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博多ラーメンのあの「匂い」を突き止めた男のく臭いラーメン、いよいよ六本木デビュー

大の豚骨ラーメン好きである。我が家は親父があの匂いが嫌いだった。だから豚骨デビューはいわゆるラーショ系(ラーメンショップ)的な醤油とんこつ系だった。アメリカから帰ってきて暫くしてから知人に九州の久留米に連れて行ってもらった。そこで初めて食べた久留米ラーメンが強烈だった。「どーだ臭いだろう?」そうなんども言われながら食べた記憶が残っている。あまりにも美味しくて替え玉を何度もした。そこから博多の深夜のカプチーノと称される薬院の八ちゃんにハマり、最近では照寿司の渡邉夫婦と一緒にハマっているのが日明にあるむらた亭である。僕の中では東京でピッツァ食べるんだったらナポリに行く、中華食べるんだったら香港に行く・・・というのと同じような感覚で、あのドギドギのラーメンを食べるんだったら福岡に行くという自己完結型の方程式が存在する。記憶というのは味を脳内で再現するのにとても重要だ。その中でも嗅覚というのは記憶の中でもわす得ない大きな存在として残るのだ。

「臭いだろ?」

と言われて食べた料理は、たいてい記憶の中に残っている。この香りではなくて、匂い。そう臭気・・・。あの匂いは何なんだろう。長年の問いをすぐにキラキラした眼で明確に答えてくる人がいた。それが東京で博多ラーメン屋を営んでいる甲斐康太さんだった。「浜田さん、それは枯草菌です。」バチルス・サブティリスである、好気性芽胞形成菌のひとつ、酸素を必要とし生育環境の悪い中でも育つのがこの菌である。その中でも培養検査を依頼して枯草菌であることが突き止めたのだった。土壌に含まれる菌だ、日常的に日本人だったらこの枯草菌を食べているそれが納豆菌だ。枯草菌は栄養分が枯渇すると「芽胞」状態となり、熱や酸に強い性質を持つ。だからあのグツグツと似た熱の中でも生きていける。スターターとなるのは大地の恵みをたべている歯からだという。だから頭骨を入れないとこの枯草菌は培養されない、そうあの豚骨ラーメンの独特の匂いは出ないのだ。

海外ゲストが戻ってきて多くの人が足を運ぶのがこの豚骨ラーメンだ。海外だと一風堂が牽引して、そして一蘭がその立場を不動のものにした。僕らのラーメンは二郎インスパイアの和牛だ。本家の二郎とは違い、和牛の骨を1トンほど煮出していくというという方法論を取っている。僕らの牛骨スープはそのままでも飲めるし、また僕が妄想喫茶で作っているカレーのベースにもなっているWAGYUMAFIA独自の調味料だ。残念ながら狂牛病の危険部位認定がされており頭蓋骨は利用できない。だから僕らは大腿と肋をバランスを変えながら使っている。いずれも尾崎牛かメスの但馬を指定しているかなりマニアックなスープだ。いつもはこのスープをベースにコラボの誘いをするのだが、今回この甲斐さんの豚骨愛にはすっかりヤラれてしまった。

高田馬場にあるこの「でぶちゃん」のとんこつラーメンをそのまま持ってこよう。1万円のラーメンで有名なMASHI NO MASHI初の試みである。ランチセッションはでぶちゃんのラーメンをそのまま表現する。値段も1100円とファミリーマートのULTRA GARLICに並ぶ安さでお出ししたい。あの「臭い」博多ラーメンを出したい。そんな男の生きざまがしっかり詰まったラーメンをぜひ4月23日MASHI NO MASHIにて食べてもらいたい。ランチタイムは予約不要、1杯1100円。もちろん替え玉もあるよ!


これがランチタイムにMASHI NO MASHIで提供されるでぶちゃんの臭いとんこつラーメン

夜は甲斐さんチームと博多の屋台を再現する。ここでは甲斐さんが2日かけて抽出してくれた尾崎牛骨スープをベースに、新しいラーメンを作ってくれる。六本木に出現する博多の屋台、2セッション開催される。現時点で17時半〜あと3名、20時は2名予約可能とのことだ。ランチでサクッと啜って、夜はゆっくり博多を満喫するのも東京の日曜日っぽい。


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