『本山へ行く!』其の五 清水寺
とりあえず3回連載企画『本山へ行く!』の第5回目記事になります。
この企画は、50以上ある京都の仏教諸宗派本山を寺院営業部・S木くんと一緒に参拝します。それぞれ興味のあるネタを探して、S木くんがインスタグラムに、わたくし工芸舎・F倉がnoteに、同時にネタをアップするインスタ&note連動新企画です。目標の5回を達成し、次の目標は10回を迎えたいと思います。
今回は北法相宗本山の清水寺さんに行ってきました。
清水寺さんは”超”が付くほどメジャーですが、清水寺さんの宗派が奈良・南都六宗の法相宗に起源をもつということは、知らない人が多いのではないでしょうか。
元々は奈良の法相宗大本山・興福寺さんの末寺でありましたが、1965年〔昭和40年〕に独立し北法相宗の本山となりました。〈※清水寺HP参照〉
幾度の火災で焼失と再建を繰り返し、現在の建造物群は1633年〔寛永10年〕前後に順次完成に至りました。
それら建造物の建築様式は、和様建築を基本とした特徴が見られます。
たとえば、扉。
和様建築の扉は厚みの厚い板をそのまま扉としたもので、板戸(いたど)と言います。
このような十字が連続する扉を格子戸(こうしど)と言います。格子戸に裏板がつけば下の写真の蔀戸(しとみど)です。向う側を透して見ることが出来ないでしょ?!
扉の取付方法は、幣軸(へいじく)という木製の枠に穴をあけ、その穴に扉軸を建て込む方法になります。
一方、禅宗様式の扉は桟唐戸(さんからと)と言います。
桟唐戸の構造は、四方を枠に組み、内側は間の空いた格子で綿板(わたいた)という中板を押さえます。嵌め込むところも藁座(わらざ)というイチョウの葉みたいな半月状の部材に穴をあけて、扉軸を落とし込みます。
〈※桟唐戸写真は妙心寺さん、藁座写真は西本願寺さんで撮影しました〉
扉一つとっても色々な様式があって面白いですね。
清水寺さんといえば、なんといってもこの『清水の舞台』ですよね。この造り方は懸造(かけつくり)と言います。この床板、ほんのすこし勾配(こうばい)が付いていて、高所恐怖症の私は崖の方に滑っていきそうで歩くだけで恐怖を感じます…。
このたび床板も含めた本堂の修理が完成し、綺麗になりました!おめでとうございます!
その他に有名な懸造の建造物をご紹介します。是非舞台のスリルを味わってください!間違っても落ちないでくださいね。
工芸舎・F倉
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