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国内衣料品廃棄だけが問題じゃない。 現地で見た生産国での廃棄問題

こんにちは!
昨年のバーバリーの廃棄問題を皮切りに国内での衣料品廃棄問題が
フォーカスされ始めました。

バーバリー(Burberry)は7月の決算発表で、ブランドを守るため、3700万ドル(約40億9000万円)相当の売れ残った服やアクセサリーを廃棄したことを明らかにした。
この対応はソーシャルメディア上で激しく批判され、一部の怒れる顧客からは非倫理的かつ環境に悪いとの声が聞かれた。
バーバリーのCEOマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)氏は6日(現地時間)、プレス向けの声明で、同社は今後一切、売れ残った商品を燃やしたり、本物の動物の毛皮を使用しないと述べた。
引用元:BUSINESS INSIDER

また
大量廃棄社会
「アパレルとコンビニの不都合な真実」の中でもアパレル業界の
廃棄問題が大きく取り上げられた。

今まさに世の中では衣料品業界に関わらずサスティナブルが求められ、
「誰一人取り残されない社会」実現向け動き始めています。

その中でもう1点皆様にご理解してほしい真実があります。

日本ではまだ話題として取り上げられていませんが、
生産国でも大量の廃棄が行われていると言う事

現地で見た
未引き取り品の現状をお伝えします。

未引き取り品にはいくつかのパターンがあります。

①生地で放置しているもの
発注がキャンセルになり、使用しなくなったモノ
若しくは色が違うなど品質上の問題点があり使用できなくなったもの

その多くは現地ローカルマーケットや品質などに厳しくない他国の商品に流用し、低価格で使用されています。

問題は転売を使用を禁止されている場合
ブランドオリジナル生地などの場合は転売を禁じられている場合があります。その場合は廃棄するしかありません。

日本の場合、
品質基準が厳しい為、通常の生産でも生地のロスは10%以上発生し、
それらも破棄される事が多いです。
綿の場合は再利用や別途使用用途がある為、お金に変わる可能性がありますが、合繊繊維は現状引き取り手が無く、廃棄されているケースが多い。
直近では価格競争の煽りもあり、合繊繊維の使用が増えている事も廃棄に拍車をかけています。

②製品での不良品
日本の製品基準はとにかくきびいです。
消費者にとっては安全な衣料品が手に入るので喜ばしい事ですが...

しかし果たしてその基準そのモノは正しいのか?

余談ですが、
これは若干批判的な事になりますが、皆様はご自身が着られている服が織物なのか?編み物なのか?ご存じでしょうか?

皆様がそれを知らない事は全く問題ないのですが、実は業界の中でも知らない人が多いです。特に製品検査や品質管理をしている立場であれば、知って
おくべき内容です。

簡単に説明すると
織物・・・シャツ、パンツやスーツなどに使用される生地を作る方法で
     縦と横の糸を織る事で生地を安定させます。
*中島みゆきさんの「糸」は織物ですね!

編み物・・・Tシャツやセーターなどに使用される生地を作る方法で
      横編みと言われています。
      伸縮性があるのが特徴です。

比較的しっかりた織物の生地と伸縮性のある編み物の生地とでは
まったく特徴が違います。
その違いすらわからず、商品が不良だと判断される事もしばしば

「Tシャツの丈が1cm短い」何て言われる事も
ちょっと伸ばしたら逆に2cmくらい大きくなりますよー
「だって伸縮性のある編み物の生地やもん」と思いつつ
やんわりとそれをお伝えする。

そもそも安い商品は使用糸量減らして編み効率上がる為、スカスカに編むのでより伸びます。
価格とのバランスも考えて品質基準も定めてほしいモノです。

より伸縮性のある生地と伸縮のないしっかりとした生地が同じ基準で
図られると言う矛盾

話は戻りますが、そんな訳のわからない人たちが定めた基準により、
不良率は高まります。
当然、不良と判断された商品は日本には出荷されず、現地工場に残ります。

じゃーそれはどうなる??

日系企業が責任を持って処理しているケースは少ないです。

国内マーケットで低価格で販売されていたり、ネーム付け変えて他国で販売されていたりしています。

管理がある場合は現地で焼却し、転売などが発生しないようにしています。

③発注キャンセルによる未引き取り
 発注しておいてキャンセル??
と疑問に思われると思いますが、実は結構多いです。

日本の繊維業界は昔から口約束が多い
「1万枚発注するから生地用意しておいて...」とか
「納期ないから先進めといて...」とか

特に対中国企業とのやり取りは契約書が無いままで進められている事が
多かった。

その流れは生産シフトされた東南アジア、バングラ、インドなどでも...

この事によるトラブルも頻繁に起こっています。
特に東南アジア、バングラ、インドは契約社会なので契約の無いものを進めて
行くこと自体不本意だと思いますが、強要しているのが実態です。

ここでも「対応してくらないなら他でオーダーする」と言う殺し文句で
アンフェアな取引をする

そして「他に安い工場見つけたから」と簡単に生産工場を変える。
「商品できてます」と言うと「えっ 発注してないやん」と平気で言う。

そしてこれの商品は②のB品同様の末路をたどります。

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こちらの画像はバングラデシュの繊維工場が集まるエリアに棄てられるゴミ置き場です。
日本の様に産廃施設やゴミ処理場が無い為、街の一角にドンドンゴミや山積みにされていきます。
そこは異臭が漂い、至ると事で引火しています。
その火災が原因で大量のダイオキシンが発生し、環境破壊に繋がっていると言われています。
確信はありませんが、この中にも日本企業がオーダーした未引き取り品やB品などが含まれているかもしれません。
*画像粗くてすいません。

今なお現地工場からは
「見引き取り品の転売先ないか?」
「こんな生地があるけど、使用できないか?」と頻繁に連絡がきます。

日本では年間40億着供給している内、17億着が廃棄されている」と言われていますが、これら海外現地工場での未引き取り残をカウントするとその数字は20億を上回るかもしれません。

そしてそれ以上にビジネスマナーが問題です。
エシカルが叫ばれる中で「言った。言わない。」と言う様な低次元なレベルでのやり取りで地球環境労働環境を苦しめるのはやめてほしい。







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