【煎茶道黄檗売茶流】美意識を高め、美意識に従う
文・写真:煎茶道黄檗売茶流
京都の宇治にある、黄檗山萬福寺の茶礼から発展した茶道、黄檗売茶流。美しいお手前を、売茶翁の志とともに受け継ぐ煎茶道の流派です。
煎茶道黄檗売茶流とは
煎茶道黄檗売茶流は、黄檗僧の茶礼を元に形式化、普く大衆に広めることを目的として、通仙庵巽堂(1908 ~ 1958)により創流、家元制度をとり免状を発行してきました。太平洋戦争後は、全日本煎茶道連盟に発足と同時に参加、煎茶道の普及と発展に努め、現在に至ります。二世通仙庵弘幸、三世通仙庵孝典へと代をつなぎ、現在は一般社団法人黄檗売茶流として活動中です。
▲2019年5月第64回全国煎茶道大会で。お茶会の風景
煎茶道黄檗売茶流では、平成の幕開けとともに従来の正座での作法を取り止め、立礼式をもって基本としています。お稽古の内容は、五碗を並べた玉露と煎茶の形稽古が中心でしたが、大振りの茶碗を使った一碗手前「平成手前」を独自に考案し、普及に努めています。
主な活動は、国際交流や文化交流など様々な目的を持ったお茶会の主催、神社仏閣へ一杯のお茶の御奉仕、御供えする献茶式の挙行、そのほか煎茶道に興味をお持ちの方々へ向けたワークショップの開催等、多岐にわたります。
▲神社でのお茶会
黄檗売茶流三世家元
通仙庵孝典よりメッセージ
当流では初心者、熟達者を問わず、お茶を淹れる形「お手前」を学びます。
その目的は、本来十人十色であるはずの「美意識」を共有することにあり、お手前を繰り返しお稽古することで更なる深化、或いは時代に応じた発展を目指しています。
時間をかけて培った美意識と、それを伴った振る舞いは、日常見慣れた景色に変化をもたらし、あらゆる事柄を昇華させる力があると信じます。
プロフィール: 通仙庵孝典 ( 中澤孝典 )
黄檗宗第五十二代管長渓道元を曽祖父、煎茶道黄檗売茶流々祖 通仙庵巽堂を祖父に持ち、1976 年 6 月、二世家元通仙庵弘幸の長男として誕生。幼少期より煎茶道を学び家元継嗣として、神社仏閣での格調高い献茶式から誰もが気軽に楽しめる季節のお茶会まで幅広い行事を主催し、煎茶道の普及と発展に努める。
2006 年より画家としても活動、阪急うめだ、新宿伊勢丹など全国各地で個展を開催。
2019 年 1 月より黄檗売茶流家元を継承、現在に至る。
▲お点手を披露する三世家元通仙庵孝典氏
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