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ラスベガスを支える巨大地下要塞

ラスベガスは要塞だ。昨日はメジャーホテルがどのような生態系を持っているのか、関係者しか入れない場所を全て案内してもらった。大きく僕の飲食についての考え方をまたアップデートしたい気分になった。ホテルの下には工場が出来ている。そこで働く人は1ホテルに5000ほどいる。全てのファンクションがライン工場になっていて、そこでオペレーションが全て完結するようになっている。この規模になると調達するレベルが全く違う。それでもクオリティーをどう維持していくか考えていくチームもいるわけだから、頭が下がる。大都市の表舞台だけを見ていると全く気づかないが、実は裏側の仕組みづくりがラスベガスがラスベガスでいられる長い歴史と知恵が生んだ産物なのだと気付かされる。

フレッシュジュース工場、パティシエの基地、パン工場、肉屋、鴨をローストし続けるチーム、壊れた椅子を修理するチーム、電気工事するチーム、生活に必要なものは全てこの地下要塞に格納されている。世界を代表するレストランブランドがライセンスで入るとしよう、この要塞のチームがメニューとレシピのR&Dをしてそれを提案していく。クオリティと効率を考えて、そこに叡智が入るのだ。今回招待いただいたレストランも全てホテル側が経営している、パティシエのチームが優秀だなぁっと思っていたら、案の定トップクラスのチームだった。このパティシエチームが同一ホテル内のトップレストランを担当する。これはよくよく考えると凄いことで、レストラン事業における各パーツの一部をアウトソースすることで、収益の最大化を実現しているのだ。

「レストランでのプレップ(下準備)はほとんどしなくてもレストランが成り立つ仕組みを考える。」ここが大きなポイントだ。僕らも一部の機能は外部パートナーと作っている、それがラインオペレーションまで含めて50%ー60%ぐらいの要所を自社で分業しているのだ。これはただ単純に効率化を目的にして考えているのではなく、クオリティの向上と維持をメインに考えられているというところが大きい。小さなハンバーガー屋でも年間8億売っているとサラッというのだが、それは小さいのではなくて裏側の作業を全て分業しているからスケーラブルな対応が出来ているわけだ。今回訪れた店舗の中でもトップクラスは年間50億売る、その数字だけに驚いてはダメで、その50億がどうやって生まれているかの裏側をしっかり考えていくことがこれからの大切だということが改めて再確認されたのだった。

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