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人類が見習うべき2人の日本人

 初めて入ったワクチン会場が閉鎖されたため、別の自治体のワクチン会場に私は行く事にした。

 新しい会場は小学校の体育館。上履き持参で給料も低めだった。やる気は出なかったが、ワクチンは楽なので、行く事にした。

 私が行った日は5月なのに真夏のような猛暑日だった。涼しい体育館の中がいいなと思っていたら、私は1人校門で接種者を案内するポジションだった。チーフを恨んだ。

 実は前日にも同じ会場に行き、同じような天候で、同じポジションだった。昨日はスタッフが私を脱水症状で殺そうとした。なぜなら、炎天下の中綺麗な立ち姿勢で2時間も外に放りだされたからだ。水分は持って行ったがすぐに無くなり、休憩もくれないので飲み物を買うことも出来ない。あまりにも暑くてふらついてしまい、壁に寄っかかっていたら、チーフに「少年野球のお父さんじゃないんだからやめてください。」と注意された。勿論、涼しい体育館の中から。チーフは外に一切出て来ず若い女性ばかりに話しかけていた。以前のワクチン会場に戻りたい気持ちになった。

 今日も全く変わらなかった。私は外に締め出され、チーフは若い女性と談笑している。昨日よりも水分は多めに買ってきたが、すぐ無くなった。段々と、私は生きることに嫌気がさして、接種者を睨みつけるようになってしまった。北極の体育館から時折、チーフが「何か問題とかない?大丈夫?」と言われた。私は「異常です。問題なのはチーフ達です。」と言いたかった。

 面白いことに自分でもびっくりするほど時間が進まない。人が全然来ないくせに休憩もさせてくれない。何もやることがないから、ただ肉体的精神的に苦しい時間が流れるだけだ。一方チーフは若い女性と話している。人と話すだけで、普通のスタッフよりお金が貰えるのだから最高の仕事だ。

 太陽はエネルギーがあまり過ぎている。外にいる私を容赦しない暑さだ。私はあまりにも辛くて助けてほしいと思っていた時である。体育館の入り口から2人の主婦が私に声を掛けてきた。
「椅子とかないでしょ。さっきからずっと見ていたけどあんな暑いのに休憩内の可哀そうよね。チーフにも休憩あげてくださいよと言ったんだけど、大丈夫ですよって笑いながら言ってたのよ。」

 私の頑張りを2人は見てくださったのだ。続けて
「もう一回休憩あげてほしいって言ってあげるよ。おかしいよねここの人達。お兄さんが暑い中ずっと立っているから、私たちも座ってないの。本当、ここの人達はしゃべっているだけなのよ。倒れたらどうするの。」

「本当にありがとうございます。全然座ってもらってもらって大丈夫ですよ。お気遣いいただき本当にありがとうございます。心から感謝いたします。」と私は言った。人間性が素晴らしかったので、私は丁寧に心を込めて感謝した。

 宮原氏と杉本氏の2人の主婦は何だか申し訳なさそうな顔をしていた。両氏は本当に気配りのできる方だと思う。せっかく椅子があるのに私の働く姿を見て座れないなんて普通の人間は出来ない。そして、私の為に休憩を要請してくれた。今の日本人は自分の利益だけしか考えないのに、お二人はナイチンゲールのような心優しい方だ。

 それからは急に休憩を回し始めた。他の男性と交代交代で20分に一回休憩になった。言われないと分からないなんて、チーフ失格だ。

 私は帰り際に宮原氏と杉本氏に感謝を述べ「お二人の事は絶対に忘れません。」と言った。「言いすぎ」と言われた。

 今の若い日本人なんて、相手の事を尊重しない。平気でカップルを作り私の目の前を通ったり、何もしないのに文句言ったり、すぐに否定したり腐った世の中だ。国民全員が生きやすい世の中を作らないといけないのに、生きづらくしているのは何も考えていない貴方達ではないか。

 何がカップルユーチューバーだ。炎上して跡形もなくなれ。コンプライアンスは今暴力化している。私は誰もが生きやすい世の中を提案しているのに分かってもらえない。本当に自分の事しか考えていない。

 しかし、宮原氏杉本氏は違う。人類最後の人格者だ。常に相手の事や苦しんでいる人の事を考えている。我々人類は完全に悪に染まっていない。だから、宮原氏杉本氏の生き様や思考を全員で見習い、勉強しようではないか。この2人は本当の優しさを持っている。

 読者はそのような独りよがりの考えでいいのか。恐らくそれは人を苦しませている。そこのカップルはそれでいいのか。一緒に並んでいるだけで他の人は殺意を芽生えている。

 我々人類は宮原氏杉本氏の背中についていこう。おのずと素敵な社会になるはずだ。今の腐った日本を救えるのはこの2人しかいない。

 


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