャイ、チャイ、チャイ、サラダ…このコンビネーションにぼくはすっかりダウンしてしまい、途中からはどうやってこのバイトを辞めようかとか、就職するなら絶対にこんな忙しい仕事はごめんだとか、そういった情けないことばかり考えていた。ストレスがたまりすぎて、マスクの下では小声で「シネシネシネシネ……」と言っていた。

締め日だったので勤務時間を記入していたが、その時に参考にする営業日誌に、社員による一言コメントがあった。「タロウくん、調子いい!」「タロウ、可もなく不可もなく」「宗太朗&彼女、頑張った!すごい!」などと、目を疑うようなことが書いてあって、思わず目頭が熱くなった。やはり言葉に裏切られることもあれば、言葉に救われることもあると思った。しかし卒業してもずーっとまめ蔵は耐えられそうにないので、他の仕事を探そうと思う。どうにかならないものか。

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