和上ホールディングス石橋大右

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最近の記事

太陽光パネルの大量廃棄を逆に環境負荷にしないための挑戦が始まっている

再生可能エネルギーや太陽光発電ウォッチャーでもある私としては、このタイミングで論じるべきことだと思い、今回のテーマを選びました。 そのテーマは、まもなく始まるといわれている太陽光パネルの太陽廃棄問題と、それに向けてすでに始まっている挑戦についてです。 太陽光発電が再生可能エネルギーの大本命であり、これまで着実に発電量の規模を増やしてきたことは、喜ばしいことだと思います。太陽光発電の普及が始まった当初は、日本が世界をリードする太陽光パネル供給国で、国内でも補助金の効果もあって

    • いつの間にかペットボトルが優良な資源となり、争奪戦が起きていた

      今や飲み物を入れる容器といえば缶や瓶よりもペットボトルが主体です。破損しにくいですし、仮に破損したとしても危なくないので広く利用されています。 しかしペットボトルは石油由来の資源を使って作られるので、ポイ捨てをするとやがて海洋汚染の原因になりますし、安易に焼却すると有害物質が出てしまいます。使い勝手のいい素材なのですが、使い終わった後の処理が課題でした。 そこでペットボトルはリサイクルするべきという考え方が出てきました。今や私たち日本人は「ペットボトルはリサイクルするもの」と

      • 夢のエネルギー自給が実現?ペロブスカイト太陽電池への期待

        日本は長らく、エネルギーを海外からの輸入に依存しています。このことがいかに脆弱であるかは、これまで何度も実感させられてきました。しかし、日本は資源がない国なのだから仕方ない・・・そんなコンセンサスが横たわっていますが、そんな常識が一変するかもしれないゲームチェンジャーを紹介したいと思います。 それが、ペロブスカイト太陽電池です。このペロブスカイト、名前に太陽電池と入っているように、太陽光を浴びて電力を生み出す太陽電池の一種です。私たちが知っている太陽電池といえば、和上ホールデ

        • 英国で研究が進む営農型太陽光発電の新たな可能性

          英国のランカスター大学と民間企業の調査で、太陽光発電所が貴重な生き物たちを育む住処になっているという研究結果が発表されました。 このレポートによると、調査対象になった英国内の多くの太陽光発電所内で数が減りつつある希少な生き物が繁殖や生活をしていること明らかになりました。主にそれらの生き物は昆虫で、そのほとんどが保護対象になっているものだそうです。 太陽光発電所内は太陽光パネルが設置されている関係上、昼間は日陰になる場所があります。植物の中には適度な日陰を好む種もあるため、こう

        太陽光パネルの大量廃棄を逆に環境負荷にしないための挑戦が始まっている

          インフラが寿命を迎えるニッポン、これこそ実は大チャンス

          今回は日本の社会インフラについて語ってみたいと思います。 最近、高速道路のリニューアル工事がやたら多いとは思いませんか?私の地元である大阪では、阪神高速道路の松原線が3年もかけて橋の架け替えをしています。これと同様に、通行止めを伴うような大規模な工事が目白押しです。この状況は大阪だけでなく、日本全国に起きていることです。 先日、あるニュースが目に飛び込んできました。そのニュースとは、青函トンネルがもうボロボロ状態になっていて、劣化が深刻になっているというものです。 青函トン

          インフラが寿命を迎えるニッポン、これこそ実は大チャンス

          「飛行機は環境を破壊している」が昔話になる!SAFの凄い実力

          今回お話をするのは、飛行機の燃料として利用が拡大しているSAFについてです。飛行機はあれだけの図体を空に飛ばすだけに大量の燃料を消費して、CO2排出も相当なものになります。それゆえに飛行機は環境デストロイヤーとのレッテルが貼られて久しく、実際の環境負荷よりもことさら悪いイメージが強調されているようにも感じます。しかし、今や世界は飛行機がなければ経済や社会を維持することはできません。きわめて重要なインフラだけに、環境といかに折り合っていくかが長年の課題でした。 そんな航空業界に

          「飛行機は環境を破壊している」が昔話になる!SAFの凄い実力

          AIが環境問題、エネルギー問題を解決する未来が来ている

          AI=人工知能は、今や人間の能力を上回るのではないかと言われる存在です。 AIが人間を超えることを「シンギュラリティ」といいますが、シンギュラリティはすでに部分的には達成されています。今後その分野が広がっていくことで、私たちの社会は大きく変わると言われています。自動運転やRPA(事務作業の自動化)などが実現すれば、ドライバー職や事務職の人たちが不要になる、なんて言われていますね。これもシンギュラリティによる影響のひとつです。 こうしたネガティブな警戒論(?)がある一方で、AI

          AIが環境問題、エネルギー問題を解決する未来が来ている

          「藻」の力で日本が世界有数の産油国になる?面白い研究の紹介

          冬は暖房の需要が増大するので、日本だけでなく冬寒くなる国ではエネルギー消費量が増えます。今もなお戦禍にあるウクライナではロシア軍のインフラ攻撃によって電力不足が深刻で、日本より寒い冬を越せない人が大量に出るのではないかと言われています。自然災害なら仕方ない部分もありますが、これは完全に人災です。なんてひどいことをするのかと思ってしまいます。 日本はエネルギーのほとんどを海外からの輸入に頼っているので、燃料エネルギーの供給網に何か異変が起きると、ウクライナで起きていることが他人

          「藻」の力で日本が世界有数の産油国になる?面白い研究の紹介

          他人事ではないヨーロッパの「冬危機」から学ぶこと

          ヨーロッパの冬支度が大変な危機を迎えています。 ロシアによるウクライナ侵攻は西側諸国とロシアとの決定的な溝を作り、とても強い経済制裁が発動されています。その結果、これまで依存してきたロシアの天然ガスが入ってこなくなり、ヨーロッパのエネルギー戦略は大きな修正を迫られています。 私たち日本人はあまり実感できませんが、ヨーロッパの冬は日本人の想像を絶する寒さです。かくいう私もよく知っているわけではないのですが(笑) やはり日本はアジアの温暖な気候の国なので、冬になってもヨーロッパほ

          他人事ではないヨーロッパの「冬危機」から学ぶこと

          暗号資産は地球環境とエネルギー問題を引き起こす「悪者」が昔話になる

          去る9月15日に、主要な暗号資産のひとつであるイーサリアムで大型アップデートが行われました。その名は「マージ」といって、このアップデートが今後の暗号資産の運命を決めるのではないかと思うほど大胆なものでした。 暗号資産は、ブロックチェーンと呼ばれる世界的規模の台帳に取引履歴や所有者の情報を記録することで、通貨としての価値を保っています。このブロックチェーンは何人たりとも改ざんができないため、ブロックチェーンに正規の持ち主だと記録されている人は真の所有者であり続けることができます

          暗号資産は地球環境とエネルギー問題を引き起こす「悪者」が昔話になる

          岸田内閣が脱「脱原発」を打ち出した背景とエネルギー問題のこれから

          何かと評判のよろしくない岸田政権ですが、そんな岸田政権からすごい発言がありました。 エネルギー問題に関連することなので、エネルギー関連企業の代表者という立場からのコメントをしたいと思います。 2022年8月24日に、GX(グリーントランスフォーメーション)の戦略会議が開かれ、そこにコロナ隔離中の岸田総理がオンラインで参加し、かなり大胆な方針が打ち出されたのです。 国防に関することやコロナ関連などにも注目の発言がありましたが、何といっても私が注目したのは原発に関する発言です。

          岸田内閣が脱「脱原発」を打ち出した背景とエネルギー問題のこれから

          とくとくファームZERO始動!

          今回は弊社、和上ホールディングスの新しい取り組みについて告知をさせていただきたいと思います。 今回告知させていただく新サービスは、「とくとくファームZERO」です。 このサービスを一言で行ってしまうと、太陽光発電という再生可能エネルギーによって生み出されたクリーン電力を需要家の皆さまに安定供給するものです。 それなら今さら珍しいものではないとお感じかもしれませんが、この「とくとくファームZERO」はこれからの時代に強く求められるサービスであると自負しています。 その理由は

          とくとくファームZERO始動!

          ウクライナ戦争の影響で加速する、世界的な再エネシフト

          ウクライナ戦争の勃発から2か月以上が経ちましたが、まだまだ戦争の終わりは見えてこず、日々犠牲と破壊だけが積み上がっています。 日本にいる私たちができることは限られていますが、とにかくこの非道な行為が一日も早く集結してほしいと切に願います。 今回の戦争ではエネルギー問題にも大きな一石が投じられています。元より世界的に起きていた脱炭素を目的としたエネルギーシフトに加えて、これまで当たり前のように手に入っていたエネルギーが手に入らないのではないかという危機感から起きているエネルギ

          ウクライナ戦争の影響で加速する、世界的な再エネシフト

          史上初の電力需給ひっ迫警報、電力供給システムはいつも後手後手

          今回は、先日史上初めて発報された電力需給ひっ迫警報について、私の見解を述べさせていただきたいと思います。エネルギーを事業とする者として、言いたいことが山ほどあります。 2022年3月、先日史上初めての電力需給ひっ迫警報が発報されました。その直接の理由は、直前に起きた福島沖の地震です。震度6強を観測するような地震が起きたわけで、しかも東日本大震災の被災地が揺れたのですから、現地の人はトラウマが蘇ったことでしょう。怖かったと思います。 地震は自然災害なので止めることはできません

          史上初の電力需給ひっ迫警報、電力供給システムはいつも後手後手

          ウクライナ戦争の「終わり」が見えて、今思うこと

          連日ニュースを賑わせているウクライナ情勢。こんなことがこの時代に起きるのかという衝撃ニュースの連続で、心を痛めている方も多いのではないかと思います。 ロシアのウクライナへの侵攻の是非については、もはや言うまでもありません。一刻も早く平和が訪れる(もちろんウクライナに有利な平和です)ことを心から願います。 今回はその話ではなく、エネルギーを事業としている私が黙ってはいられない状況が起きているので、その話をしたいと思います。 ウクライナ侵攻が始まる前から、原油などエネルギー価格は

          ウクライナ戦争の「終わり」が見えて、今思うこと

          戦争のリスクが高まるウクライナの「重大な環境リスク」

          2022年になるや否や戦争の可能性が高まっているウクライナですが、ウクライナはロシアの西に接している東欧の国で、有名な教会がたくさんある歴史豊かな国としても知られています。日本からは離れているのでウクライナのことをなかなかイメージしづらいのですが、東欧諸国の中では国土も広く大きな国です。 そんなウクライナが、今にもロシアから侵攻されるのではないかと連日ニュースを騒がせています。すでにウクライナ南部にあるクリミア半島はウクライナの国土でありながらロシアに強奪されてしまったので、

          戦争のリスクが高まるウクライナの「重大な環境リスク」