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雑感&感想:『あなたはなぜ誤解されるのか~「私」を演出する技術 』竹内一郎 (著)

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 今回は、『あなたはなぜ誤解されるのか~「私」を演出する技術』の雑感&感想を書いていきます!。

1.非言語コミュニケーションとしての❝「私」の演出❞,❝見た目❞

 著者は冒頭で「残念な人」の多くは非言語能力が原因だと指摘していて、言ってることそれ自体は全うだけど言うタイミングや表情,言い方といった部分は自らの力で客観的に見る事ができる方法が無いため現実社会において「言った/言わない」みたいな論争に発展すると指摘していて、こういう誤解を招く要因となる非言語コミュニケーションの改善方法として社会等で自分が求められている「役割」を演出する演出家として徹すれば良いと推奨しています。著者が元々劇作家・演出家であるが由縁の表現方法という側面もあるのかな?と当初は思いましたが、読み進めていく過程でその意味が分かりました。

1-1.役割を演じる事の意味

 本書内の例として挙げられていたのが就活で不採用を受けた時に感じる全否定感の気持ちと管理職としての仕事が上手くいかないという事だったのでそれっぽい動画を挙げてみましたが、本書内で著者が考えている事で述べていたのが「今回の役が上手く演じられなくても彼は全否定されたわけではない」ということで、管理職であればその役割自体が向かなったというだけの話で就活であればその企業には向かなかったというだけのはなしであるように、そのロールにおいては向かなったと「RPG」のように考えると気分転換が楽だという考え方です。
 私自身も就活生時代を思い返すと、入試的な考え方を下地にすると不採用⇒努力の否定と感じてしまった機雷はありました。その後、ヒーヒー言いながら就職先を決めてその先で転職という選択をする過程において、当該環境(ロール)における自分自身が肉体と精神両方がマッチできていなかったから転職という選択をしたんだろうなと思う節はあります。これも一種の「RPG」であって、その世界観における己を演じているのだろうと思う事ができました。

1-2.役割を演じる事⇒相手を理解

 本書の中で心理学の「ドラマ療法」を持ち出し、演じる事で現実社会における自分という呪縛から脱出という構図を趣味に当てはめて、趣味を楽しんでいる(演じている)自分は普段の自分とは違う自分という位置付けができると述べていて、これもこれでおぉ!と思いましたがもう一つおぉ!と思ったのが、役割を演じる事⇒相手を理解することという構図です。
 これだけ見ると何言ってんの?と思うかもしれませんが、例えば現在管理職のポジションに就いている方もつい最近まで平社員という役割を経験してきた(演じてきた)と思います。管理職としての役割を演じる上では、当該組織を構成する構成員(平社員)を演じていた頃を思い返してみる事で、相手を理解できる可能性があるという点で考えてみると腑に落ちる部分はありました。これはイギリスのパブリックスクール(中高一貫校)で伝統的に全生徒に行わせている演劇からきている考え方だそうで、劇作家・演出家の著者だからこその視点なんだろうなと思うと、重ね重ね勉強になりました。

2.表情と声

 非言語コミュニケーションの2大ツールである表情と声について、本書ではそれぞれ1章ずつ割いているのを見ると、もしかしたら話す中身以外の側面におけるコミュ力の根源にあるんだろうなと思うところはありました。

2-1.表情

 このツイートに代表されるように、その時々における感情を伝える上で言葉を補強するように強いツールでもあるが昭和40年代頃まで西洋人からは日本の表情は「YES」か「NO」か分からないという批判があったそうです。一方で、山本七平の著書『「空気」の研究』にも表されるように日本には「空気を読む」という、その場の意見を集約させる日本の風土が生み出した独自のやり方があり、そこには目配せや指の動き,じっと動かないといった、西洋人が分かりにくいと批判した日本人の表情の無さがキーとなっています。
 このように、表情が持つ様々な役割が本書第4章で紹介されています。

3.おわりに

 今回紹介しきれなかった部分を含めて、本書を読み進めていく事で正論だけどなんか嫌みたいな感情を探ったりどうして言う事聞いてくれないんだろう?みたいな、理では分からない・分かりにくい部分のコミュニケーションを改善する術のヒントになる気がします。




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