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あなたが対戦ゲームで勝てないのはなぜ? ~統計は勝利の理由ではない~

はろーこんばんわ。

リーグオブレジェンドという対戦ゲームでは、
対戦データの傾向をまとめた、
下記のような統計サイトがあります。


OPGG


LoLalytics


こういったサイトをみると


・勝率が高いキャラクターを
 選んでいけば勝てていけそう


そう思ってしまいがちなのですが、
現実には勝てていない人が
たくさんいます。

彼らは統計的に正しい選択をしたはずです。
それなのに、
なぜ勝てないのでしょうか。

それを解説していこうとおもいます。

この事象を読み解くポイントは


・統計的と思い込んでいるだけで
 直感的に読み解いている

・実際のプレイヤーの腕前が
 まったく異なる

・試行回数が
 圧倒的に不足している



◆統計は正しいが、読み解く人間は間違える


まず大前提の話として、
わたしたちの思考は呪術的です。

全ての事象に、
厳密な因果関係を探し求めます。


EX.

・ソシャゲでSSRが単発で当たったのは
 日頃の行いがいいから

・ソシャゲで毎回天井しているのは
 運営が操作しているから

どちらも疑似乱数表の
いたずらに過ぎません。

けれども、
わたしたちの思考は
なにかに操作されていることで
この事象が起きたと思います。

ある意味では、
事象に対して操作者がいると
擬人化をすることで
物事を読み解くのです。

この推察能力によって、
ここまで人類は発展してきましたし、
呪術は科学の先駆け。

しかし、
現代の複雑な事象を読み解くには
大きく間違える可能性があります。

例えば、
勝率の高いキャラクターと
勝率の高いアイテムを選んだとしましょう。

実際のゲームプレイでは、
それだけで勝てるわけではありません。

  • 自分と相手のキャラクターの相性

  • チームの状況

  • 自分自身の操作の腕前

  • 自分自身の知識量

対戦ゲームであり、
試合時間も長いので
これらの要素が
複雑に絡み合ってしまうからです。

棒の振り方も知らない人たちが、
剣道の試合をしたところで
技量もなにも関係がないように。

実際に、
LoLのデータを見てみましょう。

まず
勝率の高いキャラクターを探してみます。

1番上のRek'saiというキャラクターが
とても強そうですね。

詳細ページに行っても、
とても強そうです。

でも、
落とし穴があります。

初心者帯で絞り込んでみましょう。

47.83%で、
とても弱くなってしまいました。

とても上手な人で絞り込んでみましょう。

61.46%と、
今度はすごく強そうです。

少しデータを絞り込んで、
腕前だけを参照しただけで
ここまで数字が変わってしまうのです。

更にややこしいことに、
装備するアイテム、
対戦する相手キャラクターも
大きく関わってきます。

どうでしょう、
まったくもって
当てにならない気がしてきませんか?

それでも、
統計的には高いじゃん。

そう思うかもしれませんが、
対戦ゲームでかつ
キャラクター同士の
相性が大きくでるゲーム。

そして、
アイテムや
チームの状況も大きく関わってくるので、
知識がないと役に立てるのは
とてもむずかしいです。

ぱっと大きい数字を見ると、
それだけで勝利への
因果関係を見出してしまうのですが
実際はまったく異なります。

読み解き方を間違えれば、
統計データには
なんの意味もありません。


◆収束まではあと何回?


統計サイトや、
色々なデータには
簡単に%が載せられています。

その%が収束するまで、
あと何回やればいいか。

これを考えたことは、
あるでしょうか?

ちょっとした例を出してみましょう。

うさぎさんチームと狐さんチームで、
サバイバルゲームの試合をしました。

彼らが10回試合をしたところ、
うさぎさんの7勝3敗といった結果でした。

どちらが優れたチームでしょうか?

この情報だけだと、
誰もがうさぎさんチームだと言うでしょう。

そう思ったあなたは
公式試合ではないところで1000回分、
うさぎさんと狐さんの試合結果が記された
ノートを見つけました。

その結果をみると、
うさぎさんの400勝600敗でした。

この情報が出てきたら、
誰もが狐さんチームだと言うでしょう。

そう、
確率は確率なのですが、
収束するまでには大量の試行回数が必要です。

実際にこのシミュレーターを
やってみればわかるのですが、
試行回数が少なければ、かなり偏ります。

こういったように、
統計のデータがよかったとしても
実際には偏る可能性がとても高い

先程も言ったように
そもそも
リーグ・オブ・レジェンドには
たくさん変動する要素があります。

バタフライエフェクトのように、
複雑に要素が絡み合ってしまうので
あまり当てにはなりません。

たとえ60%で勝てるキャラクターでも、
その60%に行くまでには
何試合も何試合もする必要があります。

精度を高めることで、
確率は上がるかもしれません。

ただ、
その精度を高めるには
ゲーム自体の知識が必要です。

さっきも言いましたが、
読みとけませんから。


◆あなたはなろうの主人公ではなく、ただのモブ


勝率のデータをみたところで、
実際のプレイで活かせるとは限りません。

なぜなら、
勝てない人はなろうの主人公でないからです。

人はだれしもが、
自分を主人公であり
特別な人だと思いこんでいます。

良い結果になるものが
ちらつかせられたら、
その良い結果がでるように
思い込んでしまいます。

宝くじをたくさんの人が買っているように。

本当に宝くじが当たるのであれば、
資産家は宝くじに投資をするはずです。

しかし誰もしていません。
当たる確率が、
あまりに低いからです。

データだけみて高そうに
思い込んでしまっても、
操作をしているのは人です。

勝てるようなプレイをするとは、
限りません。

けれども自分の知識や、
操作の腕前をまったく無視して
その勝率が高いものを選んでしまいます。

結果として、
あまり勝つことはできないでしょう。

なぜなら、
プレイヤーはなろうの主人公ではなく
ただのモブだからです。


◆読み解くための手法


せっかくなので、
読み解くための手法を書いていきましょう。

勝ちたいとしたら、
まずとても大きいものを紹介します。


Rek'sai

例としてRek'saiのデータを貼りましたが、
全てのチャンピオンで

  • ファーストブラッド

  • ファーストタワー

  • ファーストバロン

  • ドラゴンソウル

  • ファーストインヒビター

これらの勝率はとても高いです。

というわけで、

  • 相手をレーンで倒せば勝ちやすい

  • 最初に倒して差が付けば勝ちやすい

  • オブジェクトを取れば勝ちやすい

あけすけに言えば、


・ジャングルをやれば勝てる


ジャングル以外のロールなら、


・相手にレーンで勝ちやすいチャンピオンを
 選べば勝てる


というわけで、
レーンであれば
キャラクターマッチアップをみて、
そこを参照する必要があります。

※ジャングルは戦いを避けられるので
 レーンほど関係がない

トップやミッドに
後出しを譲るのは
こういった理由です。

譲らないのは勝つ気がないとも
言えるでしょう。

アイテムも状況しだいですが、
そんなのわかる人は
見る必要が薄いので、
とりあえずキャラクターマッチアップから
選べばいいでしょう。

そしてなによりも重要なのは、
自分のランクと同じランクのデータをみること。

自分の腕前と、
両方のチームの腕前。

どちらも重要ですからね。

上の方に行けば行くほど、
良いように思えるのですが、
棒の振り方のわからない初心者同士では
まったく意味がない
ですからね。

格ゲーで、
無敵技ぶっぱで勝敗がきまるレベルの人たちに
コンボの話しても無駄なように。

統計はただのデータであり、
読み解く人の知識と能力が重要です。

初心者がみても、
選ぶための目安というか
安心ができる根拠ぐらいにしかならないでしょう。
(実際には根拠になっていませんが)

対戦ゲームで話しましたが、
世の中にはこういった
数字を使ったトリックがたくさん潜んでいます。

知識がなければ、
誰かに振り回されていくだけ。

なかなか難しい世の中です。

それではまた。