わか

読書とスキーという人生。インドアとアウトドアのバランスが取れてて良いのかな...? 本…

わか

読書とスキーという人生。インドアとアウトドアのバランスが取れてて良いのかな...? 本はSFが多めの乱読派。スキーはゲレンデメインで偶にバックカントリー。 積みっぱなしの本と雪山が崩れませんように願う毎日を過ごしてる「わか」といいます。

最近の記事

「感想」ゲームの王国

毎年楽しみにしているハヤカワ文庫のオールジャンルフェアが開催されていました。 「世界を知る。 ハヤカワ文庫の100冊 2022」 小説の醍醐味として、他の文化を体験できるところが私は結構好きだったりします。 「世界を知る」をテーマにした今回のフェアは本当にありがたい。 未読の作品は全部買いたいくらいでした(積読が増えすぎるので断念) 今回選んだのはカンボジアを舞台にしたSF小説「ゲームの王国」です。 作者の小川哲さん(おがわさとし)の作品は「ユートロニカのこちら側」を読ん

    • 「感想」たゆたえども沈ます 原田マハ

      最近「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」という本を読んだ際に、中国の思想家である孔子が生前は全く評価を得られなかったエピソードから「ゴッホも同じだったような気がする」 そして「原田マハさんって方がゴッホをテーマに小説書いてたよな、よし読むか」 こんな流れで「たゆたえども沈まず」を手に取りました。 原田マハさんの作品は初めてでしたが、凄く楽しめたのでこの記事を書いていきます。 ざっくり紹介19世紀のパリで浮世絵を売り、画商として名をあげる林忠正と助手の重吉。 そんな二人の前

      • 「感想」劉慈欣のSF短編集「老神介護」

        三体が面白かったので同作者の短編集も手を出してみました。 2022年9月7日に「流浪地球」との2冊同時刊行。 買ってすぐに読んで、先日読み直したところなので「感想書いとくかっ」とゆるい感じで本稿を書いております。 全体の雰囲気三体が超ハードS Fだったのと比べてだいぶ雰囲気が違うな〜と。 全体的に切なくて哀愁漂う感じでした。 特に「彼女の眼をつれて」と「地球大砲」のラストシーンは「ズッシリくるなぁ」と、かなり好きになり好きな話です。 劉慈欣さんはこんな話もかけるんだ、と新た

        • [感想]史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち

          今日は面白さランキングNo. 1な哲学解説本の紹介です。 ただ面白いだけではなくて、インドから始まり日本に伝来した東洋哲学の歴史をとてもわかりやすく解説しています。 わかりやすさも凄いですが、それ以上に面白い。 お腹を抱えて笑える哲学書ってイメージできますかね? できない方は是非読んでほしいです、本当に面白いので。 以下から「面白いセリフTOP3」の発表です。 第3位「くくく、アホゥ共が... ...10秒で倒してのけるわ」※これは哲学書です かつてインド中から

        「感想」ゲームの王国

          [感想]オルダスハクスリー「素晴らしい新世界」

          ここ100年間のディストピア作品の原点にしておそらくは頂点でもある。 1世紀近く前の1932年に描かれた不穏な未来はますます現実味を増してきました。 読み終わると「こんな世界は嫌だ、だけど何が悪いかはわからない...」といった風に頭を抱えることに。 そんな気分の悪くなる読後感にあえて浸ってみるのも面白いかもしれませんね。 SFなのか、それとも予言書なのか辛い戦争を乗り越えて、世界平和を成し遂げた世界。 争いはなく老いることもない、最大多数の最大幸福を実現した世界は一

          [感想]オルダスハクスリー「素晴らしい新世界」

          サピエンス全史とSF。私たちは何を望みたいのか?

          サピエンス全史を読むとSFが読みたくなる。 ハクスリーとオーウェルが出てくるのがいけない。 どちらも好きなのはもちろんのこと「ディストピアSF」は全般的に好きなので、サピエンス全史の読後感のまま陰鬱なものが多いディストピアSFを読んでMPがすごい勢いで削られていく。 こういうと恨み節みたく聞こえますが全くそんなことはないんです。 ハラリさんにはむしろ感謝していて、今までたくさんのSF小説を読んできた中で「なんとなく感じていた違和感」の正体がわかったからです。 「SFは2種

          サピエンス全史とSF。私たちは何を望みたいのか?