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RPG|カミーノ・デ・サンティアゴ巡礼日記#5

ザリキエグイ〜プエンテ・ラ・レイナ〜ロルカ 26.2キロ

昨日の夜は雷と雨の音で何度か目を覚ました。大地を切り裂く様に響き渡る雷の音を聞きながら、丘の中腹の小さな宿の2段ベッドの上でうずくまっていました。

朝5時半。薄暗い中まわりはすでに支度をはじめていました。ペリグリーノはみんな早起きです。雷雨のせいで寝不足かと思っていたけれど、疲れのが勝ったのかしっかり眠ることができ、6時には完全に覚醒し10分で支度完了です。
横のベッドで寝ているアレクサンドラは爆睡の様子。一言声を掛けてから出発しようと、少し待ってみたけれど起きる気配はまるでなく諦めることに。

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6時半出発。まだ薄暗い中を、頂上に向かってゆっくり登っていきます。あたり一面のひまわり畑。見上げると、稜線沿いにはずらっと並んだ風車たち。朝のグレーの空に白い風車が映えます。

今日はペルドン峠を越えて、プエンテ・ラ・レイナという町を過ぎ、行けるところまで。だいたい20〜25キロ歩いた地点で宿泊することにしました。地図を見ながら町のある場所を確認します。

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峠に向かって登っていると、宿で一緒だったイタリア人のヴィドが前を歩いていました。朝ごはんを食べた?と聞いてくれたので、何も食べていないと答えると、持っていたパンをくれました。なんてやさしいの・・・。

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ペルドン峠の頂上に到着。
頂上にはカミーノのガイドブックや写真によく載っている巡礼者モニュメントがあって、たくさんの人が写真を撮っていました。半分以上は同じ宿に泊まっていたペリグリーノたち。ヴィドと写真を撮りっこしました。

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頂上からは今まで歩いてきた道、左右にはずっと向こうまで並ぶ風車、そして前方にはこれから歩く道が続き、その先には今日訪れる予定の街が見えます。

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曇り空の下、収穫された麦畑を抜け、プエンテ・ラ・レイナという町へ。朝は暑くなくて歩きやすい。元気なうちに距離を稼ぎます。

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10時、プエンテ・ラ・レイナに到着しました。石畳の教会が雰囲気のある歴史ある街。ここはわたしが歩いている「フランス人の道」と別のルート「アラゴンの道」との合流地点とのことです。別ルートとか、なんだかRPGの中にいる気分

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カフェの天井 すてき装飾

カフェでランチ休憩。ヴィドにもらったパン以外朝から何も食べていなくてペコペコです。カフェコンレチェ、オレンジシュース、クロワッサン(特大)、チーズのボカティージョを注文。

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カフェの看板

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プエンテ・ラ・レイナ 王妃の橋

“プエンテ・ラ・レイナ(王妃の橋)という名は、アルガ川に架かるロマネスク様式の橋に由来する。11世紀にナバーラ王妃(サンチョ3世妃ムニアドナ、またはガルシア3世妃エステファニアともいわれる)が橋の建設を命じたという伝承が残る。”(wikipedia参照)

「王妃の橋」なんてますますゲームの世界だなあ。日本だとほとんどの橋は地名だし、伝承を残した名付けって歴史を感じられてよいですね。

カフェで1時間弱休憩して「王妃の橋」から再び歩きはじめます。
橋を超えたところで、犬と散歩しているおじさんに出会いました。おじさんは陽気にいろいろ話しかけてくれますが、流暢なスペイン語で犬の名前がレイナということしか分かりませんでした。

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おじさんとレイナと別れて、赤茶色の道をひたすら前に進みます。午後になってだんだんと晴れて、今日も強い日差しが肌を焼きます。ゆるやかな坂道がつづき、少しずつ体力を奪っていく。

道の傍にはブルーベリーや葡萄(ワイン用だと思われる)がなっていました。

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赤土の道を歩いていると、またもやRPGのような町に辿り着きました。

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今日はずっとゲームの中にいる気分。HPも減ってきたし、あの町で小休憩をしよう。

町の中もクラシカルな家が並び、歩いているだけでたのしい。

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町人もゲームのキャラクターのようです。葡萄の木について教えてくれるおじさんやシスター、花柄のワンピースのお母さん。

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黄色の壁の色 マネしたい。かわいい。

町を出ると、昨日の宿で一緒だったトクチンと再開し、しばらく一緒に歩くことにしました。
韓国の男性は徴兵後に大学に行くらしく、わたしがカミーノで出会った韓国人の大学生は25歳前後が多かったのですが、彼も20代半ばで学生らしく、今年が最終学年とのこと。今後の進路についての悩みを抱えていました。

留学経験があって英語が堪能な彼は、歩きながらわたしにいろいろ話をしてくれました。大学の勉強について、家族のこと、そして自分は本当は何がしたいのか、など。英語が不得意なわたしのために、分かりやすい言葉で話してくれます。
彼より少し社会経験もあるし、何か気の利いたことをと思うのですが、なかなかうまく英語にできません。たどたどしく、シンプルな英語でなんとか伝えました。シンプルな言葉は日本語だとキザったらしいけど、英語なら素直に言えるなあと。彼はそのシンプルなワードを気にってくれたようで、とても嬉しかったです。

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話しながら歩いていると、真夏の日差し&バックパックの重みのことを忘れられて楽に歩けます。

14時半、ロルカという小さな村に到着。選んだアルベルゲの入り口に韓国国旗があるなと思っていたら、奥さんが韓国人とことでした。カミーノには韓国人が多いです。ここまでにまだ一度も日本人に会ったことがなく、母国語で話せるのがちょっと羨ましい。

アルベルゲの食堂で話をしていると、明日の午前中に隣町エステージャで牛追い祭りがあるとのこと。これはきっとカミーノの巡り合わせ!ぜったい見に行く!

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6日目に続く・・・

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