マガジンのカバー画像

創作小説・随筆・詩

115
自作の小説や随筆、詩を紹介します。拙いですがすべての作品の著作権はかたりすと@脇七郎に属します。 ひとつの記事で完結しない小説は別のマガジンに移しました 。
運営しているクリエイター

2024年7月の記事一覧

「令和版百人一首 恋の巻・他の部」

つないだ手 微かに震う 小鳥の手 さあ踊ろうよ 一夜の夢を 短歌初めてです(汗)。わたしが二…

詩「白い天井」

「白い天井」 黄色い手帳を見ると思い出す 父の見ていた白い天井を 灰色の床と白い壁に支えら…

見たことがないスポーツ「人間かるた」~毎週ショートショートnote参加作品

 人間かるた。   今季の五輪から新たに追加された競技だ。ルールは簡単。  国旗の服を着た…

短編「小さなものから大きなものへ」

 多くの物事は小さなものから大きなものへと変わる。大抵は本人や周囲の者も気づかない。米粒…

「おフランスで一番なのは」~青ブラ文学部参加作品

「おフランスでは、小説が一番ざんす」踊り子姿の妖艶な女性がグラスを揺らしながら言った。ア…

「かき氷の孤独」~#シロクマ文芸部「かき氷」参加作品

「かき氷始めました」小さな黒板にチョークで書かれた文字が目に入った。  猛暑の中得意先回…

ショートショート「三角の爆発」

 三角は部下の四角が大嫌いだった。そいつは四角といってもただの四角ではない。■である。   一方三角は限りなく丸に近い三角だった。一層のこと丸になれればと思ったことも多々あったが成りきれず三角のままだった。  三角が部下の四角を嫌いなのは四角だからではない。四角は苦手ではあったが、尖っていること自体が嫌いな訳ではなかった。三角のような人間が集まるよりは多少角張った奴がいた方が組織は活性化するからだ。「物申す」輩がいない組織など腐敗を生むだけで進歩がないことは三角のような平均点

詩「虹の橋」

私は天国も地獄も信じていない もちろん神も信じていない だが虹の橋だけは信じている 虹の橋…

触媒雑記帳~かたりすとの日常(その7)

十 大晦日のこと  かれこれ十年ほど前になるだろうか。大晦日の深夜二時頃、リビングルーム…

「リベンジトリートメント」~毎週ショートショートnote

 おれはハゲだ。頭の毛はほぼない。会社の同僚はそんなおれを馬鹿にする。  だがおれは奴ら…

詩「仮面をかぶる」~詩集「悪魔に乾杯」より

「仮面をかぶる」 真っ白な気持ちで 躊躇なく 幼い心は 小鳥のように震えて 広く澄み切った…

忘れっぽい詩の神~#青ブラ文学部参加作品

 北国の小さな村に詩人を志す若者がいました。  詩集を出せども出せども一冊たりとも売れな…

短篇「Erybell」~シロクマ文芸部お題「海の日を」

 海の日を枕元の卓上カレンダーから消す。正確には七月二〇日をマジックで塗りつぶす。海の日…

触媒雑記帳~かたりすとの日常(その6)

九  メルカリで古本を購入した相手から一週間以上も連絡がなく、今日キャンセル申請をした。最近、使わないガジェット類や機械類をメルカリで売り、その収入で古本を買うことが多いのだが、まったく連絡がないのは初めてのことだ。  色々な思いが巡る。相手のプロフィールを見るとつい二ヶ月ほど前までは取引しているし、いまだに出品中の商品が他にもある。しかしまったく動きがない。仕事が多忙なのか。いや、いまどきスマホなしで仕事をしているとは思えないからそれはない。スマホを落としたのかもしれない。