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廃棄衣料ってどんなモノ?

日本でも少し話題になりつつある衣料品廃棄問題

衣料品廃棄には大きく分けて2つの原因がある。
・販売不振などの理由によるもの
・不良品によるもの

6割プロ―パー消化(初期上代での販売)できれば、良く売れた商品だと言われる現状
つまり大半は5割売れれば良い
実際、年間の国内衣料供給量40億着の内、17億着は棄てられているとも言われている。*資料により若干の違いあり

今回は不良品による廃棄について深く掘り下げたい。

私たちは廃棄される新古品Tシャツを回収し、様々の方法でアップサイクルしていますが...

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このTシャツはその回収したTシャツの1枚

長年繊維製品に触れ、
企業の品質基準を定めたり、品質検査の仕方を指導してきた立場、
いわば検品のプロです。

そんな私が見てもどこに問題があるか?さっぱりわからない。

ワークショップや講習、講座等で
必ず皆さんにも回収した廃棄される予定だったTシャツを見て貰います。

しかし100%の確率で「どこに問題があるのか?」わからないと言う回答

明らかに穴があいていたり、汚れていたりするモノもあります。

しかしその割合は1-2割程度、
ほとんどの場合、
言われなき、そして罪なき不良品

ではなぜ?
不良品呼ばわりされるのか?
または誰がそう判断するのか?

まず消費者クレームによる不良品返品率は限りなく少なく、
ほとんどの場合、取引先企業からの返品

企業の立場からすると消費者からのクレームをできるだけ避け、
安全なモノを供給したいと言う思いから、疑いのあるものは不良品と扱う。

しかし決して繊維製品取り扱いのプロではない為、モノづくり的に回避できない問題点すら、不良品と言うレッテルを張ってしまいます。

基本的に
どんなに安い商品でも原産国において第三者機関を使った検品が100%
行われている。
その為、プロにより判断で100%検品が行われており、限りなく不良率は低い。

そして安もの衣料と言えどもの日本国内で日本の企業が監修、管理されて作られた商品は他国と比較にならないほどクオリティーが高い。

同じ工場で作られた商品でも日本向け商品のみ特別な管理体制で生産管理されている。 

では
作り手側である企業が取引企業に
「不良品ではない事」を説明すればよいので?
と言う風に思いますが、

・顧客に説明して印象を悪くしたくない
・営業、販売員に繊維の専門性が無い為、妥当性を説明できない
・後ろ向きな事に時間を割きたくない

またそもそもTシャツ自体薄利商材なので、
返品を受けた際の対応や検品、検針を実施しただけで赤字になり、再販するメリットがない。

その為、
お金を払って産業廃棄物として棄てると言う選択肢を選ばざる追えない。
と言うのが実情

ここにも薄利多売の弊害がある

返品=廃棄と言う一連の流れを変えない限り、環境負荷に直結する廃棄を
減らす事はできない。

薄利多売で大量生産する企業からすれば、ほんの数パーセントの割合でも
廃棄量のインパクトは大きい。

モノづくりをしてきた立場からするとどんな1枚も大切な1枚

生み出したものを粗末に扱われたくないと言うのが、本音

それは商品を企画する人、生産する人、営業or販売する人がそれぞれの役割の中で専門性の高い知識を身に付け、商品に対する愛着を持つ事で大幅に
改善できると思う。

たかが1枚、されど1枚

どの立場であれ、徹底する事で廃棄量が減らせるかも知れない。

な~んて思ったりします。



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