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WAGYUMAFIAが羅臼町と産んだ世界一の塩

WAGYUMAFIAはとことんこだわってきたブランドだ。表面的にはいってらっしゃいを叫びまくっているレストランみたいなイメージなのだろうが、その裏側を支えている要素は、非常に面倒な作業のオンパレードで実に泥臭い。そのこだわり故、スピードを伴わないことも多く、自分でももっと妥協したら早くて量産できるんだけどと思うのだが、やはりこだわりを無くしたら僕ではないし、僕らが大切に育んできたWAGYUMAFIAでは無くなってしまう。だからこそ、この遠回りな作業が続いていく。

実はまだ一部の常連にしか伝えていないが、僕らのオリジナルの塩が生まれた。そう、羅臼町とのコラボした塩である。色々なご縁が重なり、僕は羅臼という町が何故か大好きになってしまった。

町が好きになったのは、人の存在が大きい。ガイドをしてくれた坂本さんがいなかったら全然違う羅臼の姿になっただろう。そこから羅臼マフィアが始まり、そして羅臼町長まで湊屋さんまでやってきてくれて、大イベントをした。坂本さんが生まれたのはこの町長の柔軟な考え方にもある。縁がある人はとことん縁がある、昨日尾崎さんと友人が経営するバー・アンティークで飲んでいたところ、そんな坂本さんこと坂もっちゃんから「浜さん、町長と今東京です」のメッセージが届いた。そこから合流してもらって、色々な話になった。

「浜田さんに塩のお礼をしたくて」

と、町長はそんなことを言ってくれる。お礼は僕らの方から言わなくてはならない、冒頭の僕のこだわりは半端ないというか、意味がないぐらい長くてしつこい。大抵のパートナーは面倒くさくなって、諦めてしまう。それでも頑なに僕の要求に答え続けてくれたのがこのチームだ。坂もっちゃんに「俺にしては早かった方だよ」と伝える。出会ってから一年で生まれたプロダクトは僕の中では最速の部類に入る。長いプロジェクトは5年間かかって、未だに生まれていないし、先日出版された本は7年間ずっと書いてきた本だ。(まだ未読の方はぜひ)

とにかくこだわりまくって生まれたプロダクトは、当たり前だがマイナスを探すのが難しいプロダクトになる。完全なる自己満足だが、これだけの戻し作業を繰り返していくと、一緒に作っている生産者の方々も自分の言葉になった状態で、プロダクトリリースとなる。そこまでが僕の90%ぐらいの仕事で、あとはそのプロダクトが一人称でゲストたちに語りかけてくれると信じている。そんな最高の塩がどういう使い方をされていくのか、この一週間で見守ってきたがやはりいきなり独り立ちして威風堂々なデビューとなった。そんなことを湊屋町長と、坂もっちゃんと乾杯する。

おそらくこの塩は僕らにとってのゲームチェンジャーとなる。とにかく塩と向き合った一年になるが、この塩が僕が思う世界最高の塩であり、日本が誇る旨味の凝縮である。天然のハイミーですと冗談で僕は伝えているが、ペロッと舐めた瞬間にすすべての脳内が一気に活動するのが分かる。そんな夢のような塩である。まだこんな塩のようなゲームチェンジャーアイテムが数十個僕の中ではあるのだが、果たしていつリリースできることやら・・・、パートナーの方々にも申し訳ないが亀の歩みゆっくりと付き合っていただけたら嬉しい。

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