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【永久保存版】Super rare vintage wire customs "Collection"

”タマシイ”の超激レアヴィンテージワイヤーカスタムシリーズ

弊社が活動初期から現在に至るまで、独自ルートで蒐集を行い
数多く保有する超激レアなヴィンテージワイヤー群は、まさに秘蔵。
他で手に入れることがまず困難な代物ばかりで構成されています。

その中から厳選し、ほぼ一点ものとして製作を行うカスタムリケーブルは
使用するワイヤーのバックボーンから特徴までを把握し、その持ち味を最大限に活かす確かな技術と解釈によって、唯一無二のヴィンテージサウンドが完成する大好評シリーズになります。

該当ワイヤーの枯渇によりもう二度と作れないものが大半ですが、制作側としてはそれぞれに思い入れもあるので・・
(所有者の方にも喜んで頂けたら尚幸いです)
この記事では、そんな特別感極まるシリーズを振り返るとともに
歴代ナンバリングモデルをまとめた一覧を以下に記録いたします。
随時更新。



Vintage No.000「ESCRITURA」

from "8core Vintage Holy Argentina wires"

■ESCRITURA (エスクリテュラ)| 完全終売品

アルゼンチン産ヴィンテージワイヤーによる超弩級8コア仕様のリケーブル、聖典「ESCRITURA」。

使用する部材全てが1920~30年代のアルゼンチンワイヤーを使いブレンド。構成は、圧倒的なポテンシャルを誇るワイヤー切売でも大変人気の「ALAMBRICA」と、高域特性が恐ろしく美麗な音を奏で、RAYON絶縁が珍しい輝く「ALAMBRE DE COBRE ESMALTADO」(切売販売終了)、そしてまだ誰も見ぬ超高バランスワイヤー「ROSA DE SEDA ALAMBRE AISLADO」(切売販売終了)をHOTにブレンドし、1910〜20年代のコットン巻絶縁銅単線「Algodón rollo de alambre de cobre」を使用するという、究極のアルゼンチンヴィンテージワイヤー仕様8coreリケーブルです。

ハンダには、秘蔵の40's NASSAU(型番は内緒です)を使用。これにて完全なるアメリカ大陸産を実現。
そしてその集合体である「ESCRITURA=聖典」は、その名に恥じない神聖的なサウンドを実現しています。

■ESCRITURAのサウンド
究極に美しい、魔法のような音世界

周波数バランスはナチュラルかつスーパーハイまで伸び、またローエンドまでしっかりと再生します。そして中高域にかけて、美しい艶とシルクのような滑らかさをもちつつも、神々しいまでの透明描写とパワフルさも兼ね備えた見事なサウンドに魅了されます。
解像度、定位感、情報量などは文句のつけようがありません。ただ太いだけのヴィンテージサウンドとは明らかに一線を画しています。

弊社スタッフ一同も、このケーブルで聴くシンバルや弦楽器の美しさには鳥肌が立ち、また曲全体に独特の質感と輝きが宿るのに驚き、音楽に酔いしれました。
アルゼンチンの見事な土壌と、当時の裕福な国家力が成せた究極のワイヤーたちの賛美歌です。

■販売当時の仕様および価格
・2.5mm 4極 NIDEON製プラグ Custom 2pin type
・4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 銀メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:89,800円 〜 97,800円


Vintage No.001「ENRICHER」

from “1944 BELDEN wire” × “1920-30 HUDSON wire”

■ENRICHER (エンリッチャー)| 完全終売品

弊社オンラインショップでもワイヤー切売り販売を行なっている「ブラックエナメル LITZ 42AWG×7芯 シルク絶縁 1920-30 HUDSON WIRE 」と
最初で最後の蔵出しとなった「BELDENの1944年 単線ヴィンテージワイヤー」によるカスタムリケーブルになります。

このBELDEN社やNo.002でもご紹介するLENZ社のヴィンテージ線というのは本当に貴重で、今でも大変人気のある線材です。
というのも、数多くある米国のワイヤー会社でもこの2社に関しては、共にオーディオ用途にも相当に力を入れた数少ない会社でした。
そのため両社の線材の多くは、オーディオ用に大変向いた高音質のケーブルが多く存在しているのです。

■ENRICHERのサウンド
まるで古き良きライブハウスで聴いているかの様な
時代の香り立つ郷愁のサウンドビジョン

まず全体として整ったバランス感と芳醇で艶っぽい下地があり、その中でパワフル且つ細かなニュアンスも拾い上げる分離感の良さがあります。
ベースは明瞭的でかつウォームで厚みがあり、ギターも左右感がはっきり出るクリアさで、ドラムには抜けの良いスネアのアタック感と金物系のコシ高な響きが印象的です。

そして情感豊かな中高域の、芳醇でコクの深い味わいがヴィンテージ感を演出し、どこか親しみをおぼえるようなアナログ的な暖かみが旨味のある倍音成分を生み出し、ふくよかでエモーショナルなボーカルと残響感に心をくすぐられる仕上がりとなっています。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:54,800円


Vintage No.002「SILVERN」

from “1948 LENZ wire”

■SILVERN (シルバーン)

数多く存在する米国ヴィンテージワイヤーメーカーの中でも、BELDEN社と並びオーディオ向けに特化したワイヤーを製作し続けた稀なメーカー「LENZ(レンツ)」。
そのLENZワイヤーは圧倒的な高音質がウリで、今でも大人気で数も少ない為、そのワイヤーの価値はWestern Electric、BELDENを遥かに凌ぎます。
尚且つ、弊社が保有する「1948年1月14日製造印字」は、他で見たことがないとんでもなくレアなLENZワイヤーです。
しかもこれは唯のワイヤーではなく、特殊4芯線構造です。定番の撚り線とは違いワイヤー芯にシルクがあり、その周囲に煌く細い導線が巻きついているものが4本束となって蝋で固められているという、ヴィンテージでは大変珍しい構造のワイヤーを使用して特別制作を行なっています。

■SILVERNのサウンド
超芳醇な中域でまとまった世界観の
まさしく米国50〜60年代のアメリカン・ヴィンテージサウンド

丸みを帯びた音輪郭に、まろやかでドリーミーな質感が、ウォームな音色と合わさって見事なヴィンテージ世界を構築しています。
高域は小ぶりに弾けるような金物音がまろやかな風味を残しつつ、中高域は抜け感に優れたみずみずしいギター音がこれまたまろやか。
中域にはツヤ感が全開で、中低域はコシ高く中域との距離感が近く、併せて濃厚な味わいとなっています。
低域もしっかりと出ており、心地良いキック音の響きを感じられます。

広帯域でグルーヴィなベースと、クリアで艶やかなボーカルのハーモニーは、まるで数十年物のウイスキーの様な芳醇さ。
ヴィンテージらしいツヤっぽさのあるエネルギーを追求したようなエモーショナルサウンドです。

■販売当時の仕様および価格
2.5mm 4極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:59,800円


Vintage No.003「SUTRA」

from "4core Vintage Holy Argentina wires"

■SUTRA(スートラ)| 完全終売品

使用する部材全てが1920~30年代のアルゼンチンワイヤーを使いブレンド。構成は、圧倒的なポテンシャルを誇るワイヤー切売でも大変人気の「ALAMBRICA」と、高域特性が恐ろしく美麗な音を奏で、RAYON絶縁が珍しい輝く「ALAMBRE DE COBRE ESMALTADO」(販売終了)、そしてまだ誰も見ぬ超高バランスワイヤー「ROSA DE SEDA ALAMBRE AISLADO」(販売終了)をHOTにブレンドし、1910〜20年代のコットン巻絶縁銅単線「Algodón rollo de alambre de cobre」を使用するという、究極のアルゼンチンヴィンテージワイヤー仕様4coreリケーブルです。

ハンダには、秘蔵の40's NASSAU(型番は内緒です)を使用。これにて完全なるアメリカ大陸産を実現。
そしてその集合体である「SUTRA=経典」は、その名に恥じない極上のビューティフル・クリアネスサウンドを展開し、一聴したその瞬間から聴く者にワクワク感と幸福感をもたらす圧倒的な説得力に満ちています。

ESCRITURAと比較して、パワフルさよりも定位のピント感により一層のフォーカスを当てている印象です。

■SUTRAのサウンド
究極に美しい、魔法のような音世界 PART2

サラウンド感のある奥行きと空間美、また左右の定位感は研ぎ澄まされたフォーカス感となっており、尋常ではないスピード感と応答性を以て表現しています。
周波数バランスはナチュラルかつスーパーハイまで伸び、またローエンドまでしっかりと再生します。
引き締まりながらもグルーヴのある中低域、そして中高域にかけて美しい艶とシルクのような滑らかさをもちつつも、神々しいまでの透明描写も兼ね備えたサウンドに魅了されます。
文句のつけようのない解像度、定位感、分離感、情報量。完全にハイエンドケーブルの領域で、そして唯一無二な音像表現の仕上がりです。

弊社スタッフ一同も、このケーブルで聴くシンバルや弦楽器の美しさには鳥肌が立ち、また曲全体に独特の質感と輝きが宿るのに驚き、音楽に酔いしれました。
アルゼンチンの見事な土壌と、当時の裕福な国家力が成せた究極のワイヤーたちの賛美歌です。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:109,800円 〜 134,800円


Vintage No.004「ARBOREOUS」

from "1910-30's Argentina wire" × "Vintage ANSONIA wire"

■ARBOREOUS(アルボレウス)| 完全終売品

アルゼンチン産ヴィンテージワイヤー2種とアメリカン・ヴィンテージワイヤーをブレンドした、スペシャルカスタムリケーブル。
「ESCRITURA」ならびに「SUTRA」でも使用していた1920~30年代の超激レアなアルゼンチンワイヤーより、圧倒的なポテンシャルを誇るコットン巻絶縁銅線「ALAMBRICA」と、1910〜20年代のコットン巻絶縁銅単線「Algodón rollo de alambre de cobre」を贅沢に使用し
そこに最初で最後の蔵出しとなった、同じくコットン巻絶縁銅線のアメリカン・ヴィンテージワイヤー「ANSONIA」を加え
さらにアメリカ某メーカーのヴィンテージハンダを投入することで、完全アメリカ大陸産の実現と「オールコットン巻き仕様」という、こだわりのヴィンテージ・カスタムリケーブルが完成しました。

■ARBOREOUSのサウンド
ウェットで艶やかなニュアンスに柔らかく弾むような

ヴィンテージらしい芳醇な”ブラウン質感”

タテ感ある音場の中で一音の線が非常に細かく、分離感にも優れながら、それらが束となり降り注ぐようなイメージが浮かび上がります。
エッジは丸みがありつつも、芯のあるキレ感とクリアさがあり非常に聴き易く、リスニングライクなケーブルとしてもクオリティが高い仕上がりです。

繊細で研ぎ澄まされた高域には雑味がなく耳あたりの良いクリスタルクリアーさで、中域はダイレクトでありながらも包み込むようなツヤ感とフォーカスの合うボーカルが優しい質感です。
そしてタイトに跳ねるキック音や、タムタム音の位置感など把握性に優れた中低域とが絶妙に合わさり、全体の滑らかさやディティールのピント感に優れた、高品位のヴィンテージサウンドとなっています。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 日本ディックス製 Pentaconn OFCプラグ MMCX type
税込特別販売価格:76,000円


Vintage No.005「Rosa Tesoro」

Vintage super rare wire's special collaborate
from “Argentina” × “Germany” × “Italy”

■Rosa Tesoro(ロサ・テゾーロ)

使用する部材全てが異なる国の激レアワイヤーを使いブレンドするという、いわばヴィンテージ多国籍カスタムリケーブル。
その構成として、まずは圧倒的なポテンシャルを誇るアルゼンチンワイヤーの「1920〜30's ALAMBRICA」をHOT×1、COLD×2で使用。次に1巻あたり0.05mmが30芯の二重シルク巻き銅線という、推定1950年代レジェンドクラスのジャーマンワイヤー「Floating Sheep」をHOT×1で使用。
そして初登場となるイタリア産の極細シルク巻きエナメルヴィンテージワイヤー「1970's IRCE wire」をHOT×1、COLD×1で使用の、極めて特殊かつ豪華な仕様となっています。アルゼンチン、ドイツ、イタリアの三ヵ国が紡いだ「宝=Tesoro」なコラボレートサウンドを作り上げました。

I.R.C.E
創業は1947年、エナメル線の市場ではかなりのシェアを持つイタリアのワイヤーカンパニーです。現在はヨーロッパで重要な多国籍企業で、巻線と電気ケーブルの事業を行なっています。1970年代の半ば、イタリア、ロマーニャ州のイーモラ工場が作られ、これはその頃に製造されたシルク巻きエナメルワイヤーになります。
なお現在、この工場はIRCE最大かつ最も重要となるインダストリアル向けのエナメル銅線およびケーブル工場となっている模様です。当時の”IRCE”そして”IMOLA(イーモラ)”が刻印された木製のスプールに巻かれた稀少性、 極細シルク巻きエナメルヴィンテージワイヤーを、本作の1ピースとして組み込んでいます。

■Rosa Tesoroのサウンド
渇いた地点から湧き水が溢れ出てくるような
恵みのヴィンテージサウンド

高級ヴィンテージらしい「枯れ感」のある独特な質感を持ち、一音は細かくもトータルでしっかりとしたグルーヴ感があり、粒子的な音の線と倍音がこだまする中音表現が、まるで枯れた大地から湧き水が溢れ出てくる情景を思い浮かべられるような恵み感のあるサウンドとなっています。

高域は繊細寄りでありながらも繊細過ぎない良バランスな表現で、中高域〜中域には雑味がなく滑らかなギター音とボーカルが印象的です。
中低域は程よく「グンッ」と前に出ており、低域は地に着いたようなコシ感と締まりのあるタイトさが心地良く、それはアタック音のダイレクトさにも表れています。
ドライから一転してウェット状態に切り替わるような、新感覚とも云えるヴィンテージサウンドです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 銀メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:89,800円


Vintage No.006「Marion Knott」

from "Vintage Anaconda wire"

■Marion Knott(マリオンノット)| 完全終売品

本作では、エナメルマグネットワイヤーが多く存在するAnaconda wireでも初期1920年代と思われる大変希少なコットン巻き28AWGワイヤーを、HOT部分に採用しています。
ワイヤー数が極めて僅少&単線という観点から、Anaconda wireをメインで使用しつつも、HOTの支えに圧倒的なポテンシャルを誇るアルゼンチンワイヤー「ALAMBRICA」を、そしてCOLD側には1910〜20年代のコットン巻絶縁銅単線「Algodón rollo de alambre de cobre」を使用し特別製作を行いました。

AnacondaWire and CableCompany
前身となるMaring Wire Companyの創業者であり、ワイヤー製造分野において「若き天才」と言われたアルバート・マリングが、1928年に設立したアメリカのワイヤーカンパニーです。その確かな手腕によって、1930年代にはカリフォルニア州オレンジで最大の産業プラントとなり、電力会社へ耐候性ワイヤーの供給や、第二次世界大戦中には軍需ケーブルの生産していました。時は流れ、1982年にAnacondaWireカンパニーはクローズし、2004年には工場も取り壊されてしまいましたが、カンパニーのクローズから工場の取り壊しまで22年も掛かった経緯として、オレンジの人々を積極的に雇い都市の経済発展に多大な貢献を果たしたとして、国家歴史登録財に認定されていた為というエピソードがあります。

■Marion Knottのサウンド
芳醇でかつ高い透明度を誇る中高域のダイレクトさが魅力的な
90's Rock and Pops Sound

まず全体のコシ高さと抜け感の良さがあり、特に突き抜けるような高域表現が圧巻で、ハイハットやシンバル等の金物音の力強い響き、高音ギターやピアノ音などの輪郭がとても明快です。
ツヤ感があり前面に出てくるような中域では、アコースティックの倍音成分やボーカルの残響などがヴィンテージ由来のコクのある質感となって芳醇に重なるようなイメージです。中低域は主張が少なく堅実的なベースラインが支えとなり、尚且つ単線が故のピント感の良さがメリハリを与えています。

トータルとしてローレンジは控えめでありながらも、バスドラムのキック音の沈み込みはしっかりと表現しており、グルーヴ感もあります。
何より中高域のツヤっぽさ、近接的で押し出し感のあるスポットさがとても個性的で、歌声は雑味がなくスーッと滑らかに透き通るようなイメージです。
特に90年代の音楽との相性が抜群で、ポップスであったりボーカルが前面に出るロックな楽曲で真価を発揮します。

■販売当時の仕様および価格
2.5mm 4極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 銀メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ ブルーホログラム+ローズパール塗料装飾
税込特別販売価格:69,800円


Vintage No.007「Bronze Age」

from "Vintage Henley wire"

■Bronze Age(ブロンズエイジ)| 完全終売品

本作ではHenleyの、現在ではRoHS指令による制限で特例以外での新規製造が許されない超激レアなブラックエナメルヴィンテージワイヤーをHOTに使用しています。(そもそもHenley wire自体がまず出回っていません)
Henley wireをメインで使用しつつも、HOTの支えに「ALAMBRICA」を、そしてCOLD側には「Algodón rollo de alambre de cobre」を使用。
基本となる製法はNo.006と近いものがありますが、当然ながらそのサウンドは全く異なるものとなっています。

WT Henleys Telegraph Works Co
ロンドンのテムズ川近くにあるノースウーリッジに製造工場を構えていたイギリスのワイヤーカンパニーです。
WTは創業者であるウィリアム・トーマス・ヘンリーの名称からきています。シルク、コットンで覆われたワイヤーの製造から、陸上の電信ケーブルや海底電信ケーブルの製造などを主に稼働していました。余談ですがこのHenleyにはなんと、スリラー映画で有名なアルフレッド・ヒッチコック監督もかつて従業員として働いていたそうです。
1959年にはAEIに買収され、また後にGEの買収などを経て、現在はノースケントに最新の設備を備え、Henley最初期のスピリットを継承しながらプロダクトを供給しています。

■Bronze Ageのサウンド
重厚な中低域と優れたバランス感が合わさった
見事なコンビネーションサウンド

それはまるで乾いた荒野に地割れが生じ、その底から心地良い風が吹き上げているようなサウンドスケープ。
優れた位相特性によるスピードレスポンスと、中低域の強靭なグルーヴ感、余念がない中域〜高域の抜け感と耳当たりの良さ。パワフルでファットなベースラインが支柱になりつつも、トータルバランスとセパレーションにも大変優れたリスニングライクなサウンドの仕上がりとなっています。

高域はシルキーで金物音のサラサラとしたような質感で、中高域は力強いアタック感に抜け感にも優れたギター音やバランスの良いスネア音が、美しいハーモニクスを表現しています。
中域では、まるで郷愁を覚えるかのようなツヤっぽいボーカルと一層情感的なアルペジオの響きに味わい深さを感じさせます。
そこに主役級の重厚でかつコシ感のある中低域ならびにベースラインが折り重なり、ウォームで味わい深くも、聴き易くトータルバランスにも優れたヴィンテージサウンドです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ FitEar type ロゴ部ゴールドグリッター&ゴールドパーチクル塗料アートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:82,800円


Vintage No.008「Rain Fire」

from "Vintage DUDLO wire"

■Rain Fire(レインファイア)| 完全終売品

本作では当シリーズの十八番と言えるエナメル絶縁ではなく、レアな1910年〜20年代の"布巻き"絶縁ワイヤーをメインに使用しつつ、HOTの支えに「ALAMBRICA」、COLD側に「Algodón rollo de alambre de cobre」を使用した結果、DUDLOワイヤーのポテンシャルを限界まで引き上げることに成功した、超良質ヴィンテージサウンドのリケーブルへと昇華しました。

DudloManufacturing(ダドゥロ)
1911年に事業を開始した有名なアメリカのワイヤーカンパニーです。まだ布巻きでの絶縁が主流だった時代、創設者ジョージ・ジェイコブスは1917年にマグネットワイヤー用エナメル絶縁の研究開発に成功し、技術の進歩も相まって非常に細いマグネットワイヤーを供給することが可能となりました。
1922年には世界最大のマグネットワイヤーメーカーとしてその名を轟かせます。1930年にDudloのフォートウェインにあったオフィスを閉鎖し、事業を1933年にニューヨーク州ローマ市に移転しましたが、同時期にEssexWireを設立し、旧Dudlo工場での事業を始動させました。現在このEssexWireは、世界12の拠点を持ちトップシェアを誇る世界最大のエナメル線メーカーとして君臨しています。
DUDLOワイヤーはサウンドの質として非常に良いものが多く、またその調合・製作法によって如何様にも大化けするポテンシャルを秘めています。

■Rain Fireのサウンド
ドライ/ウェットの共存
リアリティ表現を得意とする超良質サウンド

最大の特徴として、ヴィンテージ線らしい乾いた質感を基本に持ちながらも、高域の弾けるニュアンスと音のエッジに潤いを感じさせるウェットさ。それはまるで水滴が葉先から雫となって地面にこぼれ落ちるような、独特かつ大変上質なサウンドビジョンの仕上がりとなっています。

トータルとしてはナチュラルでかつ分離感に優れ、透明度が高く見通しの良さもあります。高域は波が打ったような粒立ち表現で心地良く、中高域はギター音の抜け感とクリアさが印象的。中域は透明感のあるボーカルに濃厚なツヤが乗った伸びのあるエモーショナルさを感じさせます。
中低域はまろやかな輪郭のベースラインで、尚且つコシ感がありエッジもシャープな意外性を持っています。低域ではバスドラムのキック音が程よく沈み、タムタムの響き渡るようなリバーブ感が特徴的です。

迫力あるリアルさと、クリアネスでピュアな響き。余裕を感じさせる音場感と見渡しの良さ。そして美しくもメリハリのあるアタック感が、万能感のある一振りとして高い完成度を誇っています。

■販売当時の仕様および価格
2.5mm 4極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ゴールドグリッター&ゴールドパーチクル塗料アートワーク イヤーコネクタ ゴールドパーチクル&ブラウン塗料装飾
税込特別販売価格:97,500円


Vintage No.009「BELDIGRIS」

from “1920-30 HUDSON wire” × “1941 BELDEN GREEN”

■BELDIGRIS(ベルディグリ)| 完全終売品

弊社の公式オンラインショップでワイヤー切売り販売も行なっている、米国HUDSON社の激レアワイヤー「1920-30 HUDSON WIRE ブラックエナメル LITZ 42AWG×7芯 シルク絶縁」と
最初で最後の登場となった「BELDENの1941年ヴィンテージ 単線グリーンシルクワイヤー」を選出しブレンド製作を行なったヴィンテージハイブリッドケーブルになります。使用メーカー線材や構造から、No.001と兄弟機的な位置付けとも言えそうです。

BELDEN社のヴィンテージ線は本当に貴重で、今でも大変人気のある線材です。
というのも、数多くある米国のワイヤー会社でもこの2社に関しては、共にオーディオ用途にも相当に力を入れた数少ない会社でした。
そのため両社の線材の多くは、オーディオ用に大変向いた高音質のケーブルが多く存在しているのです。

■BELDIGRISのサウンド
中域のツヤ感と枯れ感のニュアンスとが絡み合う
余韻系のヴィンテージサウンド

高域は歯切れが良くシャープさのある音輪郭で、中高域では上目で高い位置から降り注ぐようなギター音が特有の枯れ感も同時に演出しており、中域はボーカルの迫力とツヤ感が印象的で、中低域は締まりながらもワイド感もあります。まとまり過ぎず、かと言って外れ過ぎずな独特の区間表現を持つベースラインが魅力的でもあります。

艶やかでエネルギッシュな音楽的表現力をもち、ピシッとした定位感で位相特性にも優れており、倍音成分とリバーブ効果もとても心地よく、余韻に浸れるような世界観があります。
アコースティック系や音数の少ない楽曲と特に相性が良く、情報量というよりも一音の味わい深さを求めたタイプのサウンドキャラクターとなっています。良質ヴィンテージサウンドの理想形の一つにも感じられます。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:64,800円


Vintage No.010「Von Schafen」

from "1950's German XXX wire"

■Von Schafen(フォン・シャーフン)

ヴィンテージカスタムナンバリングの記念すべき10作目は、完全初出しとなる秘蔵のジャーマンワイヤーを贅沢に使用したスペシャルリケーブルになります。
そのワイヤーはドイツ製(メーカーは秘密です)で、あの「Sieve Sheep」と同様に1950年代製造の大変稀少なヴィンテージワイヤーになります。太さは約34AWGほどで、一本につき0.07mm×3芯構造という超・極細ワイヤー仕様。
製作工程として、まずはツイストペア処理を行いつつ更に3本撚りあわせ、全てハンドメイドで編み込み、1接点につき6本の18芯、つまりLRで合計24coreの総芯数72芯構造という、弊社リケーブル史上でも最多本数となる構成での特殊製作となっています。

■Von Schafenのサウンド
圧巻のスピードレスポンスと万能性を伴った
モダニズム・ヴィンテージサウンドの真骨頂

高域は繊細表現を得意とし、中高域ではここにのみ存在するキラキラとした細かい音の粒子感が印象的で、中域には特に情報量がありつつ音つぶれもない良質さで、中低域は最多コアによる束感の厚みがあり、低域では沈むキックのアタック感と応答性に優れています。
全体的にパワフルでナチュラルな響きで万能感があり、元が少芯数ワイヤーであるためか、圧巻のスピード感と定位描写が特徴的です。(ヴィンテージとして基本みているが故のギャップ感もあると思います)
ヴィンテージらしいツヤっぽさとコクがある音伸びの一方で、余韻系とは異なり明快な輪郭とアタック音がどこかモダンな気質も感じさせます。

ステージは縦・横にも広く余裕がある出音で、見通しも優れ聴き取りやすく、加えて一音に濃厚さもあり、充実度の高い仕上がりとなっています。
精確なリズミカルさと反応速度は、まるで時間を早回ししているかの様な体感を味わえます。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:79,800円


Vintage No.011「CALIENTE」

from “1910-40 Alambre de cobre esmaltado fabricación alemana” × “1950's REA wire”

■CALIENTE(カリエンテ)

本作では、初出しとなるヴィンテージワイヤーを二種類使用しています。
一つは超・極細で0.07mmの「esmaltado fabricación alemana」という、ドイツでエナメル中継加工がされた、ただでさえ手に入らないヴィンテージアルゼンチンワイヤーでもさらに特殊な工程の線材を使用しています。推定1910〜40年代もの。
もう一つには、1950年代のこれまた大変貴重なREA社の36AWGエナメルワイヤーを使用した、ヴィンテージエナメル線同士のハイブリッドカスタム作品になります。

REA MAGNET wire company.inc
アメリカはフォートウェインにて1933年に設立されたワイヤー会社。同時期のワイヤーメーカーであるDudloが工場移転の前に、当時のDudloマネージャーだったビクターレア氏が辞任し、 元Dudloの数名の従業員とともに設立したのがこのレアマグネットワイヤーになります。同社は大手メーカーであるジェファーソンエレクトリック社からの注文を受け軌道に乗り、急速に成長しました。
今回のワイヤーはアメリカにおけるエナメル絶縁ワイヤーの繁栄時代、ビクターレア氏が亡くなる前に製造された1950年代の貴重なワイヤーになります。
なおDudloワイヤーについては、No.008をご参照下さい。

■CALIENTEのサウンド
的確さと独特な中域表現と
枯れた質感が時代を遡らせるアナログライクサウンド

余韻系というよりは後に引かない先にくるような芳醇さがあり、楽曲の時代を遡るほどに本領を発揮するようなタイプになります。
高域はシルキーで優しく耳あたりの良い質感で、中域はヴィンテージらしい枯れ感のあるギターの倍音と、近接的でかつ包み込むようなボーカルと艶っぽさのあるピアノ・ストリングスが特徴的です。中低域はややコシ高のベースラインがうねるようなグルーヴ感を伴います。

まろやかな音輪郭でありながらアタック感の精度が的確で、どこか冷静な雰囲気をも感じさせるアナログライクな仕上がりとなっています。
ジャンル的にはジャズやロック、プログレ、ブルース、カントリーなど相性が良く、それが過去の楽曲であればあるほどより芳醇さを増すような、それでいて熱量もある独特な味わいをお楽しみ頂ける風合いです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:56,800円


Vintage No.012「BLACKBURN」

from “1920-30 HUDSON wire” × “1948 LENZ wire”

■BLACKBURN(ブラックバーン)

本作では、二種類のヴィンテージワイヤーを使用しています。
一つは弊社オンラインショップでも切売り販売を行なっている大人気ヴィンテージワイヤー「ブラックエナメル LITZ 42AWG×7芯 シルク絶縁 1920-30 HUDSON WIRE 」
もう一つは、数多く存在する米国ヴィンテージワイヤーメーカーの中でも、BELDEN社と並びオーディオ向けに特化したワイヤーを製作し続けた稀なメーカー「LENZ(レンツ)」。
そのLENZワイヤーは圧倒的な高音質がウリで、今でも大人気で数も少ない為、そのワイヤーの価値はWestern Electric、BELDENを遥かに凌ぎます。
詳細はNo.002を参照。

■BLACKBURNのサウンド
クリアなねばり腰感が病み付きになる
極上のアメリカ西海岸ヴィンテージサウンド

アメリカの、極めて良質なウエストコーストサウンドをご堪能頂けるような振り切った作品です。
高域は透明感とキレ感に優れ、カラッとしつつも伸びの良い金物音が特徴的な質感となっています。中域は近越的なボーカルと、荒野感のあるドライなギター音が、力強いアタック感と相まってリアリティな音像を表現します。
中低域はタイト目でかつねばり腰なベースラインと、低域の力強いキックのボトムによって深みのあるグルーヴ感もたらし、抜群の中毒性を生み出しています。さらに例えるなら"Stoned re:cable"。

ワイドレンジでピント感もあり、分離感や音の粒立ちにも優れているため、とっ散らかりのない濃厚さを持ち合わせた仕上がりとなっています。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:79,800円


Vintage No.013「LÖWENTIER」

from “1956 LEONISCHE DRAHTWERKE A.G. NURNBERG wire”

■LÖWENTIER(ローウェンティア)

LEONISCHE DRAHTWERKE A.G. NURNBERG
現代でもヨーロッパのBELDENと云われるほどの高品質で且つ、自動車、エレクトロニクス、航空宇宙と多岐用途に渡ってケーブル道一筋を貫く創業100年以上の老舗「LEONI(レオニー)」の2番目の前身名(1931〜1999)になります。戦前から戦後のドイツヴィンテージオーディオ&シネマ界の皇帝と謳われた「KLANGFILM(SIEMENS)」の数種ある指定ケーブルの中でも最も信頼が厚いとされています。

本作で使用しているワイヤーは、「LEONISCHE DRAHTWERKE A.G. NURNBERG」時代となる1956年製造のもので、シルク絶縁0.07mm ×3芯という超極細のヴィンテージワイヤーを一接点につき3本ずつ使用し、トータル12core仕様(片側6本)という、非常に贅沢な特別モデルになります。

■LÖWENTIERのサウンド
うっとりするほどの表現力と没入感を持つ
超高品質ジャーマン・ミッドレンジサウンド

当シリーズでも上位クラスと言える、ジャーマンスピリットが宿る高水準サウンドとなっています。
柔らかくも伸びていく滑らかな高域は金物音やストリングスのディティールまでしっかり拾い上げていき、本作が持つ情報量の多さを物語っています。
中域はドイツらしい厚みと倍音感がとにかく気持ちよく、またボーカルの色気とリバーブ感が、まるで浸れる世界観を構築しているかのようで圧巻です。低域もグルーヴィで厚みがあり、ボトムエンドまでしっかりと鳴らし切るパワー感が説得力を生んでいます。

基本的にはジャンルを問わない万能的な仕上がりですが、エモーショナルなボーカル楽曲でよりその真価を発揮します。ハートに響き渡る、絶品の空間表現です。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:119,800円


Vintage No.014「Un'antica」

from "Vintage PIRELLI wire” × "1920〜30's ALAMBRICA"

■Un'antica(ウン・アンティーカ)| 完全終売品

PIRELLI
ピレリ(Pirelli & C.)は、イタリア・ミラノに本社を置き、タイヤ・フィルターなどを主に製造する世界的大企業で、過去には電線、通信用ケーブルも製造していたメーカーです。1872年に創業し、1879年にPirelliケーブル&システムを設立。1914年にはゼネラル・エレクトリック社との提携により、イギリスのサザンプトンに工場を持つ「Pirelli General Cable Work Ltd.」が設立されました。

本作は、まさにイギリス産「Pirelli General Cable Work Ltd.」のワイヤーで、二重コットン巻きの無メッキ仕様の、当時ではかなり高品質の銅材を使用していたものになります。

■Un'anticaのサウンド
自分だけの空間を作り出し陶酔する

魔性のアコースティックサウンド

まるで小部屋に入れられたかのような、自分だけの空間を作り出すサウンドスケープ。
生々しくもドライな楽器音が、アコースティックの楽曲で特に真価を発揮する仕上がりとなっています。

高域はまろやかで優しさがある中に、枯れたような質感が味わい深いヴィンテージの雰囲気を醸し出しています。
中域は近接的で、かつボーカルやギター音の端々から渋み・哀愁を感じさせるようなドリーミーさがあります。
低域ではローに沈み込むよりも前にボンッと出てくるような印象で、ベースラインとバスドラムのコンビネーションがよく馴染みます。

現代よりもやはり少し前の時代の楽曲と非常に相性が良いですが、音の立ちとパワー感にも優れているため、ジャンルは幅広くお楽しみ頂けます。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:86,800円


Vintage No.015「WINSTED」

from “1920-30 HUDSON wire”

■WINSTED(ウィンステッド)

ブラックエナメル LITZ 42AWG×7芯 シルク絶縁 1920-30 HUDSON WIRE
弊社のオンラインショップで切売りで販売を行なっている米国HUDSON社の激レアなヴィンテージワイヤーは、これまでに当シリーズでも何度か登場して参りましたが、本作は使用したワイヤーの全てがこのヴィンテージHUDSONという、贅沢な仕様のカスタムリケーブルになります。
Total 12core, 84strand

■WINSTEDのサウンド
旨味ある倍音成分と、グルーヴの一体感が生んだ
ザ・アメリカンヴィンテージサウンド

直立するかのような美しい音像感で、分厚いギターの中音と柔らかくも弾むベースラインが魅力的な、まさに「アメリカンヴィンテージの教科書」的なサウンドキャラクターとなっています。

中高域から高域にかけてはウェットで滑らかな質感で、高域の金物音はドライであっさりした響きで、フットワークが軽快なイメージです。
中域はドライさが基本にありつつも、一部に水気を含んだような潤いのある倍音感が独特で、中高音ギターのクリアでツヤ感に優れたテイストが旨味を引き立たせています。
低域はバスドラムのキック感がソリッドでかつ綺麗に沈み込むようで、中低域のファットで波のようなベースラインが一体感のあるグルーヴと熱量を生み出します。

およそジャンルを選ばない使い勝手の良さがありますが、どちらかと言えば洋楽をメインでお聴き頂くとより雰囲気を味わえる仕上がりです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:69,000円


Vintage No.016「COALITION」

from "Vintage Anaconda wire" × "1920〜30's ALAMBRICA" × "Algodón rollo de alambre de cobre" × "20-30's C.W.STURZ&CIA wire" × "1956 LEONISCHE DRAHTWERKE A.G. NURNBERG wire"

■COALITION(コーリション)| 完全終売品

シリーズ過去最多となる“5種類”ものヴィンテージワイヤーを使い特別製作を行なった、まさに「Coalition=連立」したヴィンテージワイヤーブレンドケーブルになります。

1964's Anaconda Black enamel wire 38AWG
アメリカの有名なエナメルマグネットワイヤーカンパニー。 今回はミシガン州はマスキーゴンの工場で製造された1964年代のシルク絶縁のブラックエナメル品。

1956's LEONISCHE DRAHTWERKE A.G. NURNBERG
現代でもヨーロッパのBELDENと云われるほどの高品質で且つ、自動車、エレクトロニクス、 航空宇宙と多岐にわたる老舗のケーブルメーカーLEONI。その前身となる会社よりドイツのレアなヴィンテージシルクリッツワイヤー。

CWS20-30's C.W.STURZ&CIA Arambre cobre esmaltado
アルゼンチンの会社「C.W.STURZ&CIA」より発売されていた20~30年代の美しいエナメルワイヤー。スプールには「MADE IN GERMANY」の刻印がされたドイツ産のレアな逸品。

1910~20's Algodón rollo de alambre de cobre 32AWG
1920〜30's ALAMBRICA 32AWG
弊社オンラインショップでワイヤー切売り販売を行なっている超激レアなアルゼンチンワイヤー2種。

Hot側:Anaconda wire ×2 solid core / LEONISCHE 3 strand ×2 / 20-30's C.W.STURZ&CIA solid core ×2
Cold側:Algodón rollo de alambre de cobre solid core ×2 / ALAMBRICA solid core ×2
Total 20core, 28strand

■COALITIONのサウンド
水の中に沈んでいくような没入感をもつ
魔性の音楽的サウンド

聴く者を、内なる世界へじわじわと引き込んでいくかのような魔力を秘めたサウンドキャラクターです。

高域はキレ感に優れ、乾きつつも煌びやかな音色で、金物音の響きとスピードレスポンスの良さが心地良い印象です。
中域は逆にウェットで、ボーカルの残響感とスネア音の抜け感が力強くもまろやかさがあります。もっと描写的に例えるなら、水中に沈んでいくような感覚です。
中低域はベースラインが少し上目の位置感で全体を引っ張りながらも主張はし過ぎないバランスさで、低域はローエンドに達した際のインパクト感が特徴的です。

くっきりとした音輪郭で、位相特性に優れたスピード感が基本にありながらも、まるで磨りガラスのようなアナログ的質感があり、浸れる世界観と高揚感があります。特に轟音系のロック楽曲との相性が抜群です。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:65,000円


Vintage No.017「INCADIA」

from "1929〜1931 INCA MANUFACTURING CORPORATION wire"

■INCADIA(インカディア)

INCA MANUFACTURING CORPORATION
米国はインディアナ州フォートウェインにて1929年に設立されたワイヤーメーカー。
創設者はNo.008でご紹介させて頂いたことがあるマグネットエナメルワイヤーのパイオニア「DudloManufacturing」のジョージ・ジェイコブス氏です。
そしてこの「Inca Manufacturing」ですが・・なんと1929年〜1931年のたった2年間しか存在していません。
但しそこで歴史が完全に途絶えたという訳ではなく、当時における世界最大級の銅メーカーで後年「REA Magnet wire company」も買収するPhelps Dodge社(現在はFreeport-McMoRan社)に売却したことで、ワイヤー事業は現在にも引き継がれているかと思われます。

本作で使用したワイヤーは、まさにその僅か2年間でしか製造されなかった激レア中の激レアな代物で、ヴィンテージ感がありつつも比較的状態の良いシルク巻に加え、 現在ではRoHSにより製造不可となっているブラックエナメルで絶縁された、超貴重な1929〜31年 “INCA” wire シルク巻ブラックエナメル単線になります。
細身である34AWG(推定)のワイヤーを1接点につき2本使用し、トータル8コアの編込み仕様。

■INCADIAのサウンド
メランコリックな情景と色気あるグルーヴを放つ
珠玉の"洋館的サウンド"

一聴してすぐさまイメージしたのは、ワックスを塗りピカピカになった気品溢れる古き良き洋館のフローリング。
長い年月が経過しても丹念に手入れがされてきた洋館だけが持ち合わせる品位、質感と世界観がこのケーブルのサウンドからまず浮かび上がりました。

美しく伸び立ち且つ痛くならない高域表現に、明瞭度がありながらもまるでテープエコーのようなアナログ感がある中高域。中低域はファットでねばり腰のあるグルーヴ感が色気を放ち、水の底に沈み込むような低域が印象的です。何十年も寝かせたウイスキーのような芳醇さと、明るくも哀愁漂う音像は、そこに浸り続けたいパワーを秘めています。

音の視界はあくまで良好で、位相特性にも優れており、芳醇さと雰囲気だけではない説得力があります。
旨味が豊富なギターの倍音感や、温かくも明瞭的なボーカル、聴き応え十分なドラム音の打感など、純粋音質としても極めて高い水準を誇ります。
(これにはブラックエナメル単線由来の上質さが要因として大きいです)

ドライ&ウェットを絶妙なバランスで両立させており、メランコリックな音の情景に誘ってくれます。
ウォームな音色で丸みのある輪郭にもかかわらず一音のパンチがしっかりしていて、極めて質の高いヴィンテージサウンドの仕上がりです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:119,800円


Vintage No.018「Raven Coal」

from "Vintage BELDEN Black enamel wire" × "1950's REA Enamel wire"

■Raven Coal(レイヴンコール)| 完全終売品

本作で使用したワイヤーについて、まず一つはヴィンテージBELDEN社のBlack enamel 22AWG wireという、現在ではRoHSにより製造不可となっている極太のブラックエナメルワイヤーを使用。
もう一つには、1950年代のこれまた大変貴重な「REA社」の36AWGエナメルワイヤーを使用した、ヴィンテージエナメル線同士によるブレンドカスタムリケーブルになります。
REAワイヤーについては、No.011をご参照下さい。

BELDENワイヤーを1接点につき2本使用し、もう片側にはREA社の細身ワイヤーを2本使用した、トータル8コアの編込み仕様。

Hot側:Belden Black enamel 22AWG wire ×2 solid core
Cold側:REA 36 AWG ×2 solid core
Total 8core, 8strand

BELDEN Black enamel wireが生み出すサウンドはハイエンドケーブルにも匹敵する大変上質なものですが、22AWGという極太エナメル単線が故に取り回し・使い勝手は非常に悪いため(おそらく皆さんが想像する5倍は硬いです)、完全なる音質全振りという部分を考慮した価格となっています。

■Raven Coalのサウンド
まるで音の良いライブ会場に居るような臨場感とエネルギー

気持ち良いまでの爆音エモーショナル

ヴィンテージらしいサウンドと言うよりも、良質なヴィンテージ線材とその性質を活かし、最大限にまで引き上げた超高音質サウンド。
高域は美しくかなりシルキーで、ツヤ感がありウェットな質感です。金物系ではハイハット音の消え方やシンバル音の伸びが著しく、残響とキレ感のバランスに優れています。
中高域は澄み渡るような高音ギターの表情が豊かに抜けていき、美麗に描写します。中域は前に出ても引っ込んでもおらずナチュラルクリアで、音の伸びと分離感、厚みも文句なしの優等生ぶりです。
中低域〜低域にかけては硬質なグルーヴ感で、ベースラインとバスドラムのキック音が深く沈みつつも、ダブつかず明瞭感に優れ、締まりとキレのあるボトムの芯を感じることができます。

圧倒的に優れた位相特性によって、クリアでスピード感のあるドライブサウンドで、全体のバランス感も良く迫力満点の仕上がりとなっています。
また抜群のエモーショナルさで、特にライブ・コンサート音源などでは最高クラスのパフォーマンスを発揮いたします。
取り回し・使い勝手を捨てた代償は確実に得ているのです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:46,000円


Vintage No.019「RENACIMIENTO」

from "1920〜30's ALAMBRICA" × "1920-30 HUDSON wire"

■RENACIMIENTO(レナシミエント)

本作で使用したワイヤーについて、まず一つは弊社オンラインショップでワイヤー切売り販売を行なっている超激レアなアルゼンチンワイヤーの一つ「1920〜30's ALAMBRICA 32AWG」。
もう一つにはこれまた同じく弊社のオンラインショップでワイヤー切売り販売を行なっている米国HUDSON社のヴィンテージワイヤー「1920-30 HUDSON wire」を、それぞれ使って特別製作を行ったカスタムリケーブルになります。

細身であるALAMBRICAワイヤーを1接点につき2本使用し、もう片側に超細身なHUDSONのブラックエナメルワイヤーを各1接点に二本ずつ使用した、トータル8コアの編込み仕様。
Hot側:1920〜30's ALAMBRICA 32AWG ×2 solid core
Cold側:1920-30 HUDSON wire 42AWG*7 wire ×2
Total 8core, 32strand

■RENACIMIENTOのサウンド
冷静に挟まれた情熱さ
余韻感よりも潔さが印象的なモダンライクサウンド

熱量と密度感を持たせた中心部に、クールでドライめな上下層をサンドしているようなイメージ描写。
高域はキレ感がありつつも繊細表現に優れ、滑らかな伸びが涼やかでもあり心地良く響きます。
中高域〜中域〜中低域はウォームな音色にエネルギッシュな高密度さで、力強いボーカルとそこに接近するファットでコシ高なベースライン、そしてクリアに跳ねるようなスネア音が特徴的です。
低域はダイレクトなキック音がまっすぐにストンと締まり、中域周辺の帯域とは温度差を感じさせるような、タイトで冷静的な音像表現です。

下地となる質感はドライウォームで、どこか換気感があります。
音風の逃がしと若干の水分も含んでいるため、情熱的がありながらも爽やかさも持ち合わせたサウンドキャラクターです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:61,000円


Vintage No.020「GRÜNEWALD」

from "1930's Corwico Green silk wire" × "1948 LENZ wire"

■GRÜNEWALD(グリューネヴァルド)

本作で使用したワイヤーについて、まずは激レアともいえるヴィンテージのグリーンシルクワイヤー「1930's Corwico Green silk wire」。
特にこのグリーンシルクに含有されているコバルトが音質に良い影響を及ぼすとコレクター中では珍重されている、知る人ぞ知る逸品素材です。
もう一つは、数多く存在する米国ヴィンテージワイヤーメーカーの中でも、BELDEN社と並びオーディオ向けに特化したワイヤーを製作し続けた稀なメーカー「LENZ(レンツ)」。
そのLENZワイヤーは圧倒的な高音質がウリで、今でも大人気で数も少ない為、そのワイヤーの価値はWestern Electric、BELDENを遥かに凌ぎます。
詳細はNo.002を参照。

大変貴重なグリーンシルク絶縁のCorwicoワイヤーとLENZワイヤーを1 : 1でツイストしたものと、LENZ同士をツイストしたものとで特別製作を行ったものになります。
1接点に2本ずつ、Corwicoワイヤーを2本、そしてLENZワイヤーを6本使ったトータル8コアの編込み仕様。

Hot側:Corwico green silk wire ×1 solidcore / LENZ wire ×1
Cold側:LENZ wire ×2
Total 8core, 8strand

Cornish Wire Company(Corwico)
コーニッシュ・ワイヤー社「コーウィコ」は、もともと電線や配線製品の米国メーカー。
実はあまり当時の情報がなく、他事業ではCorwicoの磁器やガラス製品がありますが、おそらく他社が作ったもので彼らの代わりにプライベートラベルを貼ったものであったと推察されています。
コーウィコ社は、布地絶縁電線のほか、屋外アンテナ用、変圧器巻線用などのニス絶縁電線も販売した記述も残っています。

■GRÜNEWALDのサウンド
パワフルさの中に独特の憂い成分を含んだ

オレンジブラウンカラーのアメリカンヴィンテージ

LENZ色が濃く反映されたアメリカン・ヴィンテージさを基本としつつも、夕景を彷彿とさせるウォームな音色で、それはまるで「美しい波打ち際のサンセットに見惚れてしまう」ような情景がイメージとして浮かび上がります。

高域は粒立ち良くも刺さらずまろやかで、金物音は美しくスプラッシュし、ピアノ高音部の旋律は叙情的な響きをしています。
中高域では澄んだ抜け感による美しい倍音が特徴的で、ギターソロやハイフレットの旨味を引き出してくれます。
中域は音の伸びに優れ、シルキーでリアリティのあるボーカルが力強く、ギターのローフレットもより前に出てくる印象があり心地良いドライブ感があります。
中低域もパワフルで、下目な位置感のドライなベースラインと、粘りのある生々しいドラム音がファットなグルーヴ感を生み出しています。

程よい温もりと哀愁を帯びたヴィンテージサウンドの仕上がりです。
ハードめなアメリカンロック系にもとても合いますが、特にブラックミュージックなど太く強いビートの楽曲で本領を発揮します。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:67,000円


Vintage No.021「WILDERNESS」

from "1950's Western Electric wire" × "1920-30 HUDSON wire"

■WILDERNESS(ワイルダネス)

本作で使用したワイヤーについて、まず一つはWestern Electricワイヤーの純正品1950年代モノで、その中でも珍しく美しい「1950's WE Orange gold enamel 24AWG wire」。
Western Electric (ウェスタンエレクトリック)は、アメリカ合衆国のかつて存在した電機機器開発・製造企業。1881年から1995年までAT&Tの製造部門として存在しました。数々の技術的発明や、産業の管理手法の開発で知られ、近年だと300Bの復刻で話題になりましたが、オーディオ界隈では知らない人はいないでしょう。
そしてもう一つは、米国HUDSON社の激レアヴィンテージワイヤー「1920-30 HUDSON wire」。

上記ワイヤーを贅沢に2本ツイストし、片側にはさらにHUDSON wireを2本ツイストし、それぞれ各接点に2本使用したトータル8コア仕様。

Hot側:Western Electric Orange gold enamel 24AWG wire ×2 solid core
Cold側:1920-30 HUDSON wire 42AWG*7 wire ×2
Total 8core, 32strand

■WILDERNESSのサウンド
螺旋階段を降りていくような縦の立体感と
リッチに広がるラウンジ的な低音表現のハイクラス・ヴィンテージ

全体に漂う艶やかな質感にWE然とした品格を感じさせ、どこかラウンジ的でもある優しい音のまとまりがハイまで伸びていくようです。
定位描写に優れ、その質感と相まって「滑らかさとピント感の共存」を巧みに表現する仕上がりとなっています。

高域はパワフルめでしっかりと伸びつつもツヤのある、まろやかなエッジ感が金物音の美しさを引き立たせています。
中高域はシャープ過ぎない音輪郭が心地良いスネアやハイハット、ハイフレットのギター音を表現します。
中域では濃厚かつ芳醇な倍音成分が旨味たっぷりで、歪みからクリーン、アコースティックまで力強く多彩に表現するギター音と、ウォームで程よくクリアなボーカルが伸びていきます。
中低域も芳醇で、低い重心で且つクリアなベースラインが味わい深いコクをもたらします。
低域のローエンドは重くも主張はそこまでせすに調和的です。

重低音を得意としながら繊細な音も出やすく、見通しに優れ芳醇さも兼ね備えた、ワンランク上のヴィンテージサウンドです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:73,000円


Vintage No.022「NORTHADAM」

from "Vintage BELDEN Black enamel wire" × "Vintage Corwico Black enamel wire" × "Floating Sheep wire"

■NORTHADAM(ノースアダム)| 完全終売品

本作では、三種のブレンドワイヤーからなる構成で開発いたしました。
ヴィンテージBELDENより「BELDEN 32AWG black enamel」と、Corwicoのこれまた貴重なヴィンテージブラックエナメルワイヤー「Corwico 32AWG black enamel」をツイスト。
Corwicoについては、 No.020をご参照下さい。
そして決め手として、ヴィンテージジャーマンの至宝「Floating sheep wire」を使用。

1接点につきCorwicoとBeldenを1本ずつ使用し、片側には「Floating sheep wire」を贅沢に2本ずつ使用したトータル8コア(64芯)の編込み仕様。

Hot側:Belden black enamel wire ×1 solid core / Corwico black enamel wire solid core ×1
Cold側:Legendary German wire Floating sheep ×2
Total 8core, 64strand

■NORTHADAMのサウンド
格好良いヴィンテージサウンドを追求・体現したかのような
説得力に満ちた、ノージャンルの匠な一振り

音色はクールで、3D的な立体感があり、圧倒的な情報量の中に弊社ヴィンテージカスタムのトップクラスモデルに度々見られる「枯れ感」が混ざっていて、その先にある“キュッ”とした質感が聴くもののハートを掴みます。

高域はハキハキ系で、金物音など力強くも後味は軽快に抜けていきます。
中高域〜中低域にかけてはワイドレンジに優れ、非常に粒が立っているギター音が立体的で且つ渇望的で、太くも柔らかさを感じさせるベースラインがヴィンテージ然としたグルーヴを確保しています。スネアやタム、バスドラム音などはタイトにしなり、洗練されたようなアタック音が心地良いです。
そしてボーカル帯域はシルキーリッチな明瞭度を持ち、ここだけまるで何者にも穢されていない聖域のような「白い」イメージが浮かび上がります。

一体感がありつつ各音の位置感および把握性に大変優れ、まさに「分解能に優れる」音像感です。数多の細い線同士が結束されたような多芯構造らしいパワー感で、一つ一つの凄まじい音立ちと共に荒涼の世界に引き摺り込んでいきます(突き放す感じではないです)。
追随性にも大変優れ、細かい音を一切逃さずにそれらを立たせることにも長けています。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:88,000円


Vintage No.023「FORMEXION」

from "1920〜30's ALAMBRICA" × "1940's General Electric Formex magnet wire" × "Hidden Sheep wire"

■FORMEXION(フォルメクシオン)| 完全終売品

本作で使用したワイヤーについて、+側には「40's Formex magnet wire」を二本ツイストを行ったものを採用。
-側には弊社のSheepシリーズより“Little Sieve Sheep”の異名を持つ「Hidden Sheep wire」と、 弊社のオンラインショップでワイヤー切売り販売を行なっている超激レアなアルゼンチンワイヤーの一つ「1920〜30's ALAMBRICA 32AWG」をツイストしたものを、それぞれ使って特別製作を行ったカスタムリケーブルになります。
細身であるFormex magnet wireを1接点につき2本使用し、もう片側には細身なHidden SheepとALAMBRICAワイヤーを各1接点に使用したトータル8コアの編込み仕様。

General electric(40's Formex magnet wire)
General Electric Company,(略称GE)はアメリカ合衆国を主な拠点とし、 今や世界最大規模のアメリカ合衆国の総合電機メーカー、電気事業ルーツとする多国籍コングロマリット企業です。
その歴史は古く、あの有名な発明王トーマス・エジソンが設立した1878年のエジソン電気照明会社が発祥となっています。
1889年には吸収されエジソン・ゼネラルエレクトリックカンパニーとなり、1892年にはトムソン・ヒューストン・エレクトリックと合併しゼネラル・エレクトリックが誕生します。その、1940年代頃に生み出されたのがこの「40's Formex magnet wire」です。
当時の絹や他のカバーである絶縁体を排除した、高い溶剤耐性に加え、ワニス処理を簡略化できるという宣伝と共に登場し当時の電気機械産業を支えました。

General Electric Formex magnet wire32AWG ×2
Hidden sheep 0.07mm × 40strand ×1
Alambrica 32 AWG ×1

■FORMEXIONのサウンド
成熟した感性と洗練された芳醇さ
感傷系のヴィンテージ・セピアサウンド

色彩豊かというよりは、完全にセピア調の世界観で
まるでウイスキーが注がれたロックグラスを煽りながら、過去を懐かしむような、優しくも少しだけ切ないサウンドスケープ。

高域は艶やかで且つシルキーな質感が情緒感たっぷりで、ピアノの美しくも儚い響きがあります。
中高域は当シリーズ上位クラスが持つ特有の「枯れ感」あるドライなニュアンスで、そこから湧くような旨味あるギターの倍音成分が特徴的です。
逆に中域はしっとりしており、ほんのり水気を含んだ粘りのあるボーカルが色気を醸し出しています。
低域でのバスドラムがタイトに引き締めつつ、中低域は広くウォームなベースラインが全体を優しく包み込みます。

音像視点は俯瞰的でありながら、そこにずっと留まり見守り続けたくなるような心地良い音楽的な空間です。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type オーロラアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:88,000円


Vintage No.024「ILINIWEK」

from "1940's BELDEN wire" × "1948 LENZ wire"

■ILINIWEK(イリニウェク)| 完全終売品

本作で使用したワイヤーは+、−側に最初で最後の登場となる「BELDEN 1940年代のヴィンテージワイヤー(単線)」と、ヴィンテージ線では大変珍しい構造の逸品「1948 LENZ wire 」を1 : 1でツイストし、1接点につき1本採用したトータル8コアの編込み仕様のカスタムリケーブルになります。LENZについては No.002をご参照下さい。
因みにBELDEN、LENZともにルーツの地が「イリノイ州」ということで、その名前の由来の一説である"iliniwek"から名付けています。

BELDEN
1902年にJoseph C. Belden によりイリノイ州シカゴにて創業された、ケーブル界では知らない人は恐らくいないであろう老舗メーカー。オーディオのみならず様々な幅広い分野からその極めて高い信頼性、耐障害性、過酷な環境下の可用性を持つケーブルを提供しています。

BELDEN 1940 wire about 32AWG ×4
LENZ 1948 wire 22AWG ×4

■ILINIWEKのサウンド
熱狂の60〜70'sを再現するような世界観
酒をあおりながら浸りたくなるムードの音楽的サウンド

全体的にドライさがある中で、ツヤっぽさと滑らかさもしっかり出ており
雰囲気とバランス感に優れた王道的ヴィンテージサウンドとなっています。

高域はクリアではっきりしながらも先端が丸く心地よい金物音が聴こえます。
中高域は中域寄りに優れた抜け感とキレ感があり、スネア音に味のある広がり方があり、そしてギターソロ音の一粒一粒が降りかかるかのように響きます。
中域ではツヤ感がありつつもビターで哀愁を感じさせるボーカルが、舞台が暗転してスポットライトに当たりながらフロントに出てくるようなイメージが浮かんできます。
中低域はコシ感と締まりのあるベースラインが丸みを帯びたグルーヴ感を生み出し、低域はバスドラムのリバーブ表現が綺麗かつタイトに響きます。

音場が広くホール感もありながら、全体の統一されたセピア調フィルターな音色感とドライなバランスさが程よく年代的で、味わい深いムーディな仕上がりです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格: 64,000円


Vintage No.025「Elisha Enos」

from "1950's Western Electric wire" × "Hidden Sheep wire"

■Elisha Enos(エリシャ・イノス)

本作で使用したワイヤーについて、まず一つはWestern Electricワイヤーの純正品1950年代モノで、その中でも珍しく美しい単線「1950's WE Orange gold enamel 24AWG wire」を使用しています。
Western Electric (ウェスタンエレクトリック)は、アメリカ合衆国のかつて存在した電機機器開発・製造企業。1881年から1995年までAT&Tの製造部門として存在しました。数々の技術的発明や、産業の管理手法の開発で知られ、近年だと300Bの復刻で話題になりましたが、オーディオ界隈では知らない人はいないでしょう。

そしてもう一つは、1本につき1巻40芯で1芯あたり0.07mmで、銅線には50年代当時「金よりも価値のある銅線材」ことスロヴァキア銅線材が使われ二重シルクが施された、極めて貴重なリッツ構造のシルク巻きワイヤー“Little Sieve Sheep”こと「Hidden Sheep」を使用しました。
これらの良質ヴィンテージワイヤーを贅沢に2本ずつツイストし、それぞれ各接点に2本使用したトータル8コア仕様。

Hot側:Western Electric Orange gold enamel 24AWG wire ×2 solid core
Cold側:Hidden Sheep wire 0.07mm*40strand wire ×2
Total 8core, 164strand

■Elisha Enosのサウンド
格式高くも温もりと彩りを感じさせる世界観の
リッチでウェットさに富んだヴィンテージサウンド

アンバーカラーでコシのある芳醇な中低音が下地にあり、それは例えるなら「古き良き洋館に敷かれたペルシャ絨毯」のような音色感。
独特の"しなり"があるアタック音が質の高いヴィンテージフレーバーを薫らせながらも、解像度と定位感に優れた表現豊かな中音と、輪郭を出しつつ繊細でツヤ感のある高音が全体に色彩感をもたらします。

高域はくっきりとした輪郭でシャープさとキレ感に優れつつも、エッジは立ち過ぎず繊細さも持ち合わせているためバランスが良く、ツヤ感のある金物音やピアノの高音等を刺さらず綺麗に立たせています。
中高域は抜け感に優れたギターの高音が非常にブライトで、煌びやかで明瞭な弦の質感が特徴的で、アルペジオ等の奏法で特にその美しさを感じられます。
中域はツヤっぽくも近接的で力強く、豊かで且つ自然的であり、細部のニュアンスまで聞き取れるような解像度の高いボーカルやギターの中音、倍音成分が心地よい迫力さを表現します。
中低域はタイトでハリがありつつもコシがあり芳醇なベースラインが、下支えをしながら全体にとても馴染み、全体に深みを与えていて、理想的なオケといえそうなミッドローサウンドとなっています。また前途でも申し上げた、アタック音のピークの弾力のあるムチのようなしなり方が独特で、本作の味わい深さをより強めています。
低域は過剰さのないナチュラル感で、全体に馴染みながら広がりと奥行き感を見せています。

WE単線由来の明瞭感と中音の充実度、そしてHidden Sheep wireのウォームな解像度の高さが融合し、これまでの高い完成度を誇ったヴィンテージカスタム作品と立ち並びつつも風合いの異なった一振りに仕上がりました。
色褪せることのない輝きを放つ悠久のサウンドとなっています。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格: 87,000円


Vintage No.026「Sherry cäsk」

from "1930-40's General Electric wire" × "1956 LEONISCHE DRAHTWERKE A.G. NURNBERG wire"

■Sherry cäsk(シェリーカスク)

1940's General Electric solid core wire General Electric
General Electric Company,(略称GE)はアメリカ合衆国を主な拠点とし、今や世界最大規模のアメリカ合衆国の総合電機メーカー、電気事業ルーツとする多国籍コングロマリット企業です。その歴史は古く、あの有名な発明王トーマス・エジソンが設立した1878年のエジソン電気照明会社が発祥となっています。1889年には吸収されエジソン・ゼネラルエレクトリックカンパニーとなり、1892年にはトムソン・ヒューストン・エレクトリックと合併しゼネラル・エレクトリックが誕生します。

本作の一つには、そのGE社の希少な1930〜40年代に生産された「ダークローズカラー」の美しいエナメル絶縁が施されたワイヤー(単線)を使用しています。

LEONISCHE DRAHTWERKE A.G. NURNBERG
現代でもヨーロッパのBELDENと云われるほどの高品質で且つ、自動車、エレクトロニクス、航空宇宙と 多岐分野に渡ってケーブル道一筋を貫く創業100年以上の老舗「LEONI(レオニー)」の2番目の前身名(1931~1999)になります。 戦前から戦後のドイツヴィンテージオーディオ&シネマ界の皇帝と謳われた「KLANGFILM(SIEMENS)」の数種ある指定ケーブルの中でも最も信頼が厚いとされています。

そしてもう一つには、LEONISCHE1956年製造のシルク絶縁0.07mm×3芯という超極細のヴィンテージワイヤーを−側の一接点につき2本ずつ使用しています。

Hot側:30's-40's General Electric solid core wire
Cold側:LEONISCHE 3 strand ×2
Total 6core, 14strand

■Sherry cäskのサウンド
中高域にフォーカスを当てた
チューブライクサウンド

まず単線の良さがかなり出ており、スッキリした音輪郭に優れたピント描写と抜け感の「縦サウンド」が本作の基盤となっています。
音像表現が中心よりもやや上目で降ってくるようなイメージで各音が見えやすく、気持ち良くもリッチでタイトなギター音と倍音感に、真空管ライクのウォームな中音、ボーカルやハーモニクスに焦点を当てたような仕上がりです。

高域では金物音のスピードレスポンスに優れ、濁りがなくクリアでいて耳辺りの良いシルキーな質感です。
中高域は連続的で美しいリバーブ効果と溶けていくような音の余韻が特徴的で、ギターソロやハイポジションにおけるチョーキングの加減まで伝わるような熱量感があり、各楽器のハーモニクスの倍音感などでも旨味成分が感じられます。
中域にはまるで往年の豊かさを象徴するかのような温かみのある芳醇さとジューシーな倍音感で、ツヤっぽさのあるエネルギッシュなボーカルとコーラスが特徴的です。
中低域は音馴染みの良いベースラインが楽曲を陰ながら支え、低域の沈み込みとインパクト感あるバスドラムが良いアクセントになっています。

中低音がかなりあっさりしており(出ていないという訳ではなく、黒子に徹しているようなイメージ)ヴィンテージカスタムシリーズとしては珍しい明瞭的な中高音フォーカスと、肌に馴染み優しく包み込むような往年感のある中音が魅力的な一振りとなっています。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格: 67,000円


Vintage No.027「Lanx Borealis」

from "1977’s Green silk litz wire" × "Hidden sheep wire" × "1920〜30 HUDSON wire"

■Lanx Borealis(ランクス・ボレアリス)

1977’s Green silk litz wire
情報は一部シークレットとさせて頂きますが、イリノイ州シカゴを拠点とする某ブランドのヴィンテージワイヤーになります。
理念として徹底的に品質に妥協をしないということを掲げ、多種多様な分野への供給、場合によってはオーダーメイドによる特殊なカスタムワイヤーも製作を行なっていた、実に半世紀以上も高い信頼を得続けているワイヤーブランドです。
さらにグリーンシルクは絶縁体の中でも音が相当に良いとされており、その成分となるコバルトがサウンドに良い影響を及ぼすとされています。この時代のものとは思えないくらいの素晴らしいトーンと、当時の銅質の良さが窺えます。

本作の一つには、そのグリーンシルク絶縁0.1mm×50芯のワイヤーを+側に使用しています。

そして−側には1本につき1巻40芯で1芯あたり0.07mmで、銅線には50年代当時「金よりも価値のある銅線材」ことスロヴァキア銅線材が使われ二重シルクが施された、極めて貴重なリッツ構造のシルク巻きワイヤー“Little Sieve Sheep”こと「Hidden Sheep」も本作の一つに使用しており、説得力をさらにワンランク引き上げています。

ブラックエナメル LITZ 42AWG×7芯 シルク絶縁 1920-30 HUDSON WIRE
さらにもう一つ、−側には弊社のオンラインショップでもワイヤー切売り販売を行なっている米国HUDSON社の激レアなヴィンテージワイヤーを使用しています。

これらの大変良質で希少価値の高いヴィンテージワイヤーを
計3種贅沢に使用したトータル8コア仕様で特別製作を行なっています。

Hot側:1977’s Green silk litz wire(50 strand)
Cold側:Hidden Sheep wire 0.07mm*40strand wire,HUDSON WIRE Black enamel 42 AWG*7 strand ×2
Total 8core, 194strand

■Lanx Borealisのサウンド
超良質の、ヴィンテージ・サウンドスケープ

一つ一つの音がかなり柔らかい中で酸味感もあり、それは例えるなら「ヴィンテージのボルドーワイン」のような熟成サウンド。
圧倒的に良質で3D的でもあり、何杯でも飲んでしまえるような魔力を持っています。

高域はキレ感の明瞭感のあるシルキーさで、粒立ちが良く伸びもあるのに驚くほどに耳に刺さらない柔らかな質感。
中高域は抜け感に優れ、その一音がエネルギーに溢れていて、音が飛来してくるかのようなイメージヴィジョンです。リードギター音の華やかさやアルペジオの艶めきさ、ストリングスの厚みや立体感にも優れています。
中域では濃くもヴィンテージの良質さが詰まっており、その情報量を丁寧に紐解くように、あらゆる楽器成分が彩るようにして出現してきます。情感の籠もったボーカルのツヤっぽさに、余韻の中フッと消えていくアンサンブルの一体感は見事といえる表現です。
中低域は優れたスピードレスポンスとコシ感のあるベースラインが迫り来るようで、かといって泥感やブーミーにはなっておらず説得力があります。ベース弦の振幅や弾くニュアンス、キレ感、音伸び、音粒の解像感も申し分なく絶品級の心地よさがあります。
そして低域ではバスドラムの量感と沈み込み、そしてスピード感にも優れしっかりとした描写力を保有しています。

耳当たりが柔らかくもシルキー、だけど損なわれない明瞭感と解像度。アナログライクなサウンドニュアンスがまとめ上げられています。
全体としてはウェットな質感ですが、例に漏れずハイエンドヴィンテージ特有の「枯れテイスト」が至る箇所に散りばめられており素晴らしいです。
サウンドフィールドも広大で開放的ですらあり、その中で豊富な情報量が微細な音までしっかり届けてきます。
叙情も感じさせる没入系でありながら、マッシブに迫るような臨場感がズルい仕上がりとなっています。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 銀ストレートメッキプラグ 純銅材 銀メッキCustom 2pin type ロゴアートワーク
税込特別販売価格: 97,000円


Vintage No.028「SWEETLIGHT」

from 1970's “Neu-klein” wire × from “1920-30 HUDSON wire”

■SWEETLIGHT(スウィートライト)

本作で使用したワイヤーについて、まず一つは弊社のオンラインショップで切売りで販売を行なっている米国HUDSON社の激レアなヴィンテージワイヤー「ブラックエナメル LITZ 42AWG×7芯 シルク絶縁 1920-30 HUDSON WIRE」になります。
これまでに当シリーズでも何度か登場して参りましたが、本作ではプラス側に2芯ツイストした状態で使用しています。

そしてもう一つは、同時期に数量限定製作を行なったヴィンテージカスタムケーブル「1970's "Neu-klein" re:cable -Type NATURAL-」のヴィンテージNEUMANNケーブルのワイヤーをマイナス側に使用いたしました。またPVC被膜のため、取り回しも比較的良好です。

世界最高のマイクブランド「NEUMANN」について
NEUMANN(ノイマン)は1928年より創業された、世界で初めてコンデンサー・マイクを量産化したドイツのメーカーです。また、現在までも主流となるコンデンサーマイクを使う際に電源供給として使用されるファンタム電源システムも開発し商品化した会社でもあります。他にもモニタースピーカー等のプロオーディオ機器も手掛け、最近ではブランド初となるヘッドホンも発売されています。

圧倒的なサウンドクオリティを誇るNEUMANNのマイクは、放送局やレコーディングなどのプロフェッショナルな用途で使用されるマイクを製造し続けており、最もリファレンシブであり、最も世界中から信頼され続けています。 その中でも、音楽史に名を残す数々のレコーディングに使用されてきた伝説的スタジオ・コンデンサー・マイクの全世界スタンダード真空管モデル1947年発表の「U47」、60年代発表の「U67」、そして80年代発表のトランジスタモデル「U87」をはじめ(その後、改良を重ね現在の型番はU87Aiとなっています)、厳しい条件のライブステージでの人間の声を最適に伝送するために開発されたコンデンサー・マイク「KMSシリーズ」など、長年にわたり世界中のミュージシャン、エンジニアに愛用され続けているプロ中のプロのマイクメーカーです。

これらの大変良質で希少価値の高いヴィンテージワイヤーを
計2種使用したトータル6コア仕様で特別製作を行なっています。

Hot側:1920-30 HUDSON wire 42AWG*7 wire ×4
Cold側:1970's "Neu-Klein" wire ×2
Total 6core, 30strand

■SWEETLIGHTのサウンド
薄暗いラウンジで酒を嗜んでいるかのような
「ムーディー・アンサンブル」

柔らかくウォームな音色で、押し出しとハリがありつつも枯れ木のようなアタックの質感で、一音の先端はとてもまろやか。
リスニングライクさに特化したような仕上がりで、ムード感の漂うヴィンテージ・ポップサウンドをお楽しみ頂けます。

高域は近接的でありながら軽やかな金物音が優しく広がって響き、時代感のある雰囲気と聴きやすさが表現されています。
中高域はサイドギターまではっきりと聴こえてくる明瞭さがあり、リードギターも含めその一音はまさにヴィンテージギターといった芳醇さになっています。爽やかさもあります。
中域は広めで、艶っぽさと熱量を帯びたボーカルとギターのサスティンが柔らかく伸びていきます。周波数的に過剰というよりかは、楽曲全体のムードの要として聴かせるような印象です。
中低域は丸くふっくらとした輪郭のベースラインで、コシがありつつも明快に転がっていくようなイメージです。かなりポップで聴きやすいベース音。
低域はしっかりしたキックやフロアタムのボトム音で、しかしその後味は軽快という不思議なニュアンスがあります。これはタイトなリバーブ効果による影響かと思います。

主にポップス、ボーカルソング向けの音楽的なサウンドで、かといってロックやジャズでも雰囲気が出ているので、取り回しも含めて非常に扱いやすいモデルになっています。
独自性もあり、コストパフォーマンスも良好です。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格: 47,800円


Vintage No.029「ALEGRE」

from "1930's Corwico Black enamel wire / Dark brown enamel wire" × "1948 LENZ wire"

■ALEGRE(アレグレ)

本作で使用したワイヤーについて、まず一つは当シリーズでも度々登場したことのある「Corwico」のヴィンテージワイヤーより、今回初出となるこれまた大変レアな1930年代のブラックエナメルワイヤーとダークブラウンエナメルワイヤー「32AWG 1930's Corwico Black enamel wire / Dark brown enamel wire」を1:1でツイストしたものを使用しています。

そしてもう一つは、数多く存在する米国ヴィンテージワイヤーメーカーの中でも、BELDEN社と並びオーディオ向けに特化したワイヤーを製作し続けた稀なメーカー「LENZ(レンツ)」。
そのLENZワイヤーは圧倒的な高音質がウリで、今でも大人気で数も少ない為、そのワイヤーの価値はWestern Electric、BELDENを遥かに凌ぎます。本作ではマイナス側に使用しました。

これらの大変良質で希少価値の高いヴィンテージワイヤーを
計3種使用したトータル6コア仕様で特別製作を行なっています。

Cornish Wire Company(Corwico)
コーニッシュ・ワイヤー社「コーウィコ」は、もともと電線や配線製品の米国メーカー。
実はあまり当時の情報がなく、他事業ではCorwicoの磁器やガラス製品がありますが、おそらく他社が作ったもので彼らの代わりにプライベートラベルを貼ったものであったと推察されています。
コーウィコ社は、布地絶縁電線のほか、屋外アンテナ用、変圧器巻線用などのニス絶縁電線も販売した記述も残っています。

Hot側:1930's Corwico Black enamel wire ×2 / Dark brown enamel wire ×2
Cold側:LENZ 1948 wire ×2
Total 6core, 6strand

■ALEGREのサウンド
森林の中にある流れが強い川のような
上下のウェットさに富んだ「Rock'n'Jazzサウンド」

猛々しいグルーヴィな中低音と、ジューシーにまとまった中高音が濃厚に絡み合う中で、情緒感ある美しくも儚げな高音が幻想的なニュアンスを表現します。
色彩感がありつつもどことなくマニアックな雰囲気の仕上がりで、現代の楽曲を敢えてアナログプレーヤーで聴いているかのようなヴィンテージ・ニュアンスサウンドとなっています。

高域は繊細ながら歯切れとキレ感に優れ、タイトに伸びて消えていく金物音が情緒感と潔さを持ち合わせています。
中高域は抜け感に優れたスネア音でスピード感も良く、ギターの高音フレーズなどではシャープで生命力を感じさせます。全体のまとまりにも優れており、音数の多い楽曲では顕著に表れます。
中域はボーカルやギターが色濃く明るくも唯一の枯れ感があり、少しビターで大人びた芳醇さが香り、コーラスや各楽器との分離感にも優れています。
中低域は濃厚でグルーヴィな浮き彫りのベースラインで、音馴染みとノリ感が心地よく、アタックからリリースまで聴き応えがあり、パキッとした音輪郭ながら耳障りさはありません。
低域はローエンドは出つつ、重低音というよりも安定性に優れているようで、リバーブは余分に広がらず写実的なキックの沈みを届けます。

各音の途切れ方とスタッカートに大変優れており、楽器のタッチ感ニュアンスの表現に優れつつも、サウンドがこちらに飛び込んでくるようなエネルギッシュさがあり、ロックやジャズなどスリリングなジャンルで真価を発揮するサウンドキャラクターです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格: 66,800円


Vintage No.030「RUMBLER」

from "1920〜30's Algodón rollo de alambre de cobre" × "1950's REA wire"

■RUMBLER(ランブラー)

本作で使用したワイヤーについて、まず一つは伝説のアルゼンチン・ヴィンテージワイヤーのひとつである「Algodón rollo de alambre de cobre」を、贅沢にも7本の1束として使用したものになります。
他のアルゼンチンワイヤー同様、超レアな1910年~20年代の逸品でコットン巻きの非エナメルの銅単線です。
とても素直な音質でバランスも良くクセが少ないながらも、とても上品な音です。そのため多種多様な使い道ができ、かつ音のバランスを保つのに有利なワイヤーです。意外とこういうヴィンテージワイヤーは他にないので、重宝いたします。

そしてもう一つには、1950年代のこれまた大変貴重なREA社の36AWGエナメルワイヤーをマイナス側に贅沢にも7本の1束として使用しています。

REA MAGNET wire company.inc
アメリカはフォートウェインにて1933年に設立されたワイヤー会社。同時期のワイヤーメーカーであるDudloが工場移転の前に、当時のDudloマネージャーだったビクターレア氏が辞任し、 元Dudloの数名の従業員とともに設立したのがこのレアマグネットワイヤーになります。同社は大手メーカーであるジェファーソンエレクトリック社からの注文を受け軌道に乗り、急速に成長しました。
今回のワイヤーはアメリカにおけるエナメル絶縁ワイヤーの繁栄時代、ビクターレア氏が亡くなる前に製造された1950年代の貴重なワイヤーになります。

これらの大変良質で希少価値の高いヴィンテージワイヤーを
計2種使用したトータル4コア仕様で特別製作を行なっています。

Hot側:"1910-30's Algodón rollo de alambre de cobre" ×2
Cold側:"1950's REA wire” ×2
Total 4core, 28strand

■RUMBLERのサウンド
サンセットビーチの澄み渡る茜空のような
濃淡のコントラストが美しい「万能的サウンド」

パワフルでスピード感があり、音の粒立ちと音量感にも優れ、柔らかい音輪郭でありながらもエッジが効いていて、音楽的でかつ独自のトータルバランスさを持った仕上がりとなっています!
中低音がかなりグルーヴィで全体を率いているような濃密さの一方で、中・高音には独特なかすみ音が含まれており、雰囲気さとクリアな質感を両方お楽しみ頂けるサウンドです。

高域は粒子的で美しくアタック感があり、ダイレクトで心地よいピアノや金物音で、さらに余韻が自然に溶けていくニュアンスが浸れるような味わいとなっています。
中高域はリードトーンのハーモニクスやボーカルのファルセットに存在感があり、クリーントーンギターやシンセ音が煌びやかで、旨味の細部まで表現します。
中域はリッチな厚みでギター音の倍音成分に優れ、少し色っぽくも明瞭なボーカルが横に広がり、スネアのアタックには独特な粘り腰感もあります。
中低域はベースラインへのスポットの当たりや輪郭感、グルーヴの質感にとても優れ、一歩前に出つつも全体とのアンサンブルも考慮したかのような溶け込み方をしており、絶妙です。
低域はバスドラムのキック音のリバーブ感やフロアタムの追随性が高く、ドスンと身体に響くような描写が特徴的です。

音楽的でパンチ感もありながら明瞭的で、各音も見えやすくトータルバランスとしても優れた万能的なヴィンテージサウンドとなっています!
パワーはありつつも一音の線そのものは太くはなく、細い線が束になっているようなイメージです。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格: 66,800円


Vintage No.031「WESTWARD」

from "1950's Western Electric wire"

■WESTWARD(ウエストワード)

本作で使用したワイヤーはWestern Electricの純正品1950年代モノで、その中でも珍しく美しい「1950's WE Orange gold enamel 24AWG wire」。
Western Electric (ウェスタンエレクトリック)は、アメリカ合衆国のかつて存在した電機機器開発・製造企業。1881年から1995年までAT&Tの製造部門として存在しました。数々の技術的発明や、産業の管理手法の開発で知られ、近年だと300Bの復刻で話題になりましたが、オーディオ界隈では知らない人はいないでしょう。

本作では、使用した8本のワイヤー全てが「1950's WE Orange gold enamel 24AWG wire」という、おそろしく贅沢な仕様のカスタムリケーブルになっています。

Hot側:1950's WE Orange gold enamel 24AWG wire ×4 solid core
Cold側:1950's WE Orange gold enamel 24AWG wire ×4 solid core
Total 8core, 8strand

■WESTWARDのサウンド
アメリカン・ヴィンテージに囲まれた部屋のような
艶やかで強いエネルギーを内包した「世界観系サウンド」

中音の情報量とツヤ感を中心とした、流石「オールヴィンテージWEワイヤーカスタム」といった風合いで、ただしオープンというよりはインドア的なアメリカンヴィンテージのサウンドビジョンの仕上がりです。
一音に熱量感があり押し出し感も強く、ボーカルソングはもちろんのこと、ジャズのセッション系やギター主体のインスト楽曲でも持ち味を発揮してくれます。

高域は輪郭的でシャープなキレ感があり、ソリッド。シンバルの弾けるようなスプラッシュ感や、ハイハットの小刻みな描写にも優れています。
中高域はギターの倍音感が聴き応え十分で、アコースティックではストロークの美麗さ、ギターソロでは抜け感がよくチョーキングの細かなニュアンスもわかる解像感です。
中域は彩り豊かで太くツヤ感にも優れており、時代を切り取って表現するかのようなギターやボーカルに熱量を感じます。またメロウテイストの楽曲では色っぽさを増し、それも抜群にハマります。
中低域はうねるようなベースラインで、臨場感に優れたロックテイスト下がります。
低域はローエンド手前のキック表現にパンチがあり、程よい重心感となっています。

単線由来のソリッドで優れたピント感の側面と、WEの良質な銅線による中音の芳醇さが混ざり合った、アメリカ産の時代感ある良質なサウンドキャラクターとなっています。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格: 71,800円


Vintage No.032「MELLOWBACH」

from "1950's BIRNBACH DOUBLE COTTON COVERED MAGNET WIRE"

■MELLOWBACH(メロウバッハ)

BIRNBACH RADIO CO.INC.
BIRNBACH(バーンバック)は、1938年~1968年にかけてアメリカ・NYに社を構えていた電話、電信、通信の機器ラジオおよび無線機器製造会社です。
今でもその良質な素材はラジオ自作愛好家にはもちろんのこと、ヴィンテージ機材のエンジニアや、ギターアンプなどの内部配線材へのモデファイにも好まれています。

本作では、使用した8ワイヤーの全てがBIRNBACH社の、かなりレアな帯付きのNOS品(New Old Stock)のヴィンテージ二重コットン絶縁ワイヤーという、これまた大変贅沢な仕様のカスタムリケーブルになります。

Hot側:1950's BIRNBACH DOUBLE COTTON COVERED MAGNET WIRE ×4 solid core
Cold側:1950's BIRNBACH DOUBLE COTTON COVERED MAGNET WIRE ×4 solid core
Total 8core, 8strand

■MELLOWBACHのサウンド
すっきりとした芳醇さ、白ワイン系のようなミッドと
繊細でシルキーに枯れを表現する「センチメンタルな美麗音像」

全体的に滑らかなで左右への広がりがあり、上質ヴィンテージならではといえる艶っぽさと細やかな枯れの質感をもち、その中で美しいハイとまるでフレンチのソースのような芳醇ミッドが交差し、そして強いアタック音ながら繊細で、ケーブルの見た目どおりなビューティフルサウンドを展開します!

高域は非常にシルキーで鈴鳴り感に優れ、さらっとした音色はまるで雪溶けのようです。また歯切れも良く、金物音は伸びながらも嫌味がなく美麗な表現を魅せます。
中高域はタイトに締まったクリアさで、一音の立ち上がりとレスポンス、瞬発性に優れています。ギターピッキングの細かいニュアンスやアタックの応答感も良く、そしてサスティン部分はエモーショナルな描写性で、心を揺さぶってくれるような音伸びとなっています。
中域は厚みがありながらもくどさがなく、ブライトで程よい力強さのボーカルとギター音です。どこか郷愁感を彷彿とさせる切なげな雰囲気があり、感情が入り込んでくるかのような表現が見事といえます。
中低域は厚みと伸びに優れたベースラインで、特に旨味フレーズをよりファットに出してくれるような印象で、楽曲を支えながらも引っ張っていくような、それでいて浸れる雰囲気も持ち合わせます。
低域はキックのボトム音に粘るようなコシ感で中毒性があります。

上品でかつどこか憂いを帯びた貴婦人のようなサウンドキャラクターで、音の繋がりが綺麗で統一感があります。
定位感とセパレーションにも優れており左右感もわかりやすく、美しさや儚さ、そして芯の強さもある高品質ヴィンテージケーブルをご堪能くださいませ!

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格: 86,800円


Vintage No.033「ALLIANCE」

from "1940's Belden wire" × "1956 LEONISCHE DRAHTWERKE A.G. NURNBERG wire" × from "Vintage Anaconda wire" × "1920-30 HUDSON wire"

■ALLIANCE(アライアンス)

本作で使用したワイヤーは「BELDEN 1940年代のenamel wire」「1964's anaconda enamel wire 」「1956's LEONISCHE litz wire」「HUDSON Black enamel Litz wire」という実に4種類の激レアヴィンテージワイヤーを使用し、1接点につきこれら4種を撚り合わせた、トータル16コア編込仕様のヴィンテージ"同盟"カスタムリケーブルになります。

1964's Anaconda enamel wire 38AWG
アメリカの有名なエナメルマグネットワイヤーカンパニー。 今回はミシガン州はマスキーゴンの工場で製造された1964年代のシルク絶縁のエナメル品。

1956's LEONISCHE DRAHTWERKE A.G. NURNBERG
現代でもヨーロッパのBELDENと云われるほどの高品質で且つ、自動車、エレクトロニクス、 航空宇宙と多岐にわたる老舗のケーブルメーカーLEONI。その前身となる会社よりドイツのレアなヴィンテージシルクリッツワイヤー。

Black enamel litz 42AWG×7芯 シルク絶縁 1920-30 HUDSON WIRE
弊社のオンラインショップでもワイヤー切売り販売を行なっている、米国HUDSON社の激レアなヴィンテージワイヤー。

BELDEN 1940’s Brown enamel wire
1902年にJoseph C. Belden によりイリノイ州シカゴにて創業された、ケーブル界では知らない人は恐らくいないであろう老舗メーカー。オーディオのみならず様々な幅広い分野からその極めて高い信頼性、耐障害性、過酷な環境下の可用性を持つケーブルを提供しています。

ケーブル仕様
(Hot側、Cold側ともに)
1964's Anaconda enamel wire 38AWG ×4
LEONISCHE litz wire 3 strand ×4
HUDSON Black enamel Litz 42AWG7strand ×4
BELDEN 1940’s Brown enamel wire ×4
Total 16core, 48strand

■ALLIANCEのサウンド
あらゆる高級料理に合わせられる年代物の熟成ワインのような
上流のクラシックオールラウンドモデル

高音のエッジに枯れ感をほんのりと演出しつつも、全体として見ると現代にも通じる周波数バランスを取っており、パワフルでスピードレスポンスにも優れ、その中で色気と艶っぽさを携えた、上質なヴィンテージモダンの仕上がりとなっています。
つまり味はしっかりありつつも、万能にお使い頂けるようなサウンドです。
その味わいは、最高級料理と合わせて飲む熟成ペアリングワインのようにバランスがよく、そして美しく世界観を包みます。
カラーリングもワインをイメージしてデザインしております。

高域は一聴してわかるハイハット刻みの応答性の良さで、枯れ感のあるエッジに到達するまではシルキーで瑞々しいという洗練さがあります。
中高域はギターのハイフレット音の美しいリバーブ感と、溶けていく様な余韻感が特徴的で熱量もあり、倍音で感じることの出来る旨み成分に優れ、高域同様エッジの独特なザラみが堪らない質感となっています。
中域は艶っぽくも芳醇なボーカルが伸びつつ陰影的なコントラストがあり、ギターやハーモニクスなど音楽的に豊かな表現が印象に残ります。
中低域は輪郭よりもナチュラルに音馴染みの良いベースラインとなっており、優しくもしっかり目なグルーヴ感が浸れる様な響き方をしています。
低域はタイトでかつコンパクトなバスドラムのキック感で、過度なく沈み込んでくれる実直さがあります。

アナログ的な生命力がありワイドレンジに優れ、ヴィンテージモデルとしては珍しく前のめりなノリ感となっており、ノージャンルで扱い易いポップな印象のサウンドキャラクターとなっています。
オールドスクール的でもあり、良いものは年月が経っても色褪せず存在することを教えてくれている気がします。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:72,000円


Vintage No.034「VINAYA -I-」

from 8core Vintage "New Argentina wires"

■VINAYA -I-(ヴィナーヤ・ワン)

幻のALLアルゼンチンヴィンテージワイヤーカスタム
まさかの亜種作が誕生

「それ」が弊社に舞い込んだのはあまりにも突然で、偶然の出来事でした。詳細はトップシークレットになりますが・・首都ブエノスアイレス工場製造産の、紛れもないアルゼンチンヴィンテージワイヤーの入手です!
構造だけ申し上げると0.06mm 7芯と0.06mm 5芯のリッツ線が2種類で、そのどちらもナイロン絶縁が施された珍しいタイプのエナメルワイヤーになります。
(※推定1910年代・・資料が極めて少ない為、確証はなし。ご了承下さい)

使用する部材全てが1900年代前半のアルゼンチンワイヤーを使いブレンド。
本作のリケーブル構成は、まず前途のVintage New Argentina wireを2種、圧倒的なポテンシャルを誇る1920〜30年代の二重コットン巻wire「ALAMBRICA」、1910〜20年代のコットン巻絶縁銅単線「Algodón rollo de alambre de cobre」を使用という、ALLアルゼンチンヴィンテージワイヤーによる8コア作品、「VINAYA=律」(ヴィナーヤ)です。

ハンダはナイショですが実験に実験を重ねた結果、残念ながら完全なるアメリカ大陸産の実現には至らず。しかしながら数多の実験の中でも特に手応えのあった数パターンから1つを今回選定しました。故に「-I-」になります。

ケーブル仕様
Super rare argentina Nylon litz wire 0.06mm 7strand ×2 / Super rare argentina Nylon litz wire 0.06mm 5strand ×2
Algodón rollo de alambre de cobre solid core ×2 / ALAMBRICA solid core ×2
Total 8core, strand28

VINAYA -I-のサウンド
まるで「古き良き絵画展の画廊」を思わせるかの様な空間美

引力を伴ったワンダースケール

場面・情景がはっきり浮かび上がるというよりは、どこか非現実的な長方空間に身を置いているかの様で、不思議な没入さが本作の全体としての特徴です。

高域
明瞭的で繊細さがあり、前面に出つつも嫌味のない金物音の耳あたりの良さが印象的で、ピアノ高音の鍵盤の澄んだ様な見え方も美しいです。

中高域
分離感と抜け感に優れ、全体域で最もクール寄りで且つ硬質的でありつつも煌びやか。ギター倍音の響きやアコースティックギターのストローク感などが美麗に表現されています。またギター各パートでのスポットライト感も良く、=分離感の良さに繋がっています。

中域
エネルギッシュさがありながらも、少し憂いを含んだ様なボーカルのテイストに全体の没入度が底上げされています。ギターやスネア音のリアル感にも優れ、歪み系でも一音のきめの細やかさが上質さに直結している印象です。

中低域
まろやかでワイド感に優れたベースラインが、スーッと伸びていくような馴染みの良さが特徴的です。程よくファットでハリがあり、どこか達観性すら感じさせる良質なヴィンテージ帯域となっています。

低域
リバーブと沈み込みが過不足なく響き、安定感のあるフロアタムやバスドラムのキック音を表現。音源のリズムの根幹を、特徴的な中低音とともにバランスよく下支えしている印象です。

まとめ
アナログライクで長方的な空間力に長けた美麗さと没入感、そして味感のある高品位な質感が音楽的バランスに優れた、雰囲気も絶品なヴィンテージサウンドに仕上がっています!
ウォーム寄りでほんのりダークな音色感と柔らかくも近接的な音輪郭、厚みのあるサウンドエッジが一聴してアナログライクな世界へと途端に引き込んでいきます。高低差はあまりなくベール的でありながらも奥行きがしっかりある音場感で、それがミステリアスな空間美となって表現いたします。

■販売当時の仕様および価格
トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキ 4.4mm 5極プラグ Custom 2pin type ロゴ オーロラアートワーク+イヤーコネクタ京都オパール装飾
税込特別販売価格:80,000円


Vintage No.035「ENERGIA」

1970's "IRCE" wire × 1960's "The Bridgeport Insulated" wire

■ENERGIA(エネルジア)|完全終売品

本作で使用したワイヤーは、イタリア産70年代の極細シルク巻きエナメルヴィンテージ線「1970's IRCE wire」と、初出しとなるアメリカ産60年代(推定)のコットン巻き銅線「1960's "The Bridgeport Insulated" wire 」という2種類の激レアヴィンテージワイヤーを使用し、1接点につきこの2種を撚り合わせた、トータル8コア編込仕様のヴィンテージカスタムリケーブルになります!

I.R.C.E
創業は1947年、エナメル線の市場ではかなりのシェアを持つイタリアのワイヤーカンパニーです。現在はヨーロッパで重要な多国籍企業で、巻線と電気ケーブルの事業を行なっています。1970年代の半ば、イタリア、ロマーニャ州のイーモラ工場が作られ、これはその頃に製造されたシルク巻きエナメルワイヤーになります。
なお現在、この工場はIRCE最大かつ最も重要となるインダストリアル向けのエナメル銅線およびケーブル工場となっている模様です。当時の”IRCE”そして”IMOLA(イーモラ)”が刻印された木製のスプールに巻かれた稀少性、 極細シルク巻きエナメルヴィンテージワイヤーを、本作の1ピースとして組み込んでいます。

The Bridgeport Insulated Wire Company
1950年にアメリカコネチカット州で設立されました。高品質、コストを抑えるを理念として掲げ、設立以来一貫した100%米国内でワイヤーを製造をおこなっています。
現存しながら精密工学と最新の製造技術が融合したものから幅広く手掛け、絶縁電線の世界で比類のない稀有な存在のワイヤーメーカーです。

ケーブル仕様
(Hot側、Cold側ともに)
HOT側:1970's IRCE 30AWG silk wire x 4 (solid core)
COLD側:1960's "The Bridgeport Insulated wire" 36 AWG cotton pure copper x 4 (solid core)
Total 8core, 8strand

■ENERGIAのサウンド
高度成長期の時代的熱量をパッケージしたかの様な世界観
"ゴールデン・エイジ・オブ・ノスタルジア"

まず、ヴィンテージシリーズとして他のリケーブルとも異なるサウンドバランスに仕上がりつつも、優しく心地よい最高峰のサウンドに仕上がっています!かなりオススメです。

高域は丸みのある音輪郭にサラサラとしたような質感で、ハイハットやシンバルなど金物系の陰影感にも優れた、聴きやすくも彩り豊かな表現となっています。
中高域は折り重なるような倍音とその奥行き感が素晴らしく「いつもより一つ奥が聴こえてくる」、そんな印象があります。音数の多い展開描写に優れており、ギター音も立体的に響きます。
中域はツヤっぽさがありながらもパンチ力があり、ボーカルは甘くも重厚的でふくよかな情緒を感じられます。スネアなどのアタック音の余韻では、ほんの僅かながら独特の"枯れ感"が存在し、ヴィンテージらしい良スパイスとして味を出してくれています。
中低域はパワー感に優れたベースラインで、特に500Hzあたりがグングンで動的なエネルギーを強く感じられるのが特徴的です。
低域はソリッドでタイトに締まった印象で、狙いすましたバスドラムのキック音やタムのインパクト感が、全体を通して往年的なフレーバーとなっています。

トータルインスピレーション
「ヴィンテージ印100%のサウンド!」というよりかは、全体としてのヴィンテージ感は70%ほどに留めつつ、エネルギッシュな側面をしっかりと昇華させたようなイメージです。故に例えるならば「高度成長期」的な熱のあるサウンド。
開放的なワイドレンジさとは異なる、内なる熱量を徐々に拡大させていくような世界観の仕上がりとなっています。
音像感も丸過ぎずに使いやすいサウンドレベリングで、ワイヤーが製造された当時の「まもなく変革する時代」を見据えたかのような本作は、ヴィンテージカスタムとしても、いちリケーブルとしてもかなり高いクオリティを誇っています!絶妙な黄金期的比率の7:3サウンド。

■販売当時の仕様および価格
4.4mm 5極 トープラ販売製 CINQBES 純銅材 無メッキプラグ Custom 2pin type ロゴアートワーク+イヤーコネクタ装飾
税込特別販売価格:92,000円


To be continued…

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