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わかおの日記262

クリスマスも近づき、恋人たちにとってはホットな季節だが、我が職場まめ蔵にとってもホットな季節(ホットコーヒーの注文が爆増するという意味)である。

今日は一日中このホットコーヒーに翻弄され、なにをするにもホットコーヒーがついてまわった。米を研ごうとしたらホットコーヒー。皿を洗おうとしたらホットコーヒー。サラダを作ろうとしたらホットコーヒー。深呼吸しようとしたらホットコーヒー。

14時をすぎ、ようやく客の入りも落ち着き始めたころ、マスターがふらっと店にやってきて、「ソータローが淹れるホットコーヒー飲ませてよ」と注文してきた。もうホットコーヒーは顔も見たくなかったが、ぼくは心根の優しい男なので、うまいコーヒーを淹れたら時給が上がるかもしれないと思って丁寧にドリップした。途中土井さんが「おもっきり苦いの飲まして、懲らしめたってや」と誘惑してきたのに。本当に優しいと思う。

そうして淹れたコーヒーはどうやら美味しかったようで、マスターに「美味しかったよ、まぐれ??」と聞かれたが「実力です」と返した。

しかし時給が上がる気配はなかったので、次からは雑味まみれのコーヒーを出そうと思う。

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