見出し画像

保育士でもない私の「森のようちえんを作りたい!」が、年長児の野外活動に繋がった話

「森のようちえん」を作りたい!と不思議なほど燃えていた時期がありました。

娘が一歳の頃。口を開けば森のようちえんの話しかしない、取り憑かれてたかのような時期。

そんな保育士でも何でもない私の異常なまでのヤル気が、市内の子ども園の年長さん全員が、年2回の森での野外活動を体験することに繋がった話です。

「今の子はゲームばっかり」それって子どものせいなの??

娘が生まれてから、外で遊ぶ子どもを見かけないことに気づいた。
いなかって自然の中で子どもが虫取りしたり走り回ってると思ってたんだけど。。

「今の子は、家でゲームばかり、公園でもゲームしてるらしい。」

「昔は外で遊んでたのにな!」

「わしらの時代は、すぐそこの川で遊んでたんやけどな」

護岸工事されきって、すっかり釣りのおじさんの場所になっているこの辺りの川に、遊べる川なんてもうない。

田舎で人が少ないから、車は猛スピードで過ぎていく。

ウチの近所の小学校が廃校になり、通学がバスになった。
それまでは登下校で遊びながら歩く姿を見かけてたけど、それも見なくなった。

それまで私も、ご多分にもれず今の子どものせいにしてた。
違う!子どもは何も変わってない。子どもを取り巻く環境のせいなんだ!

その環境をつくっているのは、紛れもなくその時代を生きてる大人たちの選択の数々。

私が考え気づいた要因は

○遊び相手がいない。少子化で自分で歩いていける範囲に子どもがいない

○車移動で、家と目的地しかない→家の周りが自分の居場所になっていないから余計に外で遊べない。

◯塾や習い事が多くて遊んでいる時間がない

◯昔みたいに人が外にいない。地域の目が少ないし、不審者も多く外で遊ばせられない

考えれば考えるほど、どうしていいかわからなくなる。。

しかし、この豊かな自然環境の中にいて、外で遊べてないって、ものすごくもったいなくない!?

子どものせいにして、現実から目を背けてる場合じゃない!

1人で森のようちえんの講演会を企画


森のようちえんって聞くけど、どんなものなんだろうか??

子どもの環境を考えれば考えるほど、現代の問題がどんどん溢れてきて途方にくれる。そんな中で「森のようちえん」という園舎を持たず、自然の中で子どもたちを遊ばせ、自分たちで考える機会を奪わず主体性を育むようちえんがあると知る。

調べれば調べるほど、私が目指してるのはこれじゃないか!?と思えてくる。

目指してるといっても、繰り返しになるけど、私は保育士でもなんでもない。娘がまだ1歳にもなっていない、ただの母親だ。

森のようちえん関連の本を読んでみると、
今住んでる滋賀県で、森のようちえんをされてる方がいるじゃないか!
通わせるには遠すぎるけど、お話聞いてみたい!
日に日にお会いしてみたい気持ちが強くなり、
自分だけで聞くより、どうせなら他の人とシェアできたら、
同じ地域で森のようちえん作りたい仲間に出会えるんじゃないか!?と考えた。

そして仲間探しのために、1人でチラシを作り「せた森のようちえん」主宰の西澤さんに来ていただく講演会を企画しました。

ベテラン保育士さんに一目惚れ&アタック!

「森のようちえんを作りたい」と森のようちえんの事ばかり考えていた私は、会う人会う人に「森のようちえんあったらいいと思わない?」と、講演会の宣伝をしてまわっていた。

そんなある日、とある子ども園の未就園児対象の運動教室に参加した。

そこにいらした先生が、ものすごく魅力的だった!

なんという包容力!子どもだけじゃなく、話をしているお母さんたちもみんな癒されている!

この空気感!?これぞ母性!!!

森のようちえんするなら絶対この方が必要だ!と忘れられず、なんとかコンタクトがとれないか聞き込みしてみると、もう引退された先生で、多くの先生が影響を受けている市の保育界のキーパーソンであると判明

市内の園に、異年齢の縦割り教育を持ち込んだのもその方

そうなのか〜!私みる目あるやん!保育界の大ベテラン!重鎮だなんて〜!

その日は、たまたまこども園にいらしてたそうで、私もはじめて運動教室に参加し偶然出会うことができた。なので、もう園に行っても会えないとのこと。
なんとか連絡先を突き止め「私、森のようちえんを作りたいんですけど、協力していただけませんか!?」
と、くどいけど保育士でも何でもないのに電話してみる。今思えばすごいな。。

そうして改めてお会いしても、やっぱり素敵な先生で、森のようちえんの趣旨にも共感してくださり、講演会にも来てくださることになった。

講演会は50名以上が集まり大盛況、新聞記事にもなった!

1歳なりたての娘を連れ、1人で企画した、森のようちえんの講演会。
チラシをまいて、Facebookで告知し、
とにかく仲間が欲しくて必死だった

当日なんと、50名以上の方が来てくれた!

市内だけじゃなく、市外からも!

そして新聞記事にもなった

母親グループが企画って書いてあるね。。

そして、やるなら協力するよ!と3人が名乗り出てくれた。
1人は小学校の野外活動にも参加してる野外活動のエキスパートのような人
1人は、保育士ではないけれど、大阪で保育に関わっていた人、
1人は、様々な市民活動をしてる、行政にも顔のきく人


そして、スカウトしたベテラン先生

合計4名!なんとも頼もしい面々が集まってくれた。

さらにその日に滋賀県の「森のようちえんネットワーク」なるものまで立ち上がった。

何かが動き出した。

こうして「おさんぽ会」がはじまる。

講演会で名乗りをあげてくれた仲間との試行錯誤の日々がはじまる。

まずどうしていったらいいんだろうか?

ひとまず、自然の中に、自分たちの子ども達を連れてって遊んでみよう!

とはいえ、うちの子まだ一歳になったばかりなので、抱っこしながら&昼寝の時間もあって、全然自由が利かなかった。

森の中で、焚き火をしたり、虫探しをしたり。「おさんぽ会」という名前で月に一回、定期的に活動をはじめる。

森のようちえんを見学に行ったり、それぞれ勉強しミーティングを重ね学びながら活動していった。


市内の園に活動導入を交渉するも、自分の中に違和感が生まれる

キーパーソンの先生以外は誰も保育士でない状態で、自分たちで森のようちえんを作るにはハードルが高すぎるし、市内の園に、この活動を取り入れてもらおうか?という案が浮かんできた。

ベテラン先生も参加してくださってた事もあり、市内の園や、市役所も話を聞いてくれ、活動が認知されていくようになる。

言い出しっぺだからって、保育ができるわけでもない、自然の中で子どもを遊ばせるのが得意な訳でもない私が代表っておかしくないか??

ずっと活動当初からあった疑問がどんどん濃くなっていく。

森のようちえんを作ろうと動いてる人は、基本的に自分の仕事にできる可能性のある人なんだよね。
当たり前なんだけど。

私以外の人はそうなんだ。適職で仕事にできる可能性がある。
私は仕事にする可能性がゼロなんだ。
私は自分の仕事、ジュエリーのデザインを仕事にしていたい。どちらも片手間にできることじゃない。

「目指せ!森のようちえん」は、「目指せ!森の中での保育」なんだ。
そこに気づいていなかった。その保育の部分が私にはできない。
活動を重ねる度に、違和感が大きくなっていた。

森のようちえんがあったらいいなとは思ったけど、適職でない私がエネルギーを注ぎ続けるのは違うんじゃないか?

森のようちえんより、冒険遊び場?

子どもが自由に外であそべたらなってだけなんだ。ただそれだけなんだけどな。。私が保育活動の代表になってるなんておかしぎる!そんな違和感を抱えていた頃、

子どもが自由に遊ぶことを守る「冒険遊び場」という存在を知り、私の思いはそちらに近いと気づく。

市内の園への参入を機に、代表を野外活動が得意な人にバトンタッチし、
私は活動を「冒険遊び場」作りにシフトさせる

若干?言い出しっぺなのにやめんのかーい!という周囲の冷ややかさは感じたけど、ずっと自分の中にあった違和感はごまかせない。
 

そして「おさんぽ会」と「冒険遊び場」作りの2つの柱で活動する団体になった。

おさんぽ会活動は、私が抜けて4年経つ今も継続されており、
市内の園に活動を取り入れてもらい、年長児対象に、年2回の森の中の野外活動を行っている。

ウチの娘は今年年長さんで、その野外活動を体験した。
みんなむちゃくちゃ楽しそうだった。いつも遅くに来る子達が、楽しみすぎて早く登園してたり!


私は1年足らずで活動をやめてしまったけど、あの時の私のただならぬヤル気が、こんな現実に繋がったんだなぁと、子どもたちの笑顔を見て本当に感慨深かった。

やりたいことやってたから生まれた現実

自分が「やりたい!」って強く思ったことは、誰かのやる気に繋がったり、思いがけない現実に繋がっていくんだね。

講演会を1人で企画していたあの頃に、市内の子ども全員が体験できる、子ども達が大好きな活動に繋がっていくなんて夢にも思わなかった。

常識で考えたら、保育士でもないのに、市にかけあったり、ベテラン先生勧誘したりしないよね。ただその時の気持ちに素直に動き続けた。

その結果が多くの幸せな気持ちに繋がったなんて。

これからも常識にとらわれず、やりたいことどんどんやってこう!と、改めて感じた出来事でした。

長くなるので、冒険遊び場作りについては、また次にまとめるとします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?