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雑感:安心して!ほぼ形だけのキックオフだから

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 私からすると変わり映えのしないインチキ紛いな採用面接の解禁だなぁと思う6月1日ですが、大方の学生さんにとっては勝負所となる6月1日ですが、すでにこんな報道も。読売新聞配信の記事によると、リクルートの調査で2023年春卒業予定の大学生の就職内定率は5月15日時点で65・4%と前年の同時点より6・2ポイント上昇し、同日時点の調査を始めた21年卒(調査は20年)以降で最高となったとのことです。こういう報道を見ると動揺するかもしれませんが、あまり深く考えない事をお勧めします。今回は、今現在で就活で悩んでいる学生さんへ私なりの応援も含めて雑感を書いてみたいと思います。

1.6月1日が意味するもの

 現在の面接選考の解禁が6月1日なのは、日本経済団体連合会(以下、経団連)が策定した採用選考に関する指針という方針が1つの下地(現在は「政府」「産業界」「大学」の3者による協議で策定)になっていて、そのように周知されているからです。しかしこの指針は法律ではないので法的拘束力が無く、万が一破ったとしても罰則があるわけでもありませんし、経団連策定当時は経団連加盟企業の中でも賛同していない企業はその前に面接という名の面談が平然と行われているのが事実です。これは、採用選考に関する指針という名称になる前の2016年卒までの間存在した倫理憲章や1952年~1997年まで存在した就職協定の時代においてもルール違反が繰り返され形骸化されている実態があります(参照:『「就活」と日本社会 平等幻想を超えて』常見 陽平 著 pp67~70,アチーブメントHRソリューションズ)。

 つまりどれだけ学生を想ってルール作りをしていこうぜ!と思ってもルールを巧妙に破って採用活動をする企業は少なからずいるので、冒頭紹介しました読売新聞の記事のような数字が出ても不思議ではないですし、6月1日を変に身構える必要はありません。

2.多くの人は中小企業に就職をするという現実

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 少し古いデータですが、上記画像は平成26年実施の経済センサスで公表された資本金階級別会社企業数及び常用雇用者数を表しています。中小企業基本法における中小企業の定義は産業毎に違ってきますが、便宜上小売・サービス業の資本金5000万円未満を中小企業として定義して述べると、中小企業の企業数は全体で約90%、常用雇用者は約45%です。資本金の定義を変えると数値は変わってくると思いますが、少なく見ても労働者全体の半数弱は中小企業で働きます。

 そして多くの学生は約10%の大企業の椅子を目指して就活をする傾向にあるのが序盤ですが、最近問題視された吉野家のように外国籍というフィルターを掛けて説明会に参加できなくしたり(法的論争はありますが、ここでは言及しません)、学歴フィルターを介して機械的に選別する傾向が大企業にはあります(実際、多くの研究論文があります)。そう考えると、大方の学生は必然的に中小企業に収まる可能性は十二分にあります。

3.スタートはどこでも良いと思う

 あくまでもこれは私の肌感覚ではありますが、結局のところ就活という1つのステップの中で辿り着く答えはどこでも良いというのが私が生きてきて辿り着いた答えの1つでもあります。

 以前、私は上記のnoteを書きました。この中で私はクランボルツ博士の「計画的偶発性」という理論を引用して、キャリアプランという枠組みに拘る必要性は無いんじゃないか?と述べました。確かに、自分自身が描いていたキャリアプラン象を逸れることなく歩むことが出来れば最高だし理想だと思います。しかし、社会は大きく変わります。新型コロナウイルスはまさしくその1つでしょう。

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 上記画像は株式会社帝国データバンクが今年6月3日時点で発表した新型コロナウイスる関連の倒産件数のデータです。こうしてみても、社会に大きな影響を与え自らの力では何ともし難い事柄はその人個人の生活に大きな影響を与える事は間違いありません。だからこそ、就活生の皆さんには過度に不安に思うことなく自分らしさでなんとか就活戦線を生き抜いていってほしいと思います。

4.おわりに

 昭和を代表する名歌手,美空ひばりさんの歌に「愛燦燦」という歌があります。その中にこのような歌詞があります。

人生って不思議なものですね

 私自身、就活生当時は無い内定(通称:NNT)で大学を卒業しその1か月後に外資系生命保険会社の現地採用の営業社員として最初のキャリアが始まりました。しかし、そこはノルマに厳しく100%超えて達成できなければ会社を辞めろという社内規定になっていて、ご多分に漏れず私も該当してしまい1年でその会社を辞めました。見た目的には良さげと思っても蓋を開けてみたらえげつない会社は多くあります。だからこそ、人生って不思議なものだなと思います。

 また海老原嗣生氏が著書で自治体や官庁が施策として取り組んでいる「働いてから採否・入社を決める」という公的支援策の常設化を述べているように(参照:『お祈りメール来た、日本死ね 「日本型新卒一括採用」を考える 』pp214~216)、蓋を開けてみないと分からないという状況を打破する施策が将来的に官民一体となって常設化されることを願うばかりではあるが、今はニュース報道等で挙がる6月1日や10月1日という日付に惑わされず、その時点を迎えても自分はダメな奴なんだと思わずなんとか良い会社と巡り合ってほしいと思います。そして、人生は不思議なものなので柔軟に考えて選択してほしいと思います。

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