9月の進捗を報告します!
こんにちは!
ご覧いただきありがとうございます!
株式会社ワコールの深川です。
この記事では8月の進捗報告に続く形で、9月の進捗報告をお届けします。
■9月に取り組んだこと
①試作
衣類の試作
8月にはサンプルを作るために必要な型を3Dプリンタで作製し、今月は、その型に樹脂を吹き付けて、衣類や立体物を作製しました。
まずは、100%植物由来である樹脂(PLA)を原料として試作。
立体メルトブロー法では、このようなつなぎ目のない立体衣類をつくることができます。ただし、この原料では樹脂自体が硬く、甲冑の様になってしまい、衣服として着るには難しかったです。また、脇の下に樹脂をきれいに吹き付ける事が難しく課題に感じました。
続いて、植物由来の熱可塑性ウレタン樹脂(TPU)に変更して試作を実施。
こちらの原料では、適度な伸び感と柔らかさがあり、PLAに比べて衣類に向いていると好感触を得ることができました。一方、作製順序を工夫しないと、くっつかない部分が出てくることもわかりました。(写真前面、おなかのあたり)
テクスチャーの試作
衣服の試作に平行して、テクスチャーついても試作を重ねました。
試作結果から…
・立体メルトブロー法によるつなぎ目のない衣類の作製は、脇の下等の狭いスペースに綺麗に樹脂を吹き付ける事の難易度が高く、不良品が生まれる可能性が高くなる。それゆえ、デザインの制約が大きくなると想定される。
・TPUを使えば、着脱可能な伸び感は実現可能。
試作を経て、今後の衣服の作製にあたり
・デザインの制約を小さくするため、いくつかの立体パーツをつなぎ合わせることで衣類を作製する (少ないパーツ数で簡単に組み立て可能にする)
・例えば、首回りやウエスト等、伸度が大きく必要な箇所は切り込みを入れることでより動きやすくする
②ファッションブランドとの協業のためのリサーチ
子供服はサイズアウトが早いという顧客の課題と、サイズが小さいため縫製の難易度が高く、熟練した技術が求められるという製造側の課題があります。立体メルトブロー法でできた衣服は、単一素材のためリサイクルがしやすく、縫製技術に頼らない技法のため、その両方を解決できる可能性があると考え、子供服ブランドとの協業が可能か、リサーチをしています。
その他にもイメージを共有しながら立体物を直接作製できるため、衣服にオリジナリティを求める方や、パーソナライズといった考え方にもこの技術はマッチすると考えています。
メンタリング面談については、9月末に実施のため、10月に報告します。
■10月に取り組む事
・協業に向けた進捗
・サンプル作製の準備
この取り組み、早くも折り返し地点になってきました…
次回の報告もおたのしみに。
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