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太陽宿り

土砂降りの太陽光が紡ぎ出す

短し朝のひとときよ

私の悲観的な内緒が増えることなど

どうでもいいとばかりに

始まってしまったら歯止めの効かない

猛進的な朝が静かに騒ぎ

直線的に蠢き出す


人々とは朝を食べた食感も匂いも違う私は

この朝からつまみ出されて

捨てられ

暗い洞穴の様な動かぬ螺子路に

利害が一致する筈だと

ひとくくりに朝の看守に放り込まれた



私はただこの朝の一部になりたいと

社会の始まりが私にとっても同じ一日の始まりでいたいと

そう願って列に並んだだけなのに


群勢と違う脳や身体や精神を持って歩くことが

どれだけ難しいことか代弁したいが

哀れを承知で演説をかますほど

私は野生に生きていない


だからせめて

群勢と違う脳や身体や精神を持って歩くことが

難しいことだと実感し

目を閉じている火種を

ビル風から私が守ってあげたいという

世界征服のような正義感に

満ち溢れては頭を捻る


厳かにそっと鳴らした鐘の音が

ザーザーと降る太陽光のしたで

暗い螺子路を陽宿りとして使う人々だけに

聴こえる様に

トンカチで太陽の鐘を鳴らす


太陽が欠けないように

少しだけ叩かせて


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