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センバツ名勝負3選

こんばんは。ずっきーです。

ようやく高校野球のテーマを投稿します。嬉しいです。笑 今日は、明日から開幕する選抜高校野球の過去の名勝負を、僕の勝手な視点でピックアップしてみました。少し長いですが、最後まで読んで頂けると嬉しいです。

第3位

2019年3月31日 第91回大会 準々決勝
智弁和歌山 3-4x 明石商業 

明石商業の1番、来田涼斗選手(現:オリックス)の劇的なサヨナラホームランで勝負が決した試合でした。来田選手はこの試合で先頭打者ホームランも打っており、高校野球史上初の“先頭打者ホームランとサヨナラホームランを1試合で打った選手”となりました。第4試合のナイターということもあり、夜空に突き刺さるホームランはとてもドラマチックでした。まだ3月だったので現地の方は結構寒かったと思うのですが、見れた方は思い出に残る試合になったでしょう。

この時の明石商業は共に一年時から甲子園の土を踏んでいるエースの中森選手(現:千葉ロッテ)と、この試合のヒーロー来田選手の2年生コンビが中心。キャッチャーとして中森投手を支える水上選手(現:楽天)も含め、強固なセンターラインを軸にしたこのチームは、春に続いてその年の夏も4強入りを果たします。『狭間ガッツ』と言われる監督のガッツポーツも有名ですね。

一方の智弁和歌山も、この年の夏で甲子園5期連続出場の記録を作ることになる黒川史陽選手(現:楽天)西川晋太郎選手(立教大→??)東妻純平選手(現:DeNA)を中心とした超タレント軍団。ちなみに甲子園5期連続出場っていうのは、高校3年間で可能な甲子園の全ての機会で出場している、というとんでもない記録です。その間、チームが甲子園にいくことはもちろんですが、そんな強豪校で1年夏からベンチ入りを果たす必要があります。彼ら3人を除くと、この記録を持つ選手は戦後の歴史の中でも僅か9人。そんな記録を持つ選手が3人もいるチームということが、当時の智弁和歌山の強さを物語ります。

(さらに補足をすると、明石商業の2年生コンビも3年時のコロナ禍に阻まれ記録自体は3期連続出場に留まりましたが、3年春の選抜までは出場資格を得ていた為、最後の夏次第では5期連続の可能性が充分にあった2人です)

随分と前置きが長くなりましたので、試合の細かい内容は割愛しますが。。笑 実力校同士の1点を争う白熱した好ゲームが、史上初の記録となる劇的なサヨナラホームランで決着した、非常に印象深い一戦です。

第2位 

2006年 3月29-30日
第78回大会 2回戦
早稲田実業 4-3 関西
※延長15回引き分け再試合

自分の世代の試合です。ついこの間に感じますが、文字にして表すとずいぶん昔の試合ですね。笑 もう18年前。。この年の早実といえば、田中将大投手(現:楽天)との夏の決勝が有名ですが、実は春にも延長再試合をやっているのです。

岡山県の関西高校は、エースのダース投手(日本ハム→現:ダルビッシュミュージアム館長)と3番打者の上田選手(ヤクルト→現:YouTuber?)を擁する強豪校。秋の明治神宮大会で優勝しており、優勝候補の筆頭でした。因みにこの2人も2年春から4期連続で甲子園出場の記録を持ちます。

一方の早稲田実業は、まだその名が全国に知れ渡る前の斎藤佑樹投手を中心としたチーム。この試合も2試合目の序盤2イニングを除き、2日で22イニング、計333球を投じており、この頃から無尽蔵のスタミナを誇っていたことがわかります。

こちらの試合も、詳しい試合展開は以下のYouTubeで御本人たちが語っているのでそちらを参照頂ければと思いますが。笑 終盤の逆転に次ぐ逆転、関西熊代選手の後逸、9回裏も2死満塁でエース斎藤vs 4番安井、試合終了後には降雪、と名勝負に相応しい見どころ満載の試合でした。


第1位

2022年3月30日
第94回大会 準決勝
浦和学院 2-5x 近江 
※延長11回サヨナラ

1位と2位は順番迷ったのですが、こうしました。この中では一番最近の試合ですね。おまけもつけたので、超長文です。笑

近江高校は、エースで4番でキャプテンの山田陽翔投手(現:西武)を中心に2021の夏から本大会、更にこの夏と3期連続の甲子園4強を果たす強豪校。最近は投手を中心に分業制が進み、1人の選手が投打の柱を務めるチームは減ってた分、彼の存在はこの数年の高校野球界でも際立っていました。投手としてその年の夏も含め通算15試合に登板。松坂大輔さんに並ぶ11勝(3敗)、歴代3位となる通算115奪三振を記録した、まさに甲子園のヒーローです。この試合をきっかけに山田投手のことを知った方も多いのではないでしょうか。

一方の浦和学院は、“分業の鬼”のようなチームで、各選手複数ポジションを守れることが前提、投手起用も継投が基本でこの試合もここまで3連投だったエースの宮城投手を休養させ、控え投手3人の起用で試合を進めました。

試合は5回、そんな山田投手が足に死球を受けるアクシデント。その場では立ち上がることはできず、続投はおろか試合出場さえも危ぶまれましたが、治療後、6回も足を引きずりながらマウンドへ上がります。下半身に力が入らず、上体だけで投げているような状況でしたが、気迫のピッチングでここから延長11回までを無失点、トータル170球の熱投を見せます。1点ビハインドだった近江は7回にスクイズで追いつくと、延長11回裏、熱投の山田投手を支える女房役のキャッチャー大橋選手にサヨナラ3ランが飛びだし、激闘に終止符が打たれました。試合後、山田投手の力投に感動した近江・多賀監督がインタビュー中に涙するという珍事も。

控え選手を上手く起用しながら試合を進めるの浦和学院との試合だったこともあり、手負いの山田投手を続投させる采配は賛否を生みましたが、それだけチームにとって絶対的な存在であることは間違いないでしょう。

しかしこの代償は大きく、翌日の決勝戦では前日のダメージもあり、山田投手は3回途中4失点で降板。大黒柱を失ったチー厶はその後も失点を重ね、18-1で大阪桐蔭に敗戦。準優勝となりました。しかし、この話には続きがありまして。。。

ここからおまけ※話題は夏へ。。

春の準優勝を経て、チームには『山田選手頼りからの脱却』という大きな命題が課されました。特にその重責を感じていたのが、2番手ピッチャーの星野世那投手(現:大阪商業大)ではないでしょうか。先の大阪桐蔭との決勝戦でも、山田投手の後を継いで登板するも5イニングで14失点。全国のトップレベルを相手に、全く歯が立ちませんでした。

リベンジを誓う星野投手に、夏の甲子園でチャンスが訪れます。準々決勝の高松商業戦。1点リードで迎えた8回、エースの山田投手が足を攣り制球を乱します。2者連続で四球を与えたところで、星野投手に出番が回ってきました。相手バッターは高松商業の主軸、秋のドラフトで巨人から1位指名を受けることになる浅野翔吾選手。今大会の通算打率はなんと7割と、まさにバケモノのようなバッター。この試合も山田投手から本塁打を含む3安打を放っており、誰も手が付けられない状態でした。

「正直、抑えられる気持ちはしなかった。攻める気持ちは忘れないでいこう、と」

近江・星野、終盤の大ピンチに好救援 エースのために、強気になれた

と本人も振り返るこの勝負。1ボールからの2球目、インコースに投げきったスライダーを浅野選手が高々と打ち上げますが、打球はレフトのグラブへ収まります。見事、打ち取る事ができました。9回も無失点で切り抜け、近江高校の3期連続Best4に大きく貢献をしました。山田投手の後を継ぎ、見事にチームを救うピッチングを見せてくれました。

※星野投手についての記事はこちらでも

このように、見続けることで色々な楽しみがある高校野球。明日からの大会も、選手たちの一投一打から目が離せませんね!

以上、最後までお読み頂きありがとうございました!

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