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9  世間体ばかり気にする両親


両親はこのまま自分たちのもとにいれば、手に負えなくなると判断したのだろう。
学校長の娘が素行が悪いという事は、父の仕事に大きく影響する。
世間体を気にした両親の最後の砦だったのだろう。
当時流行った積木くずしという本を、母が眉間にしわを寄せ真剣に読んでいたことを覚えている。
両親の一方的で理由のない命令に、私は理屈で反発していた。
なぜそうなのかを何度質問しても納得いく答えが返ってきたためしがなく、そこを追求すると母は感情的に泣いた。
泣きたいのはこちらだったが、母が感情的に振舞えば振舞うほど私は冷静になっていった。

娘は私立の女子高に通ってますと言えば聞こえは良いかもしれないが、表側ばかり整えたい両親の問題が、89歳になってあぶりだされるとは、この時にはみじんも思わなかったのである。
しかしこの提案は私としては願ったりかなったりであった。
窮屈な実家を出られるからだ。
何よりも自分の意志で自由に服装も髪型も決められる!
当然ながら私は二つ返事でその提案に乗った。
そんなわけで私は15歳から親元を離れて生活をしていたので、両親の生活に関してはほとんど知らないでいた。
根本的な性格は、本人が真剣に変えようと思わなければずっと続くのである。

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