会話のテンポ

彼氏にふと、会話が出来るって、有り難いという話をした。私はたまに、話すのが速くて聞き取れないと言われることがある。黒柳徹子の劣化版みたいな話し方をしているんだと思う。あの人の頭の回転はバケモノ級だけど私は頭の回転が速いのではなくて、話し方にオタクみが溢れていると言うことなんだろうと思っている。

カップルはよく、会話の回数を重ねたり、テレビのネタをシェアしたりして、二人だけに分かる謎の会話が生まれることがある。私は突然歌い出したり、前後の脈絡のない話をぶち込んだりして彼氏をよく困惑させている。

自分の頭の中では前後に繋がりはあるのだが、その結果だけを喋ってしまうので、「ん?急にどうした?」と思われるみたいだ。別彼氏でなくともそういう顔をされたことは一度や二度ではない。悲しい。ごめんな。

付き合った当初からそんな感じの特性がある私を見て、彼氏は、何か問題が起きて話し合わなきゃいけないときに、この人は真面目に会話ができるんだろうかという不安はあったと言っていた。端から端まで失礼かよ。

今はどう?と聞いたら、真面目なときは真面目な話ができるし、慣れた、とのこと。慣れた、て。こちらの会話する力が向上したのではなく、彼氏の諦めによって成り立つ関係になってしまった。良くなさすぎるので、えっ、ちょっと改善点をくださいと言ったら慣れたからいいよと言われて会話が終了した。悲しい。

会話のテンポが合わない元カレがいて、途中から明らかについて行けないって顔をされたことが日々あった。あー、ごめんな、と思いながら今の意味はね、とボケの意味を説明したら「なるほどね」と真顔で返される辱めをよく受けていた。私の会話力には難しかない。

比べるわけではないけれど、彼氏はやっぱり会話していて、キャッチボールがスムーズだ。前提として持ってる知識量は彼氏のほうが多いのだけど、知識を繋げていく速さは多分同じくらい。だから会話をしていてストレスがない。私の支離滅裂トークに慣れてくれてありがたい限りだ。

話にならない、は、沢山の人に対してそう思うことがあった。そして相手からも同じくらいかそれ以上に私もそう思われていたに違いない。家族でさえ、話にならないと思うことはままある。そりゃ見ず知らずの他人と会話なんて、そうそう成り立たないよなと。

だから、会話ができる人、会話を数年間し続けられてきた人はむちゃくちゃ貴重。これからも彼氏と一緒に知識と知恵の更新を繰り返して、楽しく会話し続けられたらなぁと思う。

不憫な旦那さんに全額寄付します。