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東洋のネルソン東郷平八郎に学ぶ社会人のための【勝つ力】思考法

皆さん、横須賀港に展示されている記念館三笠はご覧になった事はあるでしょうか。ビル街と公園を抜けると大きな戦艦があって始めて見た時私は驚いてしまいました。

そして今回紹介するのがその戦艦三笠に乗り連合艦隊を指揮し、日露戦争でバルチック艦隊との決戦で圧倒的な勝利を収めた、東郷平八郎です。

彼の輝かしい戦績と、人間性は過去から現在まで、世界から多く支持されています。今回はその東郷の魅力と勝利の力を学び取っていこうと思います。

人物紹介

東郷平八郎は明治から大正期に活躍した日本の提督です。歴史の教科書などで見たことある人も多いかもしれません。日清戦争では防護巡洋艦「浪速」に乗り込み様々な海戦を戦いました。日露戦争では第一艦隊兼連合艦隊司令長官に指名され、日本海海戦での勝利で世界的な評価を受けました。

冷静な判断力

東郷がこれだけ海戦で強かったのは、冷静な判断力によるものが大きいでしょう。東郷がこれだけ冷静に判断を下せたのは、もちろん東郷の度胸もあったでしょうが、それより深い知識と自分を信じる力があったからだと考えています。

┣国際法への理解

まずはじめに豊島沖海戦でのエピソードを紹介します。豊島沖の戦いとも呼ばれるこの戦いは、日清戦争が始まるきっかけとなったことで知られる海戦です。高校の日本史でも少し登場すると思います。英国商船「高陞号」の護衛として出港した清国の軍艦と日本の遊撃艦隊が砲火を交えました。

この戦いでは、東郷は防護巡洋艦「浪速」の艦長として参加しています。海戦に関しても言及したいのですが、今回はその海戦の後に発生した高陞号事件について紹介します。

英国商船「高陞号」は後に始まる日清戦争の準備で1100名の兵士と大砲などの武器を輸送中でした。東郷が指揮する「浪速」が空砲2発を撃った後に手旗信号で停船を求め臨検を行いました。

しかし清国兵士は浪速に随航しようとした船長を脅し船を随航させませんでした。そのため東郷は警告の意味で赤い信号旗を掲げました。しかし清国兵士が銑や刀槍を持って船の上を走り回る姿が浪速から確認できたので、東郷は轟沈の指示を出し、砲撃の末、高陞号はマストを残して完全に轟沈しました。

この事が高陞号事件として事件扱いされたのは、これがまだ日清戦争が開戦する前の話だからです。というよりこの事件によって始まったといってもいいでしょう。この高陞号の撃沈は7月25日に発生しましたが、日本の宣戦布告は8月1日になります。

この撃沈はイギリスを中心に国際社会から問題視されます。商船を轟沈する事は一定の条件下では国際法である海上捕獲法で認められています。しかしそれは戦時中の話で、戦争が始まっていたのかが争点になりました。この問題は日本が19日の段階で最後通牒(五日猶予付き最後通牒)を出していた事が分かったので日本の対応に問題は無く、すぐに事件は沈静化しました。

東郷は国際法を熟知していました。海上捕獲法などを完璧に把握していたために、高陞号への対応を素早い決断で実行する事ができました。

その他にも後の日露戦争で、ロシア艦隊が降伏する際に降伏旗を揚げた際に秋山 真之に「長官、敵は降伏しました、砲撃をやめましょうか?」と提案された際に「本当に降伏すっちょら、停止せにゃならん」と砲撃を続けさせたなど、東郷の国際法への深い知識が分かるエピソードが多々あります。

┗日本海海戦 東郷ターン

東郷の有名な海戦といったらやはりこの日本海海戦でしょう。その中の東郷ターンと呼ばれる敵前大回頭を紹介します。

この東郷ターンとは日本海海戦でバルチック艦隊の敵前で、艦隊を転針させて丁字戦有利を作り出し、奇跡的な勝利を作り出したと言われているモノです。

ですがそれは様々な説によって意見が別れており、敵艦隊と直角に交わっていないので丁字戦ではないや、敵艦隊との距離を見誤っていたため仕方無く行ったなどの説がありますが、日本海海戦の勝利の原因がこの東郷ターンにある事は間違いないと考えています。

よくこの戦術をとった東郷の度胸を評価する事を見ますが、私はそうは考えていません。この東郷ターンは計算された確信に基づく戦術だと考えています。

東郷は敵の砲撃能力と、自分の艦隊の砲撃能力、そして速度の優位を把握していたはずです。実際、日本海海戦におけるバルチック艦隊と連合艦隊の砲撃の命中率は圧倒的に連合艦隊の方が勝っています。更にバルチック艦隊の航行速度がだいたい11ノットだったのに対し連合艦隊は15ノットほどで航行できました。

これにより、連合艦隊は確実に敵前大回頭を成功させ、更に敵より砲撃を正確に加えられました。東郷は一か八かの戦術ではなく論理的に確実な戦術を用いたのです。

最後に

東郷がこれだけ勝てたのは、運や奇跡などではなく、勝てる戦いを勝てる戦術で勝ってきたからです。自分の中で確信が持てる事が強い決断力につながっていたのだと思います。

今回の記事は少し短めですがどうでしたでしょうか。わかりやすい記事になっていたら幸いです。

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