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女性が叩かれやすいのはなぜか

「女性のほうが炎上しやすい、叩かれやすい」
このように思ったことはないだろうか。

私自身が”女性”として生きているからそう思うのかもしれない、と思われるかもしれない。
実際、”男性”の友人に聞いても、「え、そうなの?」と言われた。

ただ、これは勘違いではないようだ。

ラジオの作家さんの笑い声は基本的に男性

女性のほうが叩かれやすいな、と思うことは度々ある。
その中で一つ事例を紹介したい。

ある芸人のラジオの作家さんが女性だった。
ラジオの作家さんは演者さんの近くに座ることが多いが、ご自身は話さず、リアクション(笑い声)だけ聞こえるのが定番だと思う。

ただ、そのラジオの作家さんは女性であることから、笑い声が入ってしまうのを嫌がっていた。
もっといえば、ご自身も女性の笑い声が聞こえるラジオは嫌いなのだという。


いつか、ジェーン・スーさんがラジオでおっしゃっていた。
女性の車掌、雀士、政治家、起業家、、、
「見慣れない、聞き慣れないものだからびっくりしちゃう。」
この言葉が表現してくれていると思う。

珍しいから、職業の前に「女性」というワードが付く。
女性起業家とはいうが、男性起業家とは言わない、という話はよく耳にする。


なぜ男性より女性のほうがインターネットで炎上しやすいのか

PRESIDENT Online、大妻女子大学教授 田中 東子さん記事が大変興味深かったのでご紹介したい。

「女性の役割を外れた女性」を罰したくなる
しかしなぜ、女性は男性よりも攻撃の標的になりやすいのだろうか? その背景には、私たちの社会に根深く残る女性へのステレオタイプの存在があると考えられる。

私たちの社会では依然として、「女性というのはいつも笑顔で優しく気遣いをしてくれて、意見を言うよりも言われた意見を受け入れる従順な存在だ」という前提が共有されている。そうした役割を期待してしまうがゆえに、そうした役割から外れた行動や発言を行う女性が現れると期待が失望へと変わり、こうした女性たちを罰してやろうという意識が芽生え、SNSでの攻撃的なコメントとして現れるのだ。

そして実は、女性が規範的なジェンダー役割を演じることへの期待は、女性たち自身の内面にも根深く埋め込まれている場合がある。従って、冒頭で示したようなSNS上での誹謗中傷は、男性だけでなく女性からも、ターゲットの女性へと向けられることがある。

https://president.jp/articles/-/39767?page=2#goog_rewarded

女性の役割は「意見を言うよりも言われた意見を受け入れる従順な存在」である、という意識が我々の内面に埋め込まれているというのだ。
そしてそれが男性だけでなく、女性たちの内面にも深く埋め込まれている、と。

自分をうまく売り出している女性、自分で会社を起こしている女性、今まで男性ばかりだった職種で活躍している女性。

「そんなこと女性は誰もしてなかったでしょ。」「私の時代はできなかったのに、ずるい」
このような言葉は、男性だけではなく女性からの批判の言葉として聞こえてくるし、自分自身も思ってしまうこともある。


すべてのマイノリティな人々に当てはまること

ただ、叩かれやすい、炎上しやすいのは女性に限った話ではない。

職種の「珍しさ」は色々なパターンがある。
男性のネイリストさんや保育士さんだって、マイノリティだと感じ、生きづらいと感じているのでは、と容易に想像がつく。

長い歴史の中で社会から虐げられてきたカテゴリーの人々は、女性だけでなく、セクシャルマイノリティの方、障がいや病気のある方、高齢の方等々も当てはまる。
このような方が表の世界に出ると、我々の内面に深く深く刻まれた”何か”がうずくのだろう。


「女性はなぜ叩かれやすいか」「それは女性だけなのか」自分なりの答えを持つことは重要だ

女性が叩かれやすい理由を考えると、
網羅的ではないが、ある程度答えが見えてきた。

この「答え」を自分の中でお守りのようにそっと胸にしまっておけば、いざ自分に災難が降りかかった時にも
「人間だから、こんなものか」「ヒトは内面に深く刻まれた歴史に抗えないか」とある意味ですんなりと諦めがつき、深く考え込むことを止められるかもしれない。

自分自身に降りかかる災難だけではない。
SNSのコメント欄等をみると、他人が傷つけられているのを見て心が痛くなることもある。

そんなときにも、
世の中の喧騒から一歩離れて、社会の波や歴史の波に飲み込まれず、自分の尺度で世界を見られるよう鍛えていくことが大切だと思う。


(とはいえ、嫌なコメントは見ないようにすることが一番よい。)



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