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ボーデン・バレットとの出会い

早いもので、もう一昨年になるのか、ラグビーワールドカップ日本大会。毎日僕のInstagramには各国の代表からメッセージが来た。イベント中は常にどこかの代表が食べに来てくれた。この年からありがたいことにアディダスが僕らのワールドツアーのスニーカーなどをスポンサーしてくれるようになっていた。そんなアディダスからのお誘いで訪れたのが味の素スタジアム。それが僕にとって初めてのラグビー観戦となった。

その時にプレイしていたのがボーデン・バレットだった。僕はラグビーは全くわかっていなかったが、僕の周りはラグビー関係者が多かった。真っ青の空、そして抜けるような美しいスタジアム。そしてサッカーよりもゆったりと見られる試合展開。ボーデンから連絡が来たのは、アイルランド主将のローリー・ベストが来てくれた後だった。ローリーはこの大会を最後に引退が決まっていた。今はアイルランドで牛などを育てており、今でも定期的に連絡を取り合う仲になった。

ボーデンはふらっと奥さんのハナと一緒に来てくれた。チャーミングな奥さん曰く、ニュージーランドで牧場もしている彼は他の牛はほとんど食べないという。キッチン越しから色々な話をして、ラガーマンっていうのは本当に紳士だなぁとつくづく感動したのだった。初めて自分の牧場じゃない牛を食べて美味しいと思ったと嬉しい言葉をかけてくれたボーデン。大会中に数度来てくれて、親交を深めていったのだった。

ラグビーファンであれば常識だが、ボーデンのバレット家は兄弟3人のニュージランド代表を輩出するラグビー一家だ。全ての兄弟がトライしていることも特筆すべきことだ。なんと8人兄弟のバレットファミリー。妹のザラはダウン症だ。妹のことをとても大切にしている兄弟たち。このインタビューでダウン症への認知を広める活動をしていることを明かしている。彼の人となりを表すエピソードだと思う。

大いに盛り上がったワールドカップ。仕事の合間に近くのHUBで観戦している自分もいた。代表選手や海外からのファンの多くがWAGYUMAFIAに来てくれたことも手伝ってくれた、一つの大会がこんなにも多くのラグビーファンを生んだことを、僕の友人達はとても喜んでいた。

それからしばらくしてボーデンから嬉しいニュースが届いた。サントリーのサンゴリアスでプレイするという話だ。新しくオープンしたWAGYUMAFIA DISTRICTにもハナと一緒に生まれたばかりの二人のベイビーも連れてきてくれて久しぶりの再会を祝した。なかなかタイミングが合わなかったのだが、ようやく昨日彼の試合を見に行くことができた。

僕にとってのはじめての秩父宮スタジアム。あの日と同じ真っ青の空、初夏のような天気に恵まれた中での素晴らしい試合だった。

これも食が導いてくれたご縁、すっかりラグビーファンになった自分がいた。次のワールドカップは必ず観に行こうと誓うのだった。

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