初めてネガフィルムを一本使い切った感想



昨日も書いたけれど、祖父のフィルムカメラを譲り受けてから数週間。やっと人生初のネガフィルムを一本使い切ることができた。
その時使用したフィルムはFUJI FILMのフジカラー100。24枚撮りで一本500円という、要は一番安いやつだ。


とはいえ、そんなど素人のぼくもようやくフィルム写真の世界につま先のまたその先ぐらいを突っ込んだことで、新鮮な感動を得ることもできた。これまで慣れ親しんできたデジタルカメラではなく、あくまでアナログであるフィルム写真に触れたことで少しだけ新しい世界が開けたような気がする。

なので今日は、ぼくがフィルム写真に初めて触れたことで知った感動を少しだけ言葉にしてみたい。


①自分の写真を反省するのが難しい

フィルム写真はデジタルと違って。基本的には1ロールを使い切るまで現像に出すことはできないので、1ロール使い切るまでの撮影を複数回に分けてしまうと、はじめの方に撮った写真のことを忘れてしまうことが多い。
今回、現像後に写真を見返したとき「どうして自分がこんな風に撮ったのか」自分でも思い出せない写真がいくつかあった。


これがデジタルだったら、撮った写真はその日のうちに現像できるのでそういったことを忘れる心配がない。
だから、その日の自分がうまくできなかったことを写真から読み取りやすいし、その分だけ次回の撮影にも生かしやすくなる。


②不便さから学ぶことも多い

ぼくが使っているフィルムカメラには、デジタルカメラほどの機能は付いていない。
デジタルカメラにはたくさんの機能がのっていて、自分の用途に合わせてアレンジすることができるし、うまく使えば自分が苦手としていることもシステム側にカバーしてもらうことができる。

でも、フィルムカメラにはそういった機能は一切ない。
液晶画面なんて付いていないし、ファインダーの真ん中でしかオートフォーカスが合わせられない。オートフォーカスの性能も低いし、連射速度もとても遅い。フィルムカメラはいってみればとても不便なカメラだ。

けれど、そういった不便さから学ぶことも多い。
不便だからこそ、自分がシステム側にカバーしてもらっている苦手分野に目を向けることができるし、もっとうまくなりたいと思えるようになる。

そして何より、フィルムカメラの不便さは「シンプルさ」と言い換えることもできると思う。写真を撮る、ということだけに特化したシンプルなカメラは、たくさん機能を積んだカメラよりも写真の本質的な楽しみに近い部分を教えてくれるように思う。


③フィルム写真ってジャンル分けがザックリすぎる


フィルム写真てジャンル分け、広すぎてヤバい、いろんな意味で。

ぼくが今使っているフィルムカメラはCanonの「EOS620」というカメラで


これは分類上フィルムカメラなんだけど、実際のところの操作は、ぼくが持ってるCanonのデジタルカメラとほとんど同じだ。

さっきも書いたように、機能自体はデジタルのものよりもすごくシンプルなのだけど、ボタンの配置や基本的な操作はほとんど変わらない。


モードを選択して、ファインダーを覗いてカメラのダイアルを回して、露出を決めてシャッターをきる。


その操作感自体はデジタルカメラとぜんぜん変わらない。
しかも、このフィルムカメラは電池を使って本体の機構を制御をしているので、仕組みの一部はデジタルと言えなくもない、要はアナログとデジタルのハイブリッドカメラみたいなものだ。

しかし、一方でフィルムカメラの中には電池を一切使わない、機械仕掛けのものもあるらしい。電池を使わないからモードなんてものはありゃしないし、露出も自分で計算しなくちゃいけないそうだ。このタイプのカメラは、ぼくが使っているカメラに比べてもずいぶんと不便なはずだ。シンプルにも程がある。

そんなに違うカメラでも、同じ「フィルムカメラ」というジャンルに区分されるのはなんだか不思議だし、ジャンル分け自体があんまりにもザックリしすぎている気がしなくもない。
いってみれば、液晶画面のついた時計をデジタル時計と呼ぶ一方で、ゼンマイ式の時計と電池式の時計をまとめてアナログ時計と呼んでいるような感じだ。大きく分けたら一緒だけど、実際はぜんぜん違うもの。



以上3つのことが、ぼくが初めてフィルムカメラに触れてみて感じたことだ。3つ目に関してはぜんぜん技術的なことでもなんでもなかったけれど、技術的な違いを語るにはたったの24枚撮り1ロールは少なすぎるので大丈夫だ。

勢い余ってフィルム用のスキャナーを購入した以上、これからもフィルムカメラは続けていくし、同時にデジタルもまだまだやっていく。それぞれに得意な分野があるはずだし、二つのフォーマットを知ることで見えてくる、お互いの新しい魅力もあるに違いない。
そうやって道具との対話を交わしながら、自分だけの表現方法をこれからも突き詰めていきたいと思っている。そんな今日このごろだ。





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