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現代短歌新聞2021年4月号寄稿5首「潮風をまとふ」

現代短歌新聞2021年4月号寄稿5首
「潮風をまとふ」

梶間和歌


沖つ波にぶき夕べのうつろひに迷はぬ鳶は薄雲を裂く

街に入る日影のなごり背に立ちてむかふシャッター奥の喧騒

潮風は脚立のうへにしづかなり限りの多き肉体ぞかし

腰袋はづして戻るをんなとはきつと脚立もラチェも知らない

髪ほどく潮の香を嗅ぐかへりみればたゞ広いだけの西ホールなり


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