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#Black Lives Matter / vol.2ー私たちはブラックボックス投稿を消しました

こんにちは。WAIFUスタッフのマユコです。

6月2日(火)から数日間にわたり、「Black lives matter(以下、BLM)」の動きの中で「Black Out Tuesday」というムーブメントが起こったことは、ご存知の方も多いでしょうか。

それは、音楽業界から巻き起こったストライキのムーブメントで、Instagramでは「#TheShowMustBePaused(ショーは中断しなければならない)」や「#BlackOutTuesday」のハッシュタグとともに一面真っ黒の画像が数多く投稿されました。

これを受けて、一度はWAIFUも黒い四角を「BlackOutTuesday」として投稿しました。
しかし、その後当事者やプロテストの渦中にいる人たちの一部から、批判的な声が上がっていることを知り、投稿を削除し、注意喚起の投稿をすることにしました。

#NOBLACKOUT

We can't keep silent! Stop posting black boxes.
ブラックボックスを投稿するのをやめましょう。

Use # blacklivesmatter thoughtfully. It's not just a slogan.
有益な情報を投稿するとき以外は、ハッシュタグ#blacklivesmatterは使わないでください。
警察暴力行為の証拠になりうる投稿など貴重な情報が埋もれてしまいます。

Support activists and protesters by helping spreading their voices
当事者や実際のプロテストの渦中にある人たちから寄せられている声に耳を傾け、プロテストを支える選択をしましょう。

和訳①:
#blackouttuesdayに参加しないでください
今こそ声を上げて広めて意識を高めるべきなのに、逆効果です。

和訳②:
インスタグラム上のブラックアウトは危険です。アクティビズムだと思ってはいけません。黒人の声がSNS上では既に消されています。内容のない投稿に埋もれてしまえば、何の助けにもならない。

和訳③:
今まで黙っていた人たちの中に、ブラックボックスを投稿しておいて必要最小限の努力だけこなして責任から解放された気分になった人もいると思う。
寄付しよう。リツイートしよう。
うわべだけのジェスチャーにすぎないものは卑怯だ。

和訳④:(UKブラックプライドより)
黒人の命を大切に思う人にブラックボックスを消してほしいです。
有益で、ためになって、励みや力を与えてくれる情報や画像を投稿してください。

# BlackLivesMatterのハッシュタグを消すだけでもよかったのか

BlackOutTuesdayの投稿をする際、誤って同時に「#BlackLivesMatter」のハッシュタグを付けたものも数多く投稿されました。
これにより、本来このタグを使ってアクセスしたい情報(例えば、警察暴力行為の証拠になりうる投稿など)が埋もれてしまうという、物理的な弊害が発生しました。

この問題については、早期にタグを消すよう促す流れも起こり、ある程度沈静化しました。後日、記事にもまとめられています。

もちろん、ハッシュタグに配慮をすれば、機能面の弊害はかなり減らすことができます。
タグを消して、色々考えた上で応援や記憶のため、投稿をする or 投稿は残すという選択も、私たちはリスペクトします。

それでも、”私たち”が投稿を消し、これ以上広まらないように、共感してもらえる人には投稿も削除してもらえるように動いたのには、理由がありました。

BlackOutTuesdayの本来の意味

元々音楽業界の黒人女性2人から発信された「BlackOutTuesday」は、上で紹介した記事にもあるように、「#TheShowMustBePaused」というメッセージを込めて、「一度ショーを中断する」ことを意図したイニシアチブでした。そしてそのアクションは多くの共感を集めました。私たちも深く共感しました。

その気持ちは今も変わりません。

# AmplifyMelanatedVoicesという側面

英語圏のアカウントでは「#AmplifyMelanatedVoices」というハッシュタグと共に投稿されるものもありました。これは今回の場合、「被差別者である黒人たちの声を増幅させるために、私たちは一度活動を停止しよう」といった意味合いで使われています。

ただ、後から私たちが調べた限りではブラックボックスを投稿した日本語圏のアカウントのなかで、#AmplifyMelanatedVoicesのハッシュタグを使っている人は見つけることができませんでした。

「投稿を消す」という判断で守りたかったもの

本来どういう意味だったのかが理解できても、そのポリシーに賛同ができても、私たちは投稿を消しました。
一番の理由は、当事者や今まさにプロテストの渦中にいる人たちの一部に、「今は静まるときではない」「表面的な支援のポーズはいらない」という心理があることを理解したからです。

ただでさえ大変な騒ぎの中にいて、辛い当事者やプロテスターに対して、たとえ応援や支援のつもりあっても、さらに気分を沈ませたり苛立たせるような思いをさせている事実が存在していたと知りました。

さらに、そのことを広める必要があると思った理由

実は、私たちWAIFUメンバーが「ハッとする」までの過程でも、認識に温度差や時差がありました。その一因となっていたのは、日本語話者と英語話者の情報量の差だということも分かりました。

すぐにはピンとこなかったメンバー(お恥ずかしながら私もそうでした)も、英語話者のメンバーから当事者やプロテスターの「複数の声」を紹介されることで「ハッと」しました。

現在のWAIFUメンバーは、この問題においてマジョリティーであり、何より被差別当事者の声を聞く態度が求められています。当事者にも様々な意見や立場があると思いますが、この件に関してはプロテスターたちの声を特に慎重に汲みとりたいと感じました。

そして、WAIFUのフォロワーの大半を占める日本語圏の人たちに向けても、そのことを発信したいと強く思いました。

なにより、私たちが気付くことができて良かったと思っているからです。

意見の相違=分断ではありません

“私たちなり”の解釈・判断で行った注意喚起ではありましたが、Likeだけでなく、メッセージやコメントや投稿などで、その後多くの意見を拝見しました。

・異なる見方、意見もある
・関心を示そうと試みたけど、この問題においてそれだけでは十分ではなかった
・まずはもっと知ることやドネーションや自分なりの想いを綴ろうと思った

ザックリいうと(詳細割愛してしまい申し訳ありません)、こういった内容のものが見受けられました。

ブラックボックスの投稿を消すことが、必ずしも正解ではありません。
私たちの注意喚起も、決して投稿をした人を非難するような目的でなされたわけではありません。

私たちは、こうして前向きな意見(例え意見が違っても、攻撃を目的としない思いやりのあるフィードバック)をもらえることや、この投稿を見た多くの人が、何かしらを考え、どういうアクションを起こすことがより有益か、悩んだり行動したりしたことが、とても意義のあることだったのではないかと思い至りました。

そういった意味で、賛否も含めてこの注意喚起をたくさんの方に話題にしてもらえたことで、結果的に「BlackOutTuesday」を投稿するだけよりも、一歩踏み込んだ連帯ができたかもしれないとも感じています。

これは、私たちにとっての希望です。

今回のように、後に自ら改めるような行動をとってしまったり、ご意見をいただいたりすることも含め、私たちもまだまだ勉強が必要です。
差別を無くしていきたいと願うみなさんと共に学び、より有益な情報をシェアし合い、ディスカッションも深めることができることを望んでいます。

一緒に前に進みましょう。



当事者・プロテスターの発言セレクトと和訳:クロエ
テキスト:マユコ、アサミ

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